ゆめよりもはかなき世の中を
どうもついていない日がたまにある。それが昨日だ。
わたしは運が良い方だと思っている。「ラッキーーー!」と感じることの基準がそれはそれは低いからなのかもしれないが。例えば、朝起きた時に青空が広がっているだけで心が踊る。太陽が見えなくても眩しくなくて過ごしやすい嬉しい日。雨が降っている日は雨音を楽しめる良い日。雪はわたしの住む地域では滅多に降らないのでそれだけでわくわくする日。どんな天気でも基本的にはラッキーだな、と思える。
雨の日は外にさえ出る用事がなければ好きだ。外にさえ出なければ。
昨日、化粧だけはすこぶる上手くいった。ノーマルカメラで盛れるくらい。どうやら運を化粧に全振りしてしまったようだ。
わたしのついていない1日に起こった出来事を一言ずつ表すならこうだ。大きな水たまりに気づかずぼしゃん。トラックの水しぶきを浴びて半身びしゃびしゃ。自分で頼んだわさび&ビーフ風味にひいひい。隣の人が背負おうとした鞄が当たって左頬をばこん。階段で前を歩く人の傘が額にごつん。
目も当てられない。
家を出て、ものの15分でわたしはディズニーシーのアクアトピア夏ver.くらい濡れた。ありったけの水を受けたわたしは昼食をロッテリアでとった。絶品チーズバーガー美味しいよね。ジャンキーな食べ物はたまに猛烈に食べたくなる。セットのしゃかしゃかポテトのフレーバーではコンソメ風味がいちばん好きだ。だけどコンソメ風味が無かったので、仕方がなくわさび&ビーフ風味を選んだ。辛いものが苦手なのに。想像以上に辛くて泣きながら食べた。家を出て1時間と少し。この時点で4つも運がないことが続いている。なんだか洋画の冴えない主人公みたいで楽しくなってきた。1分後には歌い出しそう。
その後、用事を済ませ帰路についた。最寄り駅まで電車に揺られながら1日を振り返る。ある意味すごい1日だったな。不運よくばり贅沢セットだって。わたし、もしかしたら漫才してたのかも。いやコントか?そんなことを考えていたら最寄り駅。座っていたので立ち上がったら左隣に座っていたスーツの女性も同時に立った。なんか気まず…と思ったのも束の間、黒い物体がわたしの左頬に当たった。その女性がバッグを肩にかける動作に巻き込まれたようだ。
いやもうええわ。どうもありがとうございました〜。
階段を登りながらひとりごつ。その瞬間、前を歩くサラリーマンの持っていた傘の先端がわたしの額を一突き。階段を歩く時に傘も振っていたのか。それにしてもなんてタイミングの良い。どうやら笑いの神様に愛されていたようだ。
ついていない日や落ち込むことがあった日は決まってご自愛タイムをつくる。
お風呂でお高めのトリートメントを使う。
いつもより長めに湯船に浸かる。
ちょっといいパックをして入念にスキンケアをする。
可愛いパジャマを着る。
写真のような電球色の間接照明だけを使って視覚から自分を温める。
いつも使っているアロマディフューザーにご自愛タイム専用のアロマオイルを垂らす。
ハーブティ、ほうじ茶、ホットミルクのどれかをお気に入りのカップで作る。
それをちびちび飲みながら本を読む。友人たちから貰った大切な手紙を読み返す。
ゆったりした洋楽やシティポップを聴きながら日記を書く。
YouTubeの笑いたい時用のプレイリストを再生する。
プロジェクターを使って壁一面に推しのライブ映像を投影する。
もし泣きたい気分だったら思う存分泣く。
そして完全復活とまでいかなくても前を向けそうになったら眠る。
その日の精神的な疲れを持ち越さないために、そして明日からも頑張るためにこうしてゆっくり充電する。とことん甘やかす。傷つくことがあった日は特に夜を大切にして過ごす。あまり良くない1日の夜は余計なことまで考えてしまうから、そんなこと考える隙を最初から自分に与えない。
誰かがわたしのことを蔑ろにしたのなら、その何倍も何十倍もわたしがわたし自身のことを大切にしてあげたい。
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