銀魂ミツバ篇の話をしよう
ミツバ篇は神回ですね。
興奮のあまりメモ帳に書きなぐった内容を誰かに見てもらいたくてnoteに書きました。長いです。
①土方十四郎のエゴと武士道
まずは土方さんについて。
ザキが近藤さんに、縁者に攘夷浪士がいれば真選組での沖田隊長の立場が悪くなるから他言するな、黙って片付けると土方さんが、と言ってました。
でも彼は戦略家だから万が一にでも近藤・沖田にばらされる可能性も織り込み済みだったんじゃないかと思うんです。だってさすがに無茶です。浪士が何人いるのか読めない敵地に行くとか。貿易ならモノ運ぶのに人手もいる。
用心棒もそれなりに雇ってる可能性もある。本当に一人で片付けるつもりだったのか?敵地に乗り込むのに単独行動なんて冷静じゃないし普段の彼なら絶対にしないことだと思うんです。
ではなぜそこまで無茶をしたのか?
私はミツバさんに会わないための理由だったんじゃないかと思います。
総悟を思いやってのことだ、と自分に嘘をついているんじゃとないかと。
武州から江戸に上京するとき土方はミツバの告白を断っています。
土方だってミツバさんが大好きなのにもかかわらず。理由はみなさんご存じのあの「惚れた女には幸せになってほしいだけ」というあれです。
血や剣とは関係のないところで生きてほしい。それはミツバの思いを振り払い、病気がちの女性を一人田舎に残すことでもあります。
ミツバさんは3人が上京した後どんな気持ちで一人過ごしていたんでしょう。土方さんはミツバさんの寂しさ悲しさ、きっと理解していたと思います。それでも殺伐とした戦いからは離れた綺麗な場所にいてほしい、とエゴを通した。
死期が近いミツバにも好きだからこそ会わない、会ってはならないと、ある意味沖田をダシにしてまで会うことを避けたんじゃないかと思いました。
(傷つける奴は許さんという最大級の怒り、一人ですべて片付けたい守りたい、もあったかも。)
でもね?!!言わせてください。
惚れた女には?綺麗な場所にいてほしいだあ??!
ふざっけんじゃないよこちとらそれ覚悟してやってんだよテメエなめてんのか!!最期くらい会ってもいいじゃないの。
でも彼の武士道では悲しむのも反則なんでしょう。誰もいない屋上で亡くなったミツバを思って流す涙も激辛せんべいのせいにするくらいですから。
振りほどいて無理やり進んできたからと、悲しみをごまかす不器用な男の人の姿が見えました。
②ミツバさんの恋心
ミツバさんは病気がちな自分、周りから心配ばかりされる自分が嫌だったんだと思う。土方さんは絶対口に出してなんか心配しないぶっきらぼうな人で、一緒に体の悪いもの食べてくれる人だった。そっぽをむいて優しくされることが、純粋に心配されることよりずっと嬉しかったんだと思います。そりゃあ恋します(お顔もかっこいいし)。
ミツバさんは自分の死期を誰よりわかっていたのでしょう。都市化で江戸の空気は武州より汚いことも、肺を患う人間が行けば身体に良くないことも。それでも無理をして江戸に来た。急変したと聞いた総悟がすごい驚いた様子だったから、そこまで悪くなっていることは総悟も気付いていなかった。
ファミレスで銀時にタバスコパフェ食べさせようとしたのも苦しいのをごまかすためだったりするだろうか。気を抜けば大量に吐血するような病状をおくびにも出さずに会いに来た。
それはやっぱり大切な人のそばで死にたかったんじゃないかと思います。
死の間際、総悟は「姉上の幸せ奪ってきたのは結局俺だった」と言いました。総悟にしてみれば自分が真選組にいたからミツバは闇商人に目を付けられ、愛のない結婚をすることになったように映る。でもミツバはあなたたちに出会えて幸せだったこと、総悟がいてくれて幸せだったこと、立派に成長したねと言います。一人武州にいたら伝えられなかった言葉です。
近藤さんにも土方さんにも会えて、息絶える直前には総悟が来てくれた。
確かにミツバさんは幸せだったのかもしれない。
最期に言った「あなたたちが大好きだった」は土方への告白だったと思いました。思いが成就することはないけど最期くらい欲をのぞかせてもいいかって主語をごまかしながら口に出した。もしあの場に土方いたら、もし聞いてたら好きな女性が最後の力で自分に告白したってことだからすごい呪縛になると思うんですよ。「浮気なんてしちゃだめ」も土方がこの先恋愛しないよう縛り付ける意図だったら、なかなかの策士だし欲深いひとかもしれない。そうだとメリーバッドエンドみが増しますね。
(婚約相手が自分を愛していないことは察してたんですね…)
③銀時とミツバ・真選組トリオ
銀さんって初対面だろうが「ハゲ」だのすごい悪口言う遠慮のない人ですよね。けどミツバさんに対しては珍しく(?)めちゃくちゃ優しく接していたと思います。声を荒げたりむやみにツッコミをすることもなく、体調を心配していた。ミツバさんの死期をなんとなく察していたからかなと思います。
坂田銀時の人生は人を殺すことから始まってると言っても差し支えないでしょう。生と死に敏感な彼なら彼女の死期が近いことも理解できたと思います。
重度に肺を患ってる人間に進んで辛い食べ物なんて渡さないですよね普通。銀さんは辛い食べ物は渡し、体調の心配もした。
その生い立ちゆえ、死期が近いことを悟ることができ、ナチュラルに相手が望むものを差し出すことができてしまう人なんだと切なかったです。
初期の銀さんは真選組とか長谷川さんにすごい悪態をつく人だったというツイートを見かけました。(松陽先生を追い詰め殺す原因になった国ひいては役人を恨んでいたんじゃ、といった内容だったと記憶してます)
ミツバ篇みたいな出来事を通して徐々に人となりを知っていくんだと。
「一人が誤った道に進めばもう二人が全力で殴って止める」近藤土方沖田の関係性はもろ紅桜篇でヅラと約束したそれです。どんな嫌いでも感情移入せざるを得ないですよね。そんな話聞いたらクマだらけで眠れないし動くに決まってる。さらばで土方に3人を自分の過去に重ねていたことを告げますが、ここから始まってるんだと感動しました。
すみません。沖田の感情はアニメ見て満足してしまったのとここまでで力尽きました。
土方さん・ミツバさん・沖田くん・銀さんの思い、すべて交錯して
一つの結末を迎えた ものすごい群像劇を見ました。
銀魂愛してるぜ~!
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