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若橋家の、移住持ち家戦略(4)~次の家族が使える、可変性が高い間取り~
こんにちは! 若橋未央です。
私達は2022年12月、夫の故郷・宮崎に注文住宅を建てて、家族で移住を完了しております。
若橋家の持ち家戦略シリーズ、ここまでの記事はこちら。
(1)東京・築古借家 VS 宮崎・新築注文住宅 実録懐事情
(2)15年後売却想定の家づくり総予算、土地選びの話
(3)15年後売却想定の家屋性能、デザインの話
(4)となる今回はいったん最終回。15年後に我が家を使ってくれる、まだ見ぬ家族の住まい方を考えて仕込んだ、間取りのポイントをご紹介します。
【新築時】家族4人、W在宅勤務、ゆったり使う間取り(若橋家)
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松山良太・画(kindleではフルカラー予定!)
ベースの間取りは、若橋家(リモートワーカー夫婦+小学生+幼児)です。特長は、以下のとおり。
平屋のように住める、1階主寝室+LDKと、子ども部屋・書斎の小2階
→主寝室へのアクセスが容易、かつ、プライバシーを確保しやすい玄関そばにトイレと、トイレ外にセカンド洗面台。来客はこちらを使用するので、ランドリールーム(メイン洗面台あり)は生活感丸出しでOK
玄関ホールに大型のコートクローク。花粉などをLDKに持ち込まず済む
広めのLDK(22畳)でのびのび。LDK南東、ソファ後ろが生活導線から外れるため、幼児のおもちゃ出しっぱなしにコーナーになる
ホール階段採用、1階LDKと2階間で、音が響きにくい。1階寝室内と2階、眩しくない北側に、夫婦それぞれの書斎。お互い邪魔にならない、在宅勤務に適した環境
ホール階段ではあるが、キッチンに立つ人から、玄関ホールまで見える→家族の出入りがわかる、コミュニケーションがとりやすい
ランドリールーム&ミニクローゼットつきの脱衣室計5畳、ガス乾燥機乾太くん横置き、室内干しも完結できる。外干ししたいものはストックヤードの物干しへ、勝手口から直アクセス。→共働き夫婦の効率的な家事重視
キッチンとランドリルームは最短距離・かつ回遊導線で家事効率さらにUP
2階の、眺望がよい北東に、大型FIX窓設置。窓際にベンチと本棚を置いて、読書が楽しめるセカンドリビングとして利用。
2階の子ども部屋はコンパクト。家具が壁際に置きやすい、高めの窓。
夫婦の書斎については、過去記事で、検討過程を全6回かけ、くわしく紹介しています。
アレンジ① 老親介護・夫婦・子2人の3世代5人住まい
次の家族に譲るのに想定した間取り、1つめ。介護のために、独居の老親を1人呼び寄せ、2世帯住宅として使うプランです。
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これは、若橋家の「ありえる」プランでもあります。
新築時は近居を選んだ、1人暮らしの義母(新築時点で75歳)が、今後、免許返納や、認知能力・身体能力の変化に伴い、呼び寄せて同居する可能性も十分あると思っているからです(というか、倒れて介護まっしぐらの前に、むしろ来てほしい)。
ご本人は、今の家(築50年極寒戸建…)の1人暮らしを離れる気がないのですが、そうは言っても限界はあります。
また、今後は団塊世代の大量介護期、また労働力の奪い合い、介護士さん不足の激化の時代なので、施設入居を希望しても、受け入れるキャパが無い、希望が通らない可能性も大きいです。保活ならぬ、ホム活(親の老人ホーム探し活動?)はめちゃめちゃ厳しい予感。
施設志向だとしても、入れなかった時のため、在宅介護の選択肢を持っていることは心の余裕につながります。
私は実家の母が、やはり1人暮らしだった実母(私の祖母)が転倒骨折したのを機に自宅に呼び寄せ、亡くなるまで10年以上、在宅介護をしていたのを見てきました(うち2年ほどは、私も同居して介護に加わっています)。
お風呂は、元気なうちは、入浴施設つきのシニアジムに通えるし、介護されるようになり、活動量が落ちると毎日ではなくなる・デイサービスで週3回程度入浴するようになるので、優先度が低いです。
重要なのはトイレです。祖母は、介護度があがるにつれ、ひとりで手すりなど使いつつトイレ→介助つきでトイレ→ベッド横のポータブルトイレ→常時介護用おむつ になっていきましたが、老親の居室にトイレが近い、これが自立生活を長く続けるための住まいとして重要だと実感しました。
話がそれましたが、若橋家の1階寝室は、LDKから独立性が高く、トイレが横にあります。
少し広め、7畳+収納+書斎スペースなので、この書斎スペースをリフォームして、かんたんな調理ができるミニキッチンを入れれば、お風呂なしの広めワンルームになります。シングルベッドに、小さな応接テーブルや椅子もおけるでしょう。
朝昼はそれぞれのペースで、夕飯だけいっしょに食べるような生活スタイルが希望です。
子世帯とほどよく距離を保つ2世帯住宅としても、若橋家は使いやすいとふんでいます。
アレンジ② 小商いスペースつき・夫婦・子1人の住まい
次の家族に譲るのに想定した間取り、2つめ。自宅で、小商い(習い事の開業、士業の事務所など)をする家族です。
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大副業時代。また、終身雇用が終わる時代。自宅兼事務所という労働スタイルが、見直されています。
インターネット完結の個人事業なら、自宅に人を招くことはありませんが、ヨガ教室、学習教室、士業の事務所、ネイルサロン、美容室…来客がある前提の自宅兼事務所も、もちろんあります。
1階に独立性が高い居室が作れるとわかった時点で、これらの需要に対応できるように、仕込みをしようと決めました(自分たちも、やりたくなるかもしれませんし)。
具体的には、前述した
・家族がいるLDKを通らず行けるトイレ
・トイレ前に、独立したセカンド洗面(トイレに入らず使える)
のほか、
・玄関を通らず1階小商いの部屋に入れるよう、窓はあえて掃き出し窓に
・掃き出し窓の外まで、コンクリートの範囲を広げておく
・駐車場は、アプローチを使えば4台停められる設計
などの仕込みをしています。
アレンジ③ 大家族! 夫婦2人+4人きょうだい、収納量重視の住まい
最後は、地方ではわりと見かける多子世帯対応の間取り提案です。
4人子どもがいる家庭にも使ってもらえるように、ということを頭の片隅に置いて、間取りを確定しました。
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家族4人・若橋家は、わりとモノが少なめで、家事効率をあげ、少ない点数を使いまわす生活スタイルです。収納の専用スペース(クローゼット)はあえてあまりとらず、オープンにしています。
そこをリフォームして、収納を増やすことも可能です。「部屋と収納がガッツリほしい!」という家族へのおすすめポイントは以下のとおり。
・キッチン&ランドリールーム回遊導線をやめて壁を作ると、3畳の洗面脱衣室(それでも一般家庭より少しゆったり)+2畳のパントリーへ。収納量UP
・リビング10.5畳を、6畳リビング+4.5畳の個室に分ける。(もともと、この4.5畳、和室にしようかと思っていたくらいです)4.5畳のほうは、分けることを見越して、独立の電気配線とスイッチにしています。そして、4.5畳にベッドも机もおけるよう、掃き出し窓ではなく腰窓にして壁を確保しています。
・玄関ホール~主寝室北側の壁とセカンド洗面・書斎を撤去し、ファミリークローゼットに作り直す。玄関と主寝室は平屋で2階がなく、耐力壁はトイレの両側のみ。北側の仕切り壁はすべて取ることができるので、大規模リフォームが可能。すべてファミクロにしても、寝室は5.2畳確保できます。
2階より1階の収納が使いやすいので、ぜひリフォームして活用してもらいたいです。
***
ここまで、間取りについても「15年後、別の家族に譲る」ことを考えたんだよ、という話でした。
2023年現在、新築戸建の価格は上昇を続けています。
15年後は、既存住宅+リノベーションの選択肢がもっと広がるでしょう。
そんな時、「この家いいじゃん!」と決めてくれる、まだ見ぬご家族とめぐりあえるのが楽しみです。
いい家建てたと思っているので、次の世代に喜んで使ってもらえたら、家も嬉しいんじゃないかな。
さらにパワーアップするkindle本にご期待ください
ここまで、お読みいただきありがとうございました。
今回の全4回は試作品のようなもので、このあとさらに加筆・改良を行い、2023年秋までに、若橋家の家づくり記録をkindle本にまとめようと考えています。
興味をもっていただけましたら、そちらもぜひご覧ください。
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