弾性と塑性。
塑性(そせい)。
外部からの力で凹むと、そのままの形を保つ性質。
柔よく剛制す。
しなやかな柔軟さが一見強そうな堅さを
結果的には負かしてしまうもの、を意味する「柔」は、
さらに二つの性質に分けられる。
その二つが、弾性と塑性。
元に戻る弾性か、凹んだままの塑性か。
いかなることがあっても自分を見失うな。
常に自分の形を忘れず自分に戻れ。
「弾性」的な方向での自己実現を目指すのが、
よしとされがち。
一方、「塑性」を人生になぞらえてみると、
自分の形などどうでもよく、
その都度変化して構わないのだ、となる。
その都度、与えられた環境で適切に対応している
自分のままがいいのではないか。
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『塑する思考』という佐藤卓さんの本。
新卒で入社した会社の関連で親近感があるし、
「デザインあ」も大好き。
デザインの本だけど、私はこの
【塑性という在り方】
に、大きな感銘を受けた。
チャクラを学んで、自分軸を持てて、
ブレがあっても真ん中に戻る弾性。
日々の暮らしは、そんな風に小さな揺らぎに
葛藤を重ねながら進んでいくものかもしれない。
でも、大きく人生で捉えてみると、
『絶対にこうありたい!』という
強い信念のもとに進んできたわけでなく、
その時その時に置かれた環境の中で塑性的に
なんかいいな、こうしたいな、という感覚に導かれて、
気づいたら、辿り着いた場所にいる。
と感じる。
与えてもらった環境に感謝して、
自分にこだわり過ぎることなく、
結果として良くあるように邁進していく。
それは、自己満足でもいけないし、
諦めたり、手を抜いたりせずに、
誠実に、素直に、謙虚に。
と、つくづく感じます。