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退屈

恒例となりつつある月末更新。
本はまったく読めていないし、面白いことも特になかった。3月は比較的ゆっくりと流れていったように思う。

図書館で借りた本は表紙をめくることさえできておらず。最果タヒの『神様の友達の友達の友達はぼく』。本当は買おうと思っていたのだけれど、なんとなく買いそびれてしまっている。
それから川上未映子の新刊も、サイン本を求めているうちに機を逃してしまっている。
早く読みたいなぁ。

そういえば、東京都現代美術館で昨年の夏頃から公開されていた、石岡瑛子の「血が、汗が、涙がデザインできるか」という展覧会のVRを見た。
期間限定のオンライン無料公開で、今日が最終日だったので。半年ほど前にTwitterで見たものの、まだ日があるからと後回しにしていたらもう今日で、だから少し億劫な心持ちで見たのだけど、見てよかったな、と思えるものだった。
特に、「私は衣装をやっているのではなく、視覚言語を作っているのだ」という言葉が印象的だった。そして、展覧会のタイトルにもなっている「血が、汗が、涙が」というのは、すなわち「感情をデザインできるか」ということを指しており、自分の中にあるものをデザインをもってして伝えていく、デザインをボキャブラリーとして発信していく、というようなことが、真っ赤な壁に綴られてあった。

私はことばが好きで、ことばにこだわってゆきたいと思いながら、今もこうして書いては消してを繰り返している。けれど、それをデザインでやろうとする人もいるのだということを改めて知らしめられたというか、心の真ん中にどかんと打ち込まれるような、そんな感じがした。
できることならば、直接足を運んで、空間を肌で感じてみたかったものではあるけれど、知らなかった石岡瑛子という人の、たましいの片鱗に触れたような、新鮮な体験だった。

なんだか少し、大袈裟な気もするけれど。




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