薄弱の母と、王毅将軍
スープジャーの組み立てができない。
組み立てというと大袈裟だけど、
部品が5個以上、
私には、立派な組み立て作業。
物を組み立てることがとても苦手だ。
ADHDだからなのか。
中学の技術など、最低の成績だったのを思い出す。
娘の習い事の日は、帰宅前に車で夕飯を食べる。
娘と私、二人分のスープジャーは毎週出番があり、いつも夕方に娘がパパッと組み立てる。
いとも簡単に。
昨日、娘は友達が遊びに来ていたので、
私は乾いていたスープジャーの組み立てに挑戦してみたのだ。
同じメーカーの型違いの部品。
やはり、よくわからない。
イライラしていると、娘が自室から出て来た。
今度生まれる時はもっと賢く生まれたい。
せめて人並みに、と、
私は、どうしようもないことを嘆いた。
娘は厳かに言った。
私には二つの道があります。
一つは、薄弱の母を助けて歩む修羅の道。
もう一つは、奴隷の暮らしに戻る道、です。
なぜか、王毅将軍の口調で。
映画に行く前は、政が好き、吉沢亮が好きと騒いでいて、最早飽きてしまった娘。
いまは別の推しがいる。
私はずっと、王毅将軍のファンですよ。
修羅の道を歩ませてしまった。
それなのに。
私を笑わせるのも、娘の身につけた生きていく術かもしれない……
そうして、
いつもここに行き着く。
自虐は嫌だ。
でも、笑い飛ばして生きていくしかない。
内緒で買って喜ばせようかと思っていたら、
飽きたそうで。
その、スピード感🐎
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