若橋家の、移住持ち家戦略(2)~15年後に手放せる土地選び~
こんにちは! 若橋未央です。
私達は2022年12月、夫の故郷・宮崎に注文住宅を建てて、家族で移住を完了しております。
前回、「ザ賃貸派」だった私たちの、東京・築古借家 VS 宮崎・新築注文住宅 懐事情を書きました。→こちら。
今回は、注文住宅・持ち家だけど、賃貸の「住居にしばられない、住み替えしやすい自由さ」の価値を取り入れるべく、自分たちの懐事情とにらめっこした土地選びについて、書いてみます。
賃貸の「住居にしばられない、住み替えしやすい自由さ」は2つある
賃貸は、「住居にしばられない、住み替えしやすい自由さ」がいいですよね。この自由さには、2つの側面があると思います。
1つめは、積極的な動機。転職して別の仕事にチャレンジしたくなった、住みたいと思う街・住まいを他に見つけたなどです。
2つめは、消極的な動機。隣人トラブル、学校トラブルなどを、引越しで元凶から離れることで解決できます。マイナスリスクへの備えです。
子育て期は引越し欲が激減する
1つめの積極的に住み替えたい動機について。
もともと我が家は低めでしたが、今回、家族そろって移住して、持ち家に腰を据えると、スッカリ消えてしまいました。
子どもという、自分より精神的なブレが大きそうな生き物が、安定して過ごせる場所、環境をコロコロ変えたくないんです。というか、変えるのが大変すぎる。
小学校、友達関係、行政の子育てルールや補助の把握、土地勘、小児科、歯医者、整形外科、耳鼻科、スーパー、習い事、美容院、etc…
実際、3か月前、宮崎に引越し、土地勘が無い場所で、小2,年少の環境を構築しなおすの、超超大変でした(まだまだ構築中)。
子ども自身は環境に適応するとしても、小児科や、学校・園など、「子どもの成長の経過を知っている、サポートしてくれる大人たち」との縁を切るのは大ごとで、積み上げてきた価値がガラガラポン、無に帰した感覚です。
脱出したいトラブルが発生しない限り、もう1度イチからやりなおしすのは勘弁願いたいです笑。
転勤族で家族ごと引越しをくりかえすおうち、…尊敬します。
家族4人地方移住…直後の日々が想像以上にハード😇夫の地元寄りのため私に土地勘無し。買い物1つでも、各店の品揃えがわからず「我が家的いつものやつ」を買うのに空振り続き。しかもアラフォー最大HPは低く、子2人も新天地不安で私にベッタリめ。夕方どころか午後にはHP枯渇…とほほん。
— みお(若橋未央)| 家を建てて地方移住 | 編集者 (@mio_wkhs) December 30, 2022
_(:3」∠)_
そして小学校高学年になってくると、子ども自身も転校に強い難色を示す率が高くなります。
自分の親戚や友人関係を見ても、子どもが小学校高学年になる前に、家族ごと転勤生活→稼ぎ手単身赴任+家族定住に切り替えるケースが多いので、やはり、子育て世帯が転居を繰り返すのは超大変ということでしょう。
子どもが1人だけなら、その子の成長期(中学進学・高校進学など)に合わせて気軽に住み替えたくなるかもしれませんが、子が2人以上いると、常にだれかは住まいを安定させたい時期(小学校高学年、高校受験期、大学受験期など)なので、まあ、引っ越し欲は出ないのだろうと…。
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子どもの誰かが小学校にあがり、子ども全員が高校卒業するまでは、「賃貸のほうが積極的に好きな街に住み替えられていいじゃない!」は価値がうっすーくなる、ということです。
この期間が、我が家の場合、2022年時点で年少だった下の子が高校卒業するまでの15年、2038年です。
移住希望地域に、住みたい賃貸物件がない。となった時に、1か所に落ち着いてくらしたい子育て期15年は、宮崎で持ち家・定住生活もアリだな、と思いました(そして、実際に取得し今に至る)。
2つめの、賃貸なら、隣人トラブル、学校トラブルなどを、引越しで解決しやすいのに…持ち家にしちゃって大丈夫?という側面については、以降で細かく説明していきます。
トラブル脱出の引越しも視野に入れた、持ち家予算の決め方
隣人トラブル、学校トラブルなどへの備えとしては、「引越しできる経済的余力を残す」「手放せる土地を選ぶ」「手放せる家を建てる」ことで、私たちなりにリスクを小さくし、受け入れました。
硬めの総予算と、緊急時現金のキープ
「引越しできる経済的余力を残す」については、まず、総予算を高くしすぎないこと。我が家は、額面収入5倍以内厳守、総予算5,500万円でした。
(この予算、東京ではマンションも戸建も買えないです…ハハハ…)
この予算は、ちきりん著『キンドル・リノベシリーズVOL1 賃貸か購入か』を参考にして決めました。
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そして、家族の生活費2年分、我が家の場合1,000万円を、常に生活防衛資金として現金で出せる状態にしています。家づくりの頭金、諸費用を払った後でも、です。
生活費2年分があれば、躊躇せずに持ち家からすぐ仮住まいに避難できます。そこから元の家をあせらず売却したり、クリーニングやメンテナンスをして賃貸に出したり、転居先を決めたり、生活状況を整えられるとふんでいます。
東京では、「間違いなく売れる物件だから、困ったら売る」と言って、額面年収8倍以上のマンションを選び、手元の預貯金も、ほとんど頭金に使ってしまう人がいます(そうせざるをえない物件相場だったりもします…)。
でも、不動産は相手が決まって契約完了・実行しないとお金が入ってきません。当面の一時金がないと、「売主が住んでいる状態で契約を決めてくれる」相手しかお客さんになってもらえませんし、売り渡されてやっとトラブル脱出の引越しができる、綱渡り状態になるはずです(実際にやったことないので想像をふくみます)。そして売りを急ぐと、もちろん売却値は安くなるでしょう…。
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生活防衛資金、大事です。逆にいえば、生活防衛資金をキープしておける総予算で家づくりができそうだったから、家を買ってもいいか、と思えました。
生活費2年分の生活防衛資金、は、水瀬ケンイチさんが提唱されている考え方です。投資市況の暴落やリストラ時など家計変動期に備えてのものですが、私は「隣人トラブル」「学校トラブル」も、ここに含めています。
参考 水瀬ケンイチ著『お金は寝かせて増やしなさい』
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手放せる、買い手がつく土地を選んだ
次に、土地の選び方について。
「不動産は相手が決まって契約完了・実行しないと」と述べましたが、不動産は、相手がいないと、手放せません。
車は廃車することで存在を消滅できますが、土地家屋は、相手が現れない限り、自分で維持管理しなければなりません。固定資産税も、管理費も延々とかかります。
よって、私たちが土地家屋の予算配分で大事にしたのは、手放したい時に相手が速やかに現れ、手放せる人気の場所を、生活防衛資金を確保しつつ、高すぎない総予算の中で選ぶ。ということ。
…そんなムシのいい話、東京では実現しません!が、リモートワーク東京勤めの収入×宮崎都市部では可能で、市内上位2割に入る「人気・値崩れしにくい」場所を選べました。
【若橋家が選んだ土地のスペック】
宮崎県宮崎市・中心市街地まで車で15分・土地約85坪
ハザードマップオールクリア
交通の便がよい(主要道路への出やすさ、市街地・商業地への行きやすさ)
都市計画上も将来の居住誘導地域として指定されている(インフラが優先して維持される)
坪単価25万円前後、2,100万円
人口減少の時代、地方都市の土地が同額、それ以上で売れるとは思いません。でも、きちんと手放せる確率が高い、いいところに買えたと思っています。(もちろん、スペックだけではなく、私たちが「住みたい」「住んでいて楽しい」と思える、気持ちのいい場所です!)
私の信頼する、デキル不動産Sさんの金言。
「地価が高い人気エリアは、価格を下げれば買う人が現れる。地価が低いエリアは、0以下に下げようがないから決まらない」。
地価に余裕があることは大事。
そもそも、私は子育て期(末子が3~18歳)と同時に訪れる介護移行期(近居で一人暮らしのお義母さん75歳~90歳)の15年がすぎたら、もう一度、夫婦で住まいを選びなおしたいと思っています。
断言しますが、私は、地縁がない宮崎に骨をうずめる覚悟、まったく持たずに移住しています!15年後に自由になる気、満々です。
15年後、子育てと介護の見通しを付けた私たち(50代半ば)が、
宮崎で、夫婦2人暮らしサイズの家を探すのか。
お義母さんの介護継続優先で住まいを選ぶのか。
子育て・介護両方にめどがついていたら、東京にもう一度引っ越して、賃貸住まいをしたくなるかもしれません。
もしも、子どもが海外に進学・就職したら、その縁で近くに拠点を構えたくなるかもしれません。
夫婦それぞれのやりたいことによっては、別居婚を選択してもいいと思います。
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子育て期の15年以内に持ち家を手放すのは「もしものトラブル脱出」ですが、15年をすぎたら、積極的に手放す、自由を得る選択肢も持ちたい。そのために、「手放せる土地」は最重要必須項目でした。
(次回予告)家屋も、次に住む人のことを考えて設計
私たちは、注文住宅の家屋も、「15年後に、次の家族に渡す」ことを前提に考えて、総予算内で(重要!)、性能を上げ、受け入れてもらえそうなデザイン(外観、敷地の建物配置)で建てました。
(3)では、この点をくわしく書いています。↓こちらでどうぞ!
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