近道はない。魔法はない。
よく思う。ひとつひとつやるしかないのだと。
コスパとかいわれて、タイパとかいわれて、もっと合理的に、もっと生産性を高く、そんなふうに世の中がびゅんびゅんと進んでいるように見えたとしても。わたしの体はひとつで、腕は2本で指は5本ずつ。それらを順番に動かしながら、とにかく「ひとつ」「またひとつ」と積み重ねていくことしかできない。
文章だってそうだ。頭の中にはいつでも自分にとってかんぺきな色があり、音があり、光があって意図がある。それがそのまんまパッと伝わるべきひとに伝わったらどんなにいいだろう。けれどもそんなことは絶対に起こらない。
ああで、こうで、そうなって、だからこうなんです。と、ひとつひとつ、一行一行進めていくしかない。
お皿を洗っていても、野菜を切っていても、ここ最近は不思議なほどに「ひとつひとつやるしかない」というフレーズが頭に浮かんでくる。食洗機はあるし便利だし、ボタンひとつでわたしが洗うよりもピカピカにお皿を洗ってくれるけれど、やっぱり食洗機には一枚一枚お皿を並べる必要があるのだ。
なんかすごいな、なんかすごい、真実だな、と。
運命のひとと出会ってぱっと惹かれあって、なんだか生活の相性もからだの相性もむちゃくちゃ良くて、人生の価値観もほぼ同じで、「そうしてふたりは結婚し、ずっと仲良く暮らしましたとさ。めでたしめでたし」みたいなおとぎ話なんてないのだ。
というか、ないからそれはおとぎ話なのだ。
惹かれあった縁があったのなら、一緒に暮らすほどの縁になったのなら、ひとつひとつていねいに話し合わないといけない。なにが好きでなにがきらいか。どういうときに嬉しくてどういうときに悲しいのか。100回ケンカしても、101回の仲直りがあればきっとだいじょうぶで、1日の中でいかに「ありがとう」と「ごめんね」をこつこつとさぼらずに言い続けられるのか、それだってひとつひとつ気の遠くなる道のりを歩んでいかなくちゃいけない。
じゃあYOASOBIの幾田りらちゃんとかどうなのさ、と思うかもしれない。パッと見、彗星のごとく現れて音楽シーンに旋風を巻き起こし、あれよあれよというまにスターダムへと駆け上っていくようなひとたちだっているではないか、と。
でもこちら側からはパッと見で「彗星のごとく」とか思うけど、聞き齧った話で恐縮ですがもう彼女はすでに小学生のときから「音楽で生きたい、歌手になりたい」と歌うことを始め、お友だちの誕生日には自作の歌をプレゼントし、まだなにものでもない中学生のときは公園で路上ライブをしていたという。
そういう意味ではまったく「彗星のように」「パッと始めたことがパッとうまくいって」なんてものじゃない。それこそアスリートや韓国アイドル並みにひとつひとつ自分の頭で考えて、自分のエッジを超えて、自分でチャレンジしながら積み上げてきたからこその、「今」なんだと思うのです。
考えることや、考えて導き出したことに努力していく地道な日々をすっ飛ばして一気にゴールまで行けて、そしてそのまま永遠に勝ち切れる魔法のようなものをわたしたちは求めてしまうけれど。そしてそれは”欲”というよりは、どちらかというと「お金とサバイバル」にまつわる重苦しい制限から逃れようとする、”自由への希求”のような気もするけれど、わたしは身の回りのことを（noteをこうして書くことも含めて）ひとつひとつやっていくたびに、「近道はない。魔法はない。」と自分に言い聞かせている。
けれども、顔を上げて目の前の道を見て、そこを照らす空からの光を見て、「よし、これがわたしの道。わたしだけの道だから、わたしらしい歩幅で軽やかに、一歩一歩進むのだ！むん！」と明るくはりきる時、必ずその歩みには魔法としかいいようのないすばらしい風が吹いてきて、その旅路をぐーんと高みへと連れていってくれるということも、やっぱりわたしは知っているのだ。
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今後の予定
10月20日（金）14時〜 夢を使って人生を前に進める！夢学ゼミ連続クラス
10月29日（日）20時〜 インスタライブ
11月14日（火）10時〜 ゴールデン・ライフ・プロジェクト
11月20日（月）NEW! たにもとゆき＆さめじまみおと行くゴールデン☆トラベル＜箱根神社・九頭竜神社ツアー＞ ※これから募集します
11月29日（水）19時〜 ゴールデン・ライフ・プロジェクト
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