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宝石を作ってみた
「食べる宝石」をご存知だろうか?
「琥珀糖」という和菓子だ。キラキラときれい。なるほど、宝石のようだ。
今年前半、和菓子教室を開催したのだが、その時にご縁ができた方が、食品卸企業の社長さんだった。その後、点心の教室に来てくれたり、茶道の教室に来て来れたりと、お話をする機会もどんどん増えたのだが、その社長さんから「相談がある」と言われた。
なんだろう、と思ったら、「今回、ギフトボックスを作ることにしたの。有機コーヒーにクッキーを合わせたボックスはできたのだけれど、有機の煎茶に合わせるものを作ってもらいたくて……」ということだった。
ギフトボックスっていうことは、そこそこ日持ちするものじゃないといけない。けれど、和菓子ってなかなか日持ちするものがない。干菓子なんかは日持ちするが、材料費がかかる。依頼の価格帯に合わない。
う〜ん、と考えて、「あ、食べる宝石がいいんじゃないか」と思った。普通に作って色を入れるだけでも綺麗でテンションが上がる。
でも、せっかくなので何かちょっと変わったものを作りたい。ぱらぱらと、店に置いてある和菓子の本を見ていたら、エディブルフラワーが入った琥珀糖の写真があった。美しい。
でも、エディブルフラワーも、お高いのよね。
でも、なんか入れたいなぁ、花が入ったら綺麗だもんなぁ。そして、思いついた。桜の塩漬けがあるじゃないか。普通にスーパーで売っている、めでたい時に桜茶として出す、あれだ。
レッスンであんぱんを作るときに使ったものが、店に残っていたので、早速使ってみた。桜の塩漬けとキルシュで大人の琥珀糖だ。
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もう一つ、シュトーレンの材料を買いに行ったお菓子の材料店で見つけた、オレンジの輪切り。これも綺麗なんじゃないか?紅茶のリキュールと合わせてみた。
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大きさとかリキュールの量とか、まだまだ調整は必要なんだが、いい感じのものができた。
結局好きなんだなぁ。ああしてみよう、こうしてみようって考えて、作ることが。アイデアを出して作ってみて、うまくできたら満足なんだ。ただ、それを作り続けるのは、苦痛だ……。つまり、飽きっぽい。
最近になって、自分がいかに熱しやすく冷めやすいのかがよくわかってきた。この短所、だけどもう治らないし、実は治す気もなかったりするのだ。