春は曙。

春が好きだ。桜の儚さが好きだ。
柔らかくなる陽射し。暖かさを運ぶ春風。春の匂い。
控えめな青色の花を咲かせるオオイヌフグリ。小さな黄色をたくさん集めたミモザ。
お花見。入学式。始業式。
ギンガムチェック。パステルカラー。トレンチコート。
昼間に服を合わせると、夜は寒くなってしまうので服に悩むこと。こんなところにも春を感じる。
新学期。新生活。
自然も服も日常も色とりどりになる春が好きだ。


2022年の春は突然来た。…と思いきや冬に戻ったり。この時期の天気は特に気まぐれだ。3年程前の東京は桜と雪が同時に楽しめる、なんて不思議な春をむかえた。
今年の春は曇りが多くて、綺麗な空色と淡い桜色のコントラストを楽しむよりは白色の空とポップコーンみたいな桜をみることの方が多い。

春になると、街を歩く人々の足取りが軽やかになるような気がする。身につけるものが軽くなるからだろうか。
それともまだ見ぬ出会いに無意識のうちに心が躍っているからだろうか。

かくいうわたしも足取りが軽くなっている人々の一員だ。
この春、大学1年生になる。新しい環境にわくわくしている。
不安がないと言えば嘘になるが、今は楽しみの方が大きい。今は。
とはいえあまり期待しすぎると、理想と乖離した現実にがっかりしてしまうのでほどほどに楽しみにしている。

どんな人と出会って、どんな学びを得て、どんな成長をするのだろう。
素敵な春にしたい。