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妄想する少年世界🌛
阪急今津線って、昔は宝塚から今津まで繋がってたけど今は西宮北口で一旦途切れてるから今津線ちゃうやん、とかどうでもいい事を考えながら宝塚から乗る。
途中の駅で沿線の某私立学校に通う小学生男子が二人乗ってきて、私の向かい側の席に座った。
一人は今時のアイドル風で可愛い目のぱっちりした子。もう一人は浅黒い肌がどこか土臭さを思わせる、くりっとした目に特徴のある子。
そのうちに、土臭い子がポケットに手を入れて石をいくつか取り出した。特別な鉱石とかじゃない、そのへんに落ちてる普通の石だ。
そうしてそのうちの一個に決めると、プラスチック定規で石を削りはじめた。一生懸命定規で石を削っては、削った箇所を確かめている。石の方が固いから、定規の方が削れていると思うのだが…
そのままいくつか駅を過ぎたところで、同じ私立学校の中学生男子が乗ってきた。そう、中学生のはずなんだけど、私にはどうしても「おっさん」にしか見えなかった。身体がでかくて、顔つきになんだかある種のいやらしさが感じられたのだった。そして、「おっさん」は、くだんの石磨き男子の隣にくっついて座り、話しかけている。同じ私立学校の生徒なので、お互い顔見知りらしい。
「おっさん」が親しげに話しかけている。土臭い子がターゲットである。身体をピタッとくっつけ、顔も近づけて何かしらをささやきかけている。小学生は笑いながら石を磨いているが、そのうち肩に手を回すくらい「おっさん」はその子にべたべたしはじめた。
これはやはり。薔薇の花が咲き乱れてしまうあの世界だろうか…🌹ついBL的な妄想に走ってしまう、私は『風と木の詩』世代なのだ。
「ジルベールが温室で上級生に襲われるシーン」とか思い起こしてしまうんである。
某私立学校は共学だから、男子校のソレよりはマイルドな気はするが。しかし、思えば某私立学校は、美少年の世界を追求した稲垣足穂先生の出身校であるし、校章の三日月がどことなくそーゆー雰囲気を醸している気がしてしまう。
それに、少年が石を磨くところがもう既にタルホ世界やんか!そこにからんでくる力みなぎるおっさん少年。カ・ン・ペ・キ・・・🌛
向かい側の席のおばちゃんがそんな妄想にふけっているとはユメにも思わない少年たち。
午後の柔らかな日差しの下、それは永遠ともいえそうな一つの世界だったのだ。
にしても…「おっさん」は、アイドルくんには目もくれなかった。やはり心得ているのか、グッとくるポイントを!
土臭い少年も、「おっさん」の執拗なベタベタ攻撃を余裕の笑顔でそつなくかわしていると思えば、何か言って「おっさん」を喜ばせたりなんかして、なかなかのタマかもしれない。
将来が楽しみである。なんのこっちゃ🤣
もう一つおかしかったのは、もともと小学生の隣にはマスクをして眼鏡をかけた30代くらいのオタクっぽい男性が座っていたのだが、途中から「おっさん」に割り込まれて「おっさん」が恐かったらしく、ものすごく体を離して座りながらチラチラ怯えた目で「おっさん」を見ていたのだった。
そんなさまざまな「裏・男の世界」のおばちゃん(妄想)観察日記でした!