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会社員はつらいよ ep2【配属】編

これは私の辛かった会社員時代の話である。

私は2008年から2023年まで15年間、同じ企業で勤めてきた。
入社当初から違和感があったけど、辞めるという決心はできず、
最後には鬱になってしまった。

辛い、苦しい、ネガティブな感情に蓋をし続けていたあの頃。
これからはそんなふうには生きないぞという決意のためにこれを書く。




研修を終え、部署に配属された頃の話

配属された部署とは

1ヶ月の新人研修を終え、いよいよ部署への配属、お仕事スタートである。
私は、システムインフラ開発部(仮名)への配属となった。

この部署は、いわゆるサーバとかネットワークを設計して開発する部署だった。開発対象が大手金融機関のシステムだということもあり、規模が大きく、複数システムが乱立していて複雑だった。案件の量も多くて、常に忙しい。

その上、金融機関のシステムトラブルはニュース沙汰になる場合もあり、何かトラブルが起きれば即対応。日中にトラブルがあった場合は、その日の仕事は止まるし、夜間・早朝にトラブルがあれば駆けつけ対応。
トラブルでなくても、メンテナンスで夜間対応がしょっちゅうあった。

そう、この部署はとてもハードなのだ。それにいろんな人とのコミュニケーションが重要になる職場。
なぜ私がこんな部署に配属された??
静かにプログラミングをやっていたかったのに。

OJTはおじさんと共に

そしてOJTが始まった。
新入社員は皆、2年目〜4年目くらいの若手の先輩の下について仕事を教わる。
しかし私は違った。担当してくれた先輩社員は40代のおじさんだった。
この方は自分の知識を話し出すと止まらないオタクっぽい人だった。
(おじさん、オタクと散々な言いようだが、とても世話焼きないい人だったし、本人には絶対言えない)

というか、私が配属されたチームは平均年齢40を超えていた。
6人のチームだったが、皆おじさんだった。

おじさんは優しいがお姉様は怖い

私がこれまで関わったことのない年齢層の方だったので、どうしよう・・・と思っていたが、皆さんとても優しかった。
おじさんというのは優しいものだと知った。

私の配属されたチームとは対象的に、隣には美女3人のチームがあった。
12年目のチーフと、4年目、2年目の先輩。全員本当に美人だった。

でも、配属された初日、おじさんチームに配属された私を見て、隣の美人チーフは言った。
「かわいそう(笑)」

すごく嫌な感じだった。
おじさんばっかりでかわいそうだねって意味なんだと思うけど、それなら、おじさん達にも失礼だし、配属された初日で不安いっぱいの私をさらに不安にさせたその一言は一生忘れないのである。

(お世話になった先輩のことを’おじさん’と連呼するこの文章も大変失礼なのだが)

それに、その美女3人は、初日に挨拶した時もほぼ笑顔がなく怖かった。
世の中で本当に怖いのは、おじさんではなく美人のお姉様なのだと知った。

電話がこわい

そんなこんなで、おじさんは優しかったし、このOJTの時期は、ほとんど研修のようなもので、気楽でよかった。

ただ、自席にいると、会議等で外している席の電話を取らなくてはいけなかった。電話を取るというのが新人の仕事みたいなもので、3コール以内に取れとか、先輩に取らせるなとか厳しい指導があった。

私は電話が怖かった。
名前や折返しの連絡先を聞き間違えないように細心の注意を払っていた。
電話をスムーズに繋げられるようにするために、部署の人の名前を必死に覚えた。

そもそも、電話って急にかかってくるし、それなのに絶対取らないといけないし、それによって自分の集中も途切れるし、百害あって一利なしだ。

私は、電話は出るのも掛けるのも苦手だった。
電話への恐怖は、電話がオフィスからなくなるその日まで続いた。
(後にコロナ禍でテレワークとなり、固定電話はなくなったのだが、実に10年以上、電話の恐怖と戦っていたということだ・・・)


今振り返って思うこと

配属された部署がミスってる。私のような陰キャはガリガリとプログラミングをやる部署に配属するべきだったのでは?と今でも思う。
でも、私はその部署で退職するまでを過ごすのだった。

ほとんどローテーションのない会社で、合わないと思っても他の部署に異動できるチャンスは少なかった。
しかもそのせいで、属人化してしまっている業務が多々あったと思う。

’おじさんは優しく、お姉様は怖い’ というのは、この時に感じただけでなく、その先もよく感じることだった。世の中ってそういうものなのかな。

電話が怖いのはHSPや陰キャの人には共感してもらえるかもしれない。
あと、この頃の私は、トイレに行くのでさえ気を使っていて、
「あいつ、またトイレいってる」と思われないように適度な間隔で行こうとか考えていた。

そのことを同期に話したら、「いや、誰も気にしてないから」と言われた。
うん、そのとおり。誰も気にしてないだろ、と当時の私に言ってあげたい。


次回、ep3 【入社2年目】編へ続く

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