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音楽マネタイズ・福耳情報

「知らない間に外国のウェブ番組で自分の曲がかかっていた」といったことは、誰にでもあり得るチャンス。今日は、そうした雑多な著作権収入の一括管理に使われる”ISRCコード”についての知っ得トリビアです。

ストリーミングやYouTube等の普及で、自作音楽のマネタイズは手軽になってきました。同時に新種の音楽再生サービスもどんどん出てきて、リリース元はカバーが追いつかないでしょう。

実は、世界のデジタル音楽著作権管理は、現在統一基準がない状態。大手のサブスクだと、私みたいに一時帰国している場合「あなたの国ではこの曲は聴けません」みたいな表示が出ることがあり――何らかの国際間規制は働いているようですが……。

「国際統一基準がない」と教えてくれたのは、アメリカのISRC管理団体、US ISRC Agency です。楽曲に割り振られるこのISRCと呼ばれるコード(アルファベットと数字)。見かけたことはあっても、用途をご存知ない方も多いと思うので、今日はざっくり説明致します。

ISRCのヘッドクォーターはイギリスにあり、発行管理は各国の代表団体になります。この体制がとてもわかりづらく、ウェブをあちこち見ても要領を得ない! 私はイギリス本部にメールで問い合わせて、教えてもらいました。

著作権料管理元はSoundExchangeというサイト。発行されたISRCをここに登録(無料)すると、世界中のデジタル・オンエア情報と照らし合わせ、競合登録(権利違反)がないかどうかを定期的に知らせてくれます。原盤権(演奏)・著作権(作曲)の両方とも登録可。

著作権料の受け取りは、配信リリース・サービス付属のマネタイズ代行サービス等と同様。規定の期間内で集計し、累計が規定の金額を上回った時点で入金されます。 

固有コードは、自分が音楽活動をする国での発行が原則です。これをお読みの方(日本在住)の管轄は、 「一般社団法人日本レコード協会 ISRC登録管理事務局」になります。

私はアメリカのレーベルからリリースしているため、「アメリカで」と言われました。国籍は関係ないみたい……。

TuneCoreとかCD Babyとかの配信サービスから楽曲リリースの場合は、ISRCは自動で付与するサービスが多いよう。これを調べてSoundExchangeに登録すれば、著作権料を取りこぼしなく集金できます。

ご自分のCDのISRCがわからない場合、パソコンでディレクトリをメタデータ検索すれば調べられます。Macの場合はこんな感じ。(すみません、必要なら優秀・便利なグーグル翻訳をご利用ください)

私のレーベルはクラシックにしては柔軟性がありますが、デジタル・ミュージックには懐疑的。それで、私の前アルバムにはISRCが付与されず(さすがインディ・レーベル!)

私の楽曲はアメリカの公共放送デジタル・ラジオなどでかかっているので、集金の必要が……。仕方なく無期限発行権(CD Babyなどが持っているもの)を$95で買って、自分でコード発行しました。

例えば将来レーベルを運営したいような方は、持っておくといい権利かもしれません。(アメリカではソーシャル・セキュリティ・ナンバーがあれば誰でも買えます)

これら一連の手続きは、代行サービスも日本にあるよう。ですが、ご説明した予備知識さえあれば作業はごく単純。一度 SoundExchangeアカウントを作れば登録レパートリーが把握でき、手数料要らずで永続的に無料です。

以上、ISRCの概要でした。今すぐ細かいマネタイズの必要性がない方も、頭の片隅に置いておけば使う時が来るかも。オンエアのビッグ・チャンスを引き寄せるかもしれません!

――⭐︎――

番外おまけ。

時代の変化は著しく、早くもポスト・サブスクが囁かれる昨今。クラシックの総本山的なドイツ・グラモフォンですら、ミニマル・アンビエントな非正統派アルバムを多発のご時世です。

私のイチオシはダントツ人気のこの方〜ドビュッシー等のクラシック曲とトランス調オリジナル曲の両刀ピアノ↓

冒頭の写真は、ナインインチネイルズのトレント・レズナー様&アッカティ・ロス様の直筆譜。プロモーションとして映画配給会社が送ってくれた厚紙コピーです。