AIは風に吹かれたことがない
南向きに大きく開いた窓から吹いてくる風がだいぶ冷たくなってきて、さむさに弱いわたしはとっとと閉めてしまいたいのだけれども、ニカちゃん(白猫マンチカン・1歳)がじっと窓辺にたたずんでいるので、閉められない。
ニカちゃんは風が好きなのだと思う。
わたしも風が好き。
風に吹かれた感覚を説明してみて? ひんやりとしたそよ風がさあっとあたたかい皮膚の表面をなでていく、だれもが知っているあの感覚を。と言われても、ぜったいに言葉では表現できない、生きているものだけが知っている感覚。
AIはきっと、言葉を駆使してじょうずにわかりやすくその感覚を説明するのかもしれない。
でもAIは風に吹かれたことがない。
透き通る秋の高い空を見上げて、きりっとした夕暮れの空気の中に、身を置いたことがない。
AIはなんでも答えることができて、そして風に吹かれたことはない。
わたしたちは答えにまどいながら、そのときそのときの精一杯の最適解を探しあぐねながらも、風に吹かれて、陽の光を浴びることができて、その感覚を知っている。
なんだか世界ってすごいところだよな、と思う。
お、ニカちゃんが窓辺から離れて、すこしあたたかいラグの上でまあるくなり出した。チャンスとばかりに窓を閉めた。なんだかすっかり冷えたので、今日はお風呂を沸かそうかなと思った。そして、コストコで買った冷凍の水餃子があるから、それを鍋いっぱいにいれて野菜もたっぷり入れて水餃子スープにしよう。
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日記はただの日記だから、さらっと書けば書くほどいいのだという気持ちになっている。でも、「経営しているスタジオの集客をしなくてはいけないので、メディア戦略を強化したいのです」といわれたら、なにをどうすべきかの指南は出す。
べつにコーチングやコンサルって、わたしが圧倒的な成果を出す必要ってない。
わたしのクライアントさんたちが、自然に成果につながっていけばいいだけなんだもの。
大谷翔平にはバッティングコーチもいるだろうし、走塁コーチもいるだろう。でも彼らはべつに大谷みたいメジャーリーグでに打って走るかといえばそうではない。それは彼らの仕事ではなく、それは選手の仕事だから。
彼らはただ、観察し、分析し、データ化し、言語化し、仮説を立てて検証し、一連の流れを軌道に乗せて、必要な精度を高めていく。
なんかそんなことがわかって、気持ちがとても楽になった。
ああ楽になった。こんなにも、きつくかたく握りしめていたものがあったのか!と、気づくことほど愉快なことはないと思う。
しかも、この愉快なことはおそらく、この先も無限にありつづけるのだから最高だ。
毎日毎日、自分を深めていくだけ。
それだけがわたしの仕事だなって思う。いわゆる本業というやつだ。
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