「自分の世界観」の不調を言語化する
ここでおさらいしましょう。
「自分の世界観」とは、心・体・頭脳・感覚・情熱という5つの領域を統合し、実現力・精神力・共感力・自己表現力の4つの力を育みながら、自分の信念に基づいて創り上げた、いわば「自然体の自分」です。
この世界観を通して、私たちは独創性やキャラクター像、貢献や役割、夢や理想、そして信念や真理といった様々な側面で社会と関わっています。
私たちは、この「自分の世界観」というフィルターを通して、多種多様な他者の世界観を捉え、判断しています。そのため、自分と似た価値観を持つ人々には心を開きやすい一方で、異なる価値観の人々に対しては、警戒心や拒絶反応を示してしまうことがあります。これは誰しもが経験する自然なことです。
社会生活を送る中で、私たちは様々な人と関わり、自分の世界観に対するフィードバックを受け取ります。時には、そのフィードバックが心に突き刺さり、傷つくこともあるかもしれません。逆に、自分の言葉や行動が、意図せず相手を傷つけてしまうこともあるでしょう。こうした経験は、人それぞれが抱える個性や価値観が複雑に絡み合い、全く異なる形で心に刻まれます。
今回ここで探求する「自分の世界観の不調」とは、そうした「社会と自分らしさ」の調和が乱れた状態を示します。とはいえ、その原因は、個人によって様々です。例えば、社会的な要因(経済状況、文化的な変化など)、過去の経験、文化的な背景、世代間の価値観の違い、自然災害、世界情勢、人の生死に関わるような出来事など、様々な要素が複雑に絡み合って生じます。これらの要素が絡み合う不調を乗り越えるためには、私たちは、自分の心の状態を客観的に捉え、理解することの必要性を知ることが大切なのです。
ここからは、私たちが経験する可能性のある「世界観の不調」について、いくつかの例を見ていきましょう。具体的にどのような状況で、どのような感情を感じているのでしょうか。
【キャラクターと自己認識】
例えば、「キャラクター像」や「言動」に関する悩みは、「自分は周りの人とは違う」「仲間はずれにされている」といった孤独感や疎外感を感じる要因となります。それは、自分のキャラクターや行動が、周囲からどのように受け止められているか、そして自分自身をどのように評価しているかという自己認識と深く関わっています。また、他者と自分を比較してしまい、劣等感を感じたり、自信を失ったりすることもあるでしょう。
【貢献と自己肯定感】
自分の能力が十分に発揮できず、「自分は何もできない」「役に立たない」と感じてしまう時、自分の存在意義や価値に対する疑問を強く抱くことがあるでしょう。このような状態が続くと、自己犠牲的な行動に陥ったり、逆に、自分の能力を過大評価し、周囲との関係を壊してしまうこともあります。
【夢と現実】
理想と現実のギャップに苦しんだり、目標を見失ったりすることがあるでしょう。これまで追い求めていた目標が、もはや意味をなさなくなったと感じる時、絶望感に打ちひしがれるかもしれません。また、現実逃避として、アルコールなどの嗜好品に頼ってしまうこともあります。
【信念と喪失感】
私たちの世界観の根幹とも言える「信念」や「価値観」が揺らぎ、大切なものが失われてしまう場合には、激しく大きな痛みを伴います。私たちを取り巻く大きな世界観からすると、個人的な世界観は、あまりにもちっぽけです。信念に基づいて積み上げた経験が、音を立てて崩れ去ったり、信じるものを失えば、喪失感を生み出すでしょう。病気や怪我、大切な人の死など、人生の大きな出来事がきっかけで、世界観が大きく変わることもあります。
しかし、このような経験は、決して悪いことばかりではありません。 むしろ、自分自身を見つめ直し、成長するための貴重な機会とも言えるでしょう。とはいえ、直ぐに立ち直ることが難しいのも事実です。大切なのは、現状を受け入れ、自分自身に優しく語りかけることです。時が来れば、小さな一歩を踏み出すことができるでしょう。
次の章では、自分自身の癒しについて深く掘り下げていきましょう。
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