「ねぎぼうずのあさたろう」
「ねぎぼうずのあさたろう」その1
飯野和好・作(福音館書店)
冷蔵庫でしばらく待機していたとうもろこしを取り出し、皮を剥こうとしたときに、ぽろっとちいさな青虫が落っこちました。
冷たくなっているし、全く動かないその柔らかいからだを、しばらく見つめていると…
急に、ぬっと頭を持ち上げ、眠りから冷めたときの伸びのように、右へ左へくねくねと動き始めました。
頑張って生き延びていたちいさな命を称え、川沿いの草むらでさよならをした朝でした。
生命のちからを感じた時間でした。
そんな本日は、力強い表紙がステキな、こちらの絵本を読みました。
絵といい文字といい、読む声にも思わずキャラクターが宿るような、印象的なページが次々に登場し、どんどん楽しくなっていきます。
昔からよくお散歩の途中で見つける、たくさん並んだねぎぼうず。あの正体はいったい何だろう…?と思い、この際調べてみました。
ネギの花、だそうです。
ねぎぼうずができてしまうと、もうネギはそれ以上成長しないものの、そこにも栄養があって、食べられるものだそうです。
ネギって切るときもたしかに涙がたくさん出るし、においもすごく残りますね…
でも、ひとたび火にかかってしまえば、甘くて栄養たっぷり、料理のいろどりまで良くしてくれる、万能野菜だなぁ〜と思います。
ところが、小さいうちは苦手な子が多いような…
そんなときに、絵本のちからってすごいな、と思います。あさたろうのようなスーパーマンなら、思わず食べてしまいたくなりそうですね。
正義の味方、あさたろうに、今後も期待大です。
おしまい。