[納涼mio怪談] 第三夜🌙ネオン街・BOTANでの一夜🍸💅
(約1200文字)
「おー、ここだよ、ここ」
新三郎は、同僚の山本に連れられて、この夜はじめていわゆる「夜のお店」へと足を踏み入れたのでした。内気な新三郎にとってはこういう場所など未知の世界です。
「BOTAN」という、その店は、古式ゆかしいジャパネスク・モダンなしつらえで、行灯を模した薄暗い照明が妖しい雰囲気をかもし出しています。
「つゆりんでーす💕」新三郎と山本のボックス席に座った女の子は、暗い灯りで誤魔化してはいるものの、かなりトウが立っているように見えました。
「まずはかんぱーーい🥂」そう言うと、山本が注ぐシャンパンを、ぐいぐいと飲み干していきます。
新三郎はおそろしくて、うつむいたまま、店内をちら見していました。
「こちら、初めての方ね~緊張してらっしゃるの?お名前は?新ちゃんでいーい?」
つゆりんは、ツケマツゲでバサバサと音を立てそうなまばたきをして、新三郎を見つめました。
「あたし、新ちゃんみたいな静かな人が、タイプなの~」ぴったりと身体を寄せてくると、つゆりんは、「ねっ、新ちゃんはあたしのこと、好き~?」いきなりそんな事聞かれても、新三郎はあたふたしてしまいます。今まで女の子と付き合ったこともないのですから…
正直、おそろしくて早く帰りたいくらいです。
しかし、つゆりんは、逆にそんな新三郎に俄然興味が湧いてしまったのです。そう、新三郎はつゆりんにロックオンされてしまったのでした。
山本の「新三郎はうぶだから、おてやわらかにね」という言葉も、つゆりんには聞こえません。
「ねーねーお休みの日は何してるのぅ」
「何時に寝てる?うっそーつゆりん仕事中だよぉ」「メロン好き?つゆりん大好きなんだぁ、ね、一緒に食べよ?あーーん❤️」「新ちゃん、カワイー💕」「これから仲よくしようねーっ」
勝手に酒は追加で注文され、フルーツ盛りまで運ばれて、山本はさすがに帰ろうと新三郎を促しました。
すかさずつゆりんがお見送りです。
「新ちゃん、また来てね?絶対だよ?来てくれなくちゃ、つゆりん、死んじゃうよ?ホントだからね!」
ここまで言われては、新三郎も嬉しくない訳がありません。山本の目には、新三郎が女郎蜘蛛の巣にガッチリ引っかかってしまったように見えました。
このあと、つゆりんの執拗なお誘いメール攻撃やストーカーまがいの行動などなど、新三郎には災難のような事態になっていきましたが、気弱な新三郎はイヤとは言えず全く嬉しくない訳でもなかったので、煮え切らない態度のまま、ずるずるとつゆりんにむしられていったということです…なんまんだぶ🙏
(おしまい)
「牡丹燈籠」…おそろしや 😨
ここまで3日間、お付き合いいただき、
ありがとうございました。
ツッコミ所は満載🤣かと思いますが、
少しでもお楽しみ頂けましたら幸いです。
お盆休みの後半も
無事に楽しく過ごせますように!
mio拝🌛