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会社員はつらいよ ep3【チーフはこわいよ】編

これは私の辛かった会社員時代の話である。

私は2008年から2023年まで15年間、同じ企業で勤めてきた。
入社当初から違和感があったけど、辞めるという決心はできず、
最後には鬱になってしまった。

辛い、苦しい、ネガティブな感情に蓋をし続けていたあの頃。
これからはそんなふうには生きないぞという決意のためにこれを書く。




入社2年目のときの話

おじさんチームよ、さようなら

入社2年目となり、私はOJTでお世話になったおじさんチームを離れることになった。

新しいチームには、7年目のチーフ、3年目の先輩2人がいた。全員女性。
チーフは超スピード出世の優秀な人で、頭が良く、かなり仕事ができたが、めちゃくちゃ厳しい人だった。

それまでおじさんチームでぬくぬくの温泉に浸かっていた私は、一瞬で水風呂に放り込まれて心臓が止まりそうだった。

ひたすら検証、検証、検証

そのチームで私は、ひたすらにシステム検証をしていた。

大手金融機関のシステムが対象のため、リリース後のトラブルはご法度。そのため、検証にはかなりの工数をかける。
私も担当システムに関する検証をゴリゴリにやった。
検証作業をすることでシステムの仕様についての理解を深めていった。

初めは先輩に付いて一緒にやっていたけど、そのうちに一人で検証を任されるようになった。

チーフがこわい① 恐怖の飲み会

ある日、部長や課長などのお偉い方々が集まる飲み会の誘いを受けた。
なんでも、隣の部署の部長がご栄転されるということで、うちの部の部長らが送別会をすることになったが、飲みの席に華がほしいということで、私達のチームの女性3人(チーフ以外の3人)が呼ばれたのだ。

その飲み会の日の当日、私はその日中にやらなければならない検証作業をやっていた。でも、進捗はよくなかった。
その日は17:00に仕事を終えてすぐに飲み会に向かう予定になっていた。
お偉い方々との飲み会なので遅刻は厳禁だった。

17:00になり、私は検証が終わっていなかった。
でも、「遅刻しちゃだめだよ!すぐ準備して行くよ!」と半ば強引に先輩に手を引かれて、私は検証作業を終えぬまま、そして、その状況をチーフに報告せぬまま、飲み会に行った。

飲み会は全然楽しくなかった。
そもそも、私は飲み会みたいな場で何を喋ったらいいか分からず、愛想笑いだけしていることが多い。しかも、お偉い方と一緒となると、緊張し、さらに何を喋ればいいか分からない。

その上、その日は放りだしてきた検証のことで頭がいっぱいだった。
どうしよう・・・やばいことしてしまった・・・

緊張と、罪悪感とで吐き気がする。頭が痛い。
私は飲み会の途中で、座っていることもキツくなり、トイレに篭った。

解散の時間になって、先輩に呼ばれ、何とか立ち上がって家路に着いた。
最悪の飲み会だった。

翌日、もちろん朝一番でチーフに怒られたのだが、もう怒られる前から私の心はすでにボロボロだった。

チーフがこわい② 休暇が取れない

有給休暇の数は法律で決められている(年間で10日以上)が、ほとんどの人はその全てを消化してはいなかった。
私の会社では、「年間で5日間は有給休暇を必ず使うこと」という決まりがあった。分割して取ってもまとめて取ってもよい。

私は、冬に、学生時代の友達とハワイに行く計画を立てた。平日3日間と土日を合わせて5日間の旅行計画だった。

その年、私は、夏にすでに3日間の休暇をもらっていたが、まだ有給休暇が残っているため、さらに3日間の休暇申請をした。

するとチーフはこう言ったのだ。
「北村さん、更に3日も有給取るのはさすがに休みすぎでしょ。」

確かに合計で6日間になるけど、有給休暇自体は10日以上あるのだし、全然大丈夫だと思ってた。私は自分が常識知らずな人間のようで恥ずかしくなったし、仕事もできないのに休もうとした図々しさが辛くて自分を責めた。

その日、ずっとそのことで頭がいっぱいだった。友達とは日程調整済みだったが、「仕事を休めなくなった」と言って今回はキャンセルすることにしようと心に決めた。

次の日、チーフに、昨日の休暇申請を取り下げることを言った。
すると、チーフは
「え、いいよ、旅行行くんでしょ。行ってきたらいいじゃん。」
と言ったのだった。

意味がわからなかった。それなら昨日の時点で何も言わずに休暇申請を通してほしかった。真意のほどはわからないけど、私はチーフのこの言動にとても悪意を感じた。
悩み苦しんだ昨日の私の感情はなんだったのだろうか。


今振り返って思うこと

あの恐怖の飲み会の時、私はどうすればよかったのだろう・・・
「飲み会があるから検証が終わりません」とチーフに報告するのも、
「検証が終わらないから飲み会に行けません」とお偉い方に言うのも、私には無理だった。結果、自分の心をズタボロに傷つけた。せめて、その状況でも飲み会を楽しめちゃうくらいの強靭なハートを持ち合わせてたら良かったのに。でもこれが、私なのである。どうしようもない。

チーフは仕事が本当に早くて、論理的で、頭の良さはすごいものがあったけど、人間性は尊敬できなかった。
時々、人のことを「あんた」「お前」と言うことがあり、それも嫌だった。
あと、美人で上司にチヤホヤされている後輩へのあたりがキツくて、嫉妬心丸出しな感じも嫌だった。

あの頃、仕事が辛かったけど、こんなにすぐに仕事を辞めたら私の人生は終わるくらいに思っていて、辞める選択はできなかった。
もし私が今のマインドを持ったまま当時の状況にいたとしたら、すぐに辞めている。すでにこの時、それぐらい辛い状況だった。


次回、【入社3〜4年目】編(仮)に続く


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