13日間で92,807文字の小説を書いて創作大賞に応募した話
つい先ほど、「パパのオレ、オレになる?!」という、創作大賞応募小説を一挙にアップしました。
タイトルの通り、この小説は、着想から掲載までの期間は13日間でした。
こんなこと、人生でそうそうないと思うので、その軌跡を記しておこうと思います。
なぜ、13日で10万文字チャレンジをすることになったのか
一言でいえば、思いついてしまったから。これに尽きます。
少し時間をさかのぼります。
そもそも、私は小説なんて書いたことがありませんでした。
ですが、noteの創作大賞をしって、いつか書きたいと思っていた「誰かに知ってほしかった」を今回の創作大賞で書こうと決めました。これを5月後半から書き始め、書き終えたのが7月11日でした。こちらは62,035文字です。
そこで、書き終わった!
つぎ、どうしようかな、と思ってしまったのが、運の尽き?
その時に思いついてしまった、というか湧いてきたのが、「育児を頑張るパパを主人公にした成長物語を書こう」でした。
最初にやったこと ー7月11日
「育児を頑張るパパを主人公にした成長物語を書こう」と思った瞬間に、ストーリーの骨格も同時に浮かんだというか、すごくざっくりな起承転結も見えた感じがしました。
ストーリーの概要が見えたので、おぼろげに「書ける」感じがしました。
そこで、創作大賞の終了日を確認すると、7月23日。
ちょっと厳しすぎるだろ、これ。というのが正直な感想でした。
でも、無理と決まったわけでもない。
そこで、とりあえず思いついたストーリーというか、流れを紙に書き出してみました。
そして無謀にも、どうせ書くなら賞を取る、という目標を設定しました。
方針に、無意識にまかせると書いていますが、11日で10万文字マラソンを初心者が書くためは、悩んでいる暇はないのでこうするしかないと思ったからです。
そして、パパということは決めていた?決まっていた?ので、主人公はどんな人なのか、というのを適当に書いてみました。自分の書けそうな設定で。
そして、ただ思いついたことを書いているうちに、後半はいつの間にかストーリーの話に勝手に変わっていってます。
たぶん、何かに気づいて成長するストーリーにしようと思って、「気づきのステップ」と書いたと思われます。
それで、気づきのステップってなんだろう?と思って、もう少しストーリー寄りのメモを書こうと思って書き出したのが以下。
23日までに書けるのか、も命題だったので日付も書いてます。
「昇進」「本音」というキーワード?が出て、なんとなく書けそうな気がしたので、初日は、これだけ書いて、とりあえず書き始めた気がします。
実際に、1枚目にある通りに物語はスタートして、3話くらいまでこれで進んでます。
2日目:7月12日(金)
書き上げられそうな予感はあるものの、骨格がぼやけているので、もう少し詳細にしたいと思ってまた紙に書き出しました。
感覚的には5割くらい見えた感じになりました。
そして、この日の午後に元々コーチングの予定があって、急遽、この話を23日までに書き上げるにはどうしたらいいか?というテーマで進めてもらいました。
このとき、この物語を書く目的は、人間が幸せに生きるために必要な「知識を知ってもらうこと」というのがはっきりしました。
それはとても大きかったです。
それから、この物語を書き上げるために必要なことは?という問いには、外に行く(日の光を浴びる)、ジムのマッサージチェアで身体をいたわる、瞑想をして身体の感覚を感じるなど、私はひたすら「身体を動かす」と答えていました。
そして、コーチの松下さんが23日まで毎日進捗をシェアしていい、原稿も見ますとおっしゃってくださり、この12日間それがどれほどの支えになったことか分かりません。
この日に、23日までのほとんど全ての予定をリスケさせてもらい、この後の約10日間を執筆に全集中することにしました。
さて、ここからは日別の記録です。
3日目:7月13日(土)15,125字
この日までは同じファイルを更新し続けていて、昼時点で15,125字。
もう少し詳しい流れがないと書けない…と思い、もう1段階詳しいストーリーの流れを紙に書きました。
カフェの開放感のあるテラス席で、筆の進むままに書いた気がします。
そして夜、コーチの松下さんとシェアしている備忘録に、「昨日40%くらいの解像度だったストーリの全体像が、今日で70%程度までできました。」と書いています。
12日のコーチングでも、ストーリーの骨格は頭にあるので、力技で書くだけ!と言っていましたが、この日のメモでより一層流れがはっきりしたので、「ちからわざ」で書くだけ!とより一層思えるようになりました。
4日目:7月14日(日)25,954字
ひたすら書きました。午後はファミレスにこもってひたすら書くだけ。
夜はジムのお風呂に入りに行き、頭をほぐしました。
タイトルが決まらなくてどうしよう、とこの頃から思い始めた気がします。
「パパ」が「オレ」を取り戻していくことが直感的に伝わるタイトルにしたかったのですが、うまく表現できなくて、最終日まで頭の片隅でずっと悩むことになりました。
夜に松下さんが原稿を読んでコメントを下さり、明日見よう!と思って寝たのを覚えています。
5日目:7月15日(月)
松下さんからいただいたコメントをもとに、内容を再考し反映しました。
心情の深堀の必要性や、登場人物のセリフに共感できるかなど、とても参考になりました。
このとき、人物設定が適当ではいけないことに気づき、精度を上げることに対して目が覚めました。心情の深堀というか、丁寧な伝え方が必要だということもこの時に学びました。
このコメントをいただけたことが、全体の質にかなり影響したと思います。
書き始めて5日目になり、どこかでリフレッシュしないといけないと思っていたので、パワースポットの神社に出かけました。
その後、昨日までに殴り書いていたストーリーで、前半部分で一番丁寧に「説明」をしないといけないのに、ロジックが込み入っておかしくなっていた部分を修正しました。
この日だけはものすごく左脳で考え、非常に疲れました。
7月16日(火) 37,613字
昼までロジック整理が続き、大変でした。
午後からは、先に進み始めたような気がします。
夜、松下さんととシェアしている備忘録に「出版記念パーティで、人目もはばからず松下さんにハグしているのを妄想しながら、時間と戦いで書きなぐっています」と、書いています。
7日目:7月17日(水) 48,924字
自分で校正。
原稿チェックを「この方にお願いしたい!」という方を思い付き、原稿チェックをお願いしました。
「約10日間で10万文字の小説を書くチャレンジをしていて、23日までに書き上げたいと思っていて、まだ途中です。」というぶっとんだ依頼をして、本当に恐縮でした。
でも、翌日には見て下さり感謝しかありません。いただいたコメントも、まさに!の連続でした。人に見ていただけるありがたさを実感します。
この日にリアルでお会いした方が、体調を崩していてちょっと不安に。ここからひたすらビタミンCをとり始めました。
備忘録:「見直していると間に合わないので、明日からはより一層、過去は振り返らず一度最後まで書き上げるモードに切り替えます」と書いています。
8日目:7月18日(木)57,759字
朝、再び松下さんがコメントくださった内容を反映しました。
毎回ありがたすぎるコメントで、物語の内容も私の心もパワーアップしました!
この日は、仕事関係でミーティングをした方に原稿シェアをしました。
微妙に体調が悪いけれど敢えて見て見ぬふり。ほんのり頭痛。体調が回復した今考えると、微熱があったと思います。
9日目:7月19日(金)65,765字
午前中、原稿をお見せした2名が下さったコメントを反映しました。
いただいたコメントで、なぜその流れになったのか、なぜその心情になったのかなどの「違和感」がとても参考になりました。フィードバックをいただけたことで、やはり全体の質に影響したと思います。
18日から風邪を引いた、というほどでもないものの体調がいまいちで、数年に1度くらいしかならない頭痛がほんのりありました。たぶん微熱もあったけど、絶対に体温を測ったらおしまいだと思って、意地でも測るのはやめました。
この日はいわゆる、「壊れたコンピューター」になった感覚がありました。たとえば、たとえ話は仮で進めればいいのに、一度書いて気に入らずもう一度書いて結局使わず、のように、大事ではないのに同じところでぐるぐるして、それを自覚しながら、しばしの時間が過ぎました。
備忘録:「左脳がポンコツになり、当初想定になかったところを記述した上に、質が心配(つまらない気がする)」
でも、そう書きつつ、
「ポンコツ状態で書いたにも関わらず、全体の構成としては、伏線を回収しているように思う(左脳ポンコツなので明晰さがない)のが面白い」
と書いています。
あまり深く考えず「わーーーっと」書いているだけなのに、最初の方で書いておいたものが後につながるって、無意識ってすごいなと思いながら書いていました。
そして、このまま体調が回復しないとヤバいので、睡眠時間を増やすことにしました。
私はもともとロングスリーパータイプで、少ないときでも7時間は寝ている、と自分では思っていましたが、実際は全然そんなことがなくて、これを見て「明日はたくさん寝よう」と思いました。
10日目:7月20日(土)
うっすらした頭痛のせいか、PCを立ち上げる気にならず、この日はひたすら紙に書きました。
PCを立ち上げたのは、夜に備忘録を書いたときだけでした。
これまでの経過からすると進むときはだいたい8000字を書いていて、この日もそれくらいかそれ以上書いたんじゃないかという感覚はありました。
そして、この日だけではなくて、PCよりむしろ紙の方がいい感じに書き進められるのを実感しました。
紙の方が、より多くの背景というか、流れというか、言語化できないけれど脳裏で動かしているなにかをたくさん処理できるというか、そんな感じです。
タイトル決まらないよ、どうしよう問題は相変わらず続いています。
それから、18日までに書いた分は3名の方に見ていただけたので、他の人に読んでいただくにしても最低限のレベルには達しているのではないか、と思うのですが、それ以降に書き進めている文は誰のチェックも入っていないので、質に対しては不安でしかありませんでした。
でも、不安に思う暇もなく書かないと終わらないので、ただただ書く!それだけでした。
そういえば、最終話は数日前(13日??)にすでにラフを書いていて、それで行けそうなのがわかっていたので、残すは1エピソード(パース編)になりました。
11日目:7月21日(月)84,477字
一番の難関、パース(オーストラリア)編を書きました。
なぜ難関って、行ったことがないからです。
それが分かっていたので、15日に運転しながらYouTubeでひたすらパースを垂れ流して、雰囲気を掴んだり、ちょくちょくサイトを見て準備をしていました。
でも、最後まで全然かける気がしなくて、結局、前後(外堀)を埋めて埋めて埋めて、最後に成田~パース~成田までだけがポコッと空いていて、そこを埋める、という形になりました。
でも、実際書き始めると、神の思し召しかわかりませんが過去数日には出てこなかった動画とかサイトで、いい感じの素材に出会えて、思いのほかサクサク書けて、メチャクチャほっとしました。
でもまだタイトル決まらない問題は続きます。
それから、日付問題が出てきました。
数日前から予兆はあったものの、だんだんエピソードと日付の整合性がとれなくなってきて、本腰入れて日付設定をし出しました。
当初は主人公の退職日と最終出社日だけをなんとなく設定して、チャットGPTにその2つの曜日はあうようにカレンダーを出してもらっていたのですが、他の日も設定する必要が出てきて、GPTにきいていくと、実はカレンダーがめちゃくちゃだったというオチがありあり、かなり翻弄されました。
そして、結局紙に1年分のカレンダーを印刷をして手書きで入れて整合性を取りました。
12日目:7月22日(火)92,079字
書きたくてたまらなかった、最終話をやっと書けました!
紙におおまかには書いていましたが、やっぱり”ちゃんと”物語にするには、かなりエピソードの詳細が必要で、肉付けしながら書きました。
でも、です。最後どうやって帰結するかは結構序盤から決まっていたのですが(考えたのではなく、決まっていたのが面白い)、帰結するためには、主人公の学生時代のつながりで最終話を進めないといけないのに、途中まで会社つながりで進んでいて、そのズレには笑いました。
なので、裏エピソードを書いてしまうと、真柴君はこの日までずっと会社の同期でしたが、最後の最後で大学の同級生に変身しました。
また、真柴君の結婚式は、日付の都合で3回くらい、招待状が来たタイミングが動きました。そして、最終的に落ち着いた挙式日が出てきたときは、私が無理やり意図したわけでもないのに、完璧なはまり方をして、神の采配というようなものを感じました。
あとは、日時関係で、保育園の条件が予定があるよな、とかそういうのも、この日に全部整合性を取りました。
タイトルはやっとこれで行こうと思えたので、サムネイルを作りました。
その後、章分けも途中までやって、章タイトルも仮決めしました。
タイトルが決まっていないこと、章分けも出来ていなかったので、noteにアップすることができず、最終日を待つことになりました。
13日目:7月23日(水)
章分けの続きをしたり、章タイトルを考え直したり、各話のサムネイルをつくったり、誤字脱字をGPTにチェックしてもらったり、こまごまとした作業をしました。
18時台だったかな。noteにアップしました!
それからスマホで一度確認をして、誤字脱字やおかしいところをちょこちょこ見つけて、それを修正して、完了!としました。
そして、23時22分で、今この記事を書いています。
「パパのオレ、オレになる?!」を書いた理由
「パパのオレ、オレになる?!」は、5年、10年先まで見越して書きました。
現時点では、女性の方が子育てで失うものが多いと思っています。私自身もそれを感じている一人ですし、データでも、学術的な調査でもその結果は出ています。
でも、男性にもそういうものはあって、実はすでに起こっているのだけど見えにくいから気づかないだけじゃないか、と思っています。
女性が「仕事」という分野で多くの人が活躍するまでには、数十年という時間がかかりました。これから先、多くの男性が「家庭」という分野で当たり前に活躍するまでには、まだまだ時間がかかるかもしれません。
でも、その過程で、今まで多くの女性が「妻として・ママとして」に苦しんできたように、「夫として・パパとして」の役割に苦しんでしまう男性は増えていきます。
なぜなら、これは未来のおとぎ話ではなくて、すでに私は出会ってきたからです。
でも、男性が、家族も自分も大切にする方法って今の日本にはまだまだ足りてないな、そう思って、お仕事小説という形で、その方法を伝えたくて書きました。
この物語が、あなたが「自分も仕事も家庭も」幸せに生きる方法を知るきっかけになってくれたら、これほど嬉しいことはありません。
読んで下さりありがとうございました。
そして、13日間10万文字チャレンジの機会をくださったnoteと関係者の皆さん、この物語を書くにあたって全力で支えてくださったコーチの松下さんと原稿チェックをしてくださった皆さん、そして、この物語は私がいままでに出会った数え切れない人のお話や体験や学びから出来ています。
とても楽しいチャレンジでした!
ありがとうございました。
よかったら読んでください。