光溢れるジヴェルニーの夏、モネの夏
冬が近づいている。
私は冬が苦手なので、光が溢れていた夏の話でもしよう。
今年の8月、ちょうどパリでのオリンピックが終わった頃にジヴェルニーを訪ねた。もう睡蓮が咲き終わってしまう頃かなぁ、出遅れたなぁと思いながら。
ジヴェルニーは印象派の先駆者、クロード・モネが人生の後半を過ごした場所。
私は好きを通り越して、印象派を崇め奉っているくらい尊敬している。19世紀後半パリ、保守的な絵画界に反して、モネたちは新しいグループを立ち上げる。それがのちに「印象派」と呼ばれるものになるのだ。
アカデミックな流れに反抗する強い精神をもつ印象派らが描く作品には、愛と幸せに満ち溢れている。
そこが、好きなところ。
モネが描いたことでも有名なサン・ラザール駅からTGVに乗り込み約1時間。最寄駅からシャトルバス(往復で12ユーロくらい?車掌さんにお金を渡す形式・クレジットOK)で20分程度。
そしてバス停から案内に従って歩くこと15分程度。ようやくモネの、かつてのアトリエ兼お家に到着する。
ついてすぐに足早にお庭を見に行く。モネの睡蓮の作品を見るたびに何度、この庭を想像しただろう。おそらく何億回と想いを馳せた。嘘じゃない。
それが目の前に広がっているんだからもう、池に飛び込みたくなるところだった。(だめです)
ちなみにこの池は、『エミリー、パリへ行く』シーズン4でも登場してまたまた有名スポットになったんじゃないかな。
モネは晩年、ここの庭や池を自分で手入れをし、それを作品に描いていたという。自分が描きたいものを、自ら作るなんてアートの自給自足。
モネの家を中心に栄えた村は、レストランやカフェがたくさん立ち並んで賑わっている。おだやかな光が降り注ぎ、ゆっくりと時が流れている。パリに比べて。
モネがきっと歩いたであろう道を歩く。確かにここは光で溢れてる、光が光に反射して眩しい。
でもこの村に辿り着くまで、モネはパリの喧騒の中に見えたピンク色の空や、汚いけど輝くセーヌの水面や、忙しく行き交う人々を作品に写してた。
パリでやりきったから、ここに来たんだよなぁ。
なんて、思ったり。
来年はもっと睡蓮が咲いているタイミングで来よう、と意を決して今の私の街、パリに帰る。
追記
モネのお家の近くにある、印象派美術館も魅力的な展示をしてた。モネに影響を受けた日本人画家の展示。
日本に影響を受けたモネに影響を受けた日本人。時代と距離を越えた面白い流れを見て、元気出た。
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