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クリスマスと「孫の顔が見たい」の関係

「孫の顔が見たい」とご両親にせがまれて、困っているかたはいらっしゃいませんか?

私こと作曲ピアニストのmintもその部類でした。昭和時代には「遅すぎ」と言われた20代終わりに渋々結婚はしたものの、子どもを持つつもりはなし。当時は日本でソロアルバムを出すチャンスの芽が複数あり、家庭どころではない心境で……。

人はなぜ「孫の顔」なんか見たいんでしょう? やっとめでたく育児が終わったというのに? 子ども嫌いの私みたいな女には、想像もつかないながら……。子育て経験者としてひとつ思いつく理由は、「自分の子育ての苦労が未来永劫に繋がった安心感」が得たいから。

ひねくれすぎ?のmintも、実は母に類似のリクエストを言われた時、意外に悪い気はしませんでした。母は一度だけ、遠慮がちに「私も”おばあさん”になりたい年齢なのよ」と言いました。

「自分の子育て人生を肯定したい心理」や世間体を根底に隠した、尤もらしい理由ではなく。要望をストレートに出した言葉は、素直に聞く気にさせられるものでした。だからというわけでは全然ありませんが、mintは一女の母に。

その娘から妊娠の報告をもらったのはちょうどこの季節、一時帰国の時でした。クリスマス・ムード一色のニューヨークにいる今、改めて「なんで孫の顔なんか」と考えたら、「プレゼント」という案が浮かびました。

クリスマスといえば、子どもが大好きなサンタさん用の靴下ばかりじゃありません。洋画でお馴染みのように、プレゼントの包みをクリスマス・ツリーの根元に置いてクリスマスを待つのも、アメリカでは一般的。

サンクスギビングに訪れた友人宅には、既にクリスマス飾り!

このお預け状態、孫の誕生を待ち望む気持ちに似ていそう。mintの娘の妊娠期間はコロナと重なったため、会ったのは報告以降に1度だけながら……。いかに子ども嫌いでも、やっぱりパンパンに膨らんだお腹を見れば「何が出てくるのかしら?!」とワクワクした気持ちになりました。

クリスマスやお正月って、なんであんなに楽しみなのかといえば、「年に一度のご馳走と、プレゼントやお年玉」だったのでは? ところが大人になったら、それらを用意するのは自分。mintも楽しんではいたつもりでしたが、フルタイム・ワーママの身体は疲れきっていました。

子どもを持たない人生で、自分のためのクリスマスを100%楽しめるのも、スタイリッシュで羨ましいこと。一方、子を持ってセットバックがあっても、後から孫というビッグ・プレゼントが届くこともあります。そういうものを欲しがる人が、もしもクリスマスやお正月の楽しさをあなたにくれたのならば……「プレゼント欲しい」の心を責めるのも、酷なように思うのです。 

mintが送ったクリプレのセットアップを着た孫

今「孫」をせっつかれているかたに、妊活をオススメしたりはしません。けどよかったらご両親を「プレゼントをねだる無邪気な人」ぐらいに、軽く流してはいかがでしょう? 「あなたのため」などと、善意を押し付けてくるにしても……。

子どもはいてもいなくても、長所・短所の両方があるものでしょう。mintもソロアルバム・デビューは「子育て後に来たアメリカで」になってしまいましたが……。NYでのクリスマス活動↓は、おかげさまで大盛況。

mint自身は周りの「救世主誕生」期待に抗うことができなかった分、意思をはっきり持つ皆さまを応援しています。そしてもちろん、大奮闘中の予想外(非自主)ママの皆さまもね! 

mintはクリスチャン家庭に生まれたので、幼児期には真夜中に起こされ、真っ暗な中、教会のミサに連れていかれました。眠かったけど神秘的で、新生児キリストを迎えた厩のディスプレイが本物に見えたなぁ。

深夜ミサの開始時間は時代とともに、11時になり、10時になり、最近では明るいうちからでもありますよね。

それでも、子どものいる賑やかなクリスマスも、大人のしっとりクリスマスも、甲乙つけがたいファンタジー。ちなみに、上記オーケストラ・コンサートでエンディングに演奏されたmintの曲は、”Lonelyロンリー Whiteホワイト Christmasクリスマス”といいます。

昨日NYには初雪が降り、クリスマス待望気分を盛り上げてくれました。

ここまでお読みくださったあなたがどこにいらしても、誰かと一緒でもおひとりでも、きっととびきりの聖夜が訪れることでしょう!

冒頭の写真は夕暮れのブルーミングデール(デパート)の年末ディスプレイ。キリスト教信者以外にも配慮した
ピンクカラーが、多様性の昨今らしい!