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異世界転生ものはオワコンか?否、今後さらに異世界ものが世界で人気になるであろうその予想と理由。
はじめに
今、漫画やアニメ、ライトノベルの世界で
異世界転生ものが大人気だ
それは今に始まったことではなくて、もう10年以上も前からのことだ
むしろ、今では異世界転生人気は下火になってきていて
このままオワコン化していくのかという声もある
異世界ものは小説家になろうやカクヨムから人気になり、そこから書籍化され漫画化され、アニメになるまでにはかなりのタイムラグがある
詳しい人には説明するまでもないだろうが、なろうなどでの人気とアニメで今やっているような異世界ものの流行りにはかなりの乖離がある
アニメでやっているような異世界ものがなろうでやっていたのは結構前のことだったりするのだ
一見アニメだけを見ていればまだまだ異世界転生ものは多いから、今大流行しているという認識を持っている人も多い
しかし、web小説の現場での流行は今もめまぐるしく変わっていっている
では、異世界転生ものの人気は今後どうなっていくのか
これについては、少し前であれば、小説家になろうでは「異世界転生」ものが隔離措置をされていて、そのせいで下火だったという環境があった
この隔離措置の変遷については今回は説明しない
が、少し前にこの隔離措置が解かれ、なろうのランキングシステムが大きく変わり、状況が大きく動いたのだ
そのこともあって、今後web小説や、フィクション全体の流行がどうなっていくか、誰もまだわからない
だけど、僕の予想では、今後さらにこの「異世界もの」がどんどん強くなっていくだろう、ということを予想している
というより、予言しておこう
だから異世界ものを書こうとしている人やそれに投資しようとしている人は安心してbetしていいと考えている
これはあくまで予想ではあるのだが、なにも根拠なしにそう言っているのではない
また自分自身が異世界ものを書いているから希望的観測をしているのでもなく
明確にある根拠をもとにそう予測している
それについて以下に詳しく説明していこうと思う
主な内容としては今回は「表現規制」や「ポリコレ」などをテーマに論を組み立てていったものになる
なので異世界ものの話に限らず、そういった話題について興味のある人にもおすすめの記事となっている
説明するさいに、場合によっては少々センシティブな内容も含むため
正直あまり大々的に内容を公開するつもりはない
物議をかもしたりするのはごめんだ
なので最初は有料記事にしようと思ったが需要がないので無料公開することにした
まあ話半分にきいてくれればいい
もし本当に今後の世の中の流れとして、どういったコンテンツが流行っていくのだろうか、という私の予測が見たいという人がいれば、ぜひ読んでもらえるとありがたい
もちろんこれはあくまで私による一説でしかないし、未来は誰にもわからない
異論は認めるし、ぜひ読んだうえであなたの意見をコメントしてもらえるとうれしい
最初に結論
この記事は「異世界もの」こそが今後さらに書かれるし、読まれるようになるだろうと、いう私の予想をもとに、今後の世の中の風潮がどのようになっていくかを予想したものだ
まずは読んでくれてありがとうございます
かなり長くなるし、ややこしい話や本題とずれることもあるが、最後にはまとめるので容赦してほしい
まず最初の予測として
「今後世の中の表現規制がもっと窮屈になるであろう」というのを言っておく
そして私の予測はこれを前提として組み立ててある
なのでまず「なぜ世の中がさらに窮屈になっていくと言えるのか」
という根拠についてお話しよう
世の中がどんどん窮屈になっていき
言いたいことも言えない世の中になっていく
実際、今もそうなっていってる途中だろう
そうなると、どんどん「現実」について書けることが狭まっていき
「この世界」ではなく、さいごには「異世界」についてしか語ることができなくなるのではないかという、懸念、予言だ
もしこれが、もっと平和な時代、もっと自由な時代
そう、平成であれば、こんなのはバカげた杞憂だと一蹴できる
しかし、今の世界をみてみてほしい
どこもかしこも混乱と無秩序が繰り広げられていて
世界的に政治や経済、いろんなことが不安定な世の中だ
そんな世の中だからこそ、「この世界」について論じることには意味があるしまた「異世界」について語ることにも意味があるだろう
「異世界」とは「この世界」をみるうえでも大事な写し鏡のようなものだ
世の中が窮屈になっていく
えーっとまず、前提として
今の世の中の全体の流れとして、世界的にも
「ポリコレ」というものが推し進められている
これは創作物についても避けられない話題で
どんどん表現というものは規制され窮屈になっていっている
これについてのポリコレ推進が、良い悪いというのはみんなそれぞれに思うことがあるだろうけど、今回はその話はしない
ポリコレ推進がいい悪いは置いておいて、とにかく、そういった流れがある
これはポリコレ否定や逆にポリコレを排除する流れも同じように存在しているし、現在は逆に、ポリコレを推し進めた反動で、反発する声のほうが大きくなっているようにも感じることは指摘しておきたい
とくにゲーム業界は反発が大きい
で、もちろん僕は創作にこういった規制なんかを持ち込んで窮屈にするべきではないと考えている
が、大きな流れとしてそういうものは実際に存在する
で、いわゆる世の中で批判されているような「ポリコレ」については今後どうなっていくかはわからない
今後さらにそういったものが推し進められる可能性だってあるし、もしくは逆にポリコレへの反発がさらに強まり排除されるかもしれない
が、そのいわゆるポリコレ的な運動とは別にしても、
別の面でも表現は規制される方向に進むであろうというのが僕の予想だ
例えば、二次元の創作物の児童を性的に扱うことへの規制だ
これは現在の法律では問題ないし、もちろん僕も問題には思わないが、今後もっとそういったものへの風当たりが強くなるのは予想できる
Twitterを見ていても、たびたびいわゆるツイフェミとよばれる人たちが、そういった二次元エロへの規制を声高に叫んでいる
こういった規制への風当たりの是非は置いておいても、そういう現状があるということだ
ほかにも、さまざまな要因によって、今後数十年でもっともっと表現というものは窮屈になるだろうと僕は予想する
先にポリコレや二次元エロへの規制を例としてあげたが、他にも例をあげてみよう
王様ランキングという作品を知っているだろうか
「王様ランキング 炎上」と調べてもらえれば、だいたいのことはわかると思う
今回はその炎上の細かい内容までは説明しないが、どういうことかというと
まず前提としてこの作品は、日本が舞台の作品ではない
というかそもそも地球ではないだろう、ファンタジーな異世界を舞台とした作品だ
いうまでもなく、フィクションの作品であって、現実とはなにも関係ない
よく見かける文言としても「この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません」というのを見たことがあるだろう
だが、この炎上は、作者にそういった意図があったかはわからないが、読む人が読むと、ある実在の国をモデルに揶揄する意図があったのではないかと炎上したのである
そう、まったくの異世界のフィクションであっても、現実の国や政治、事件を想起させてしまうというだけで炎上しうるということだ
だが別にこの炎上に関しては、知らない人も多いくらいだし、作品はアニメ化もされ、変わらず人気だ
この炎上によって、どのくらいのデメリットがあったかはわからないが、表向きは大丈夫だったのだろう
それはまずこの作品がフィクションであるというのもあるが、なにより異世界ものであるということで、現実の国の事情は関係ないですよと言えるからだ
僕はこの点に、異世界ものが現代の地球を舞台にするよりも大きなメリットがあると考える
もし現代の地球を舞台にした作品で同じような炎上があった場合、あくまでこれは異世界ですよ、と説明しても、許さないという人が出てくるだろうことが容易に想像がつく
もちろんそれはクレーマーに近い言いがかりだし、まったくもってナンセンスだと思う
そもそも地球であってもフィクションはフィクションだ
だが世界がグローバル化しさまざまな文化の人が作品を目にするようになって、類似の言いがかりや炎上はたびたび目にするようになったのではないか
直近であればダンダダンやワンピース、などのキャラクターの人種について話題になりなかば炎上みたいなとりあげかたをされることが多い
他にも、「二度目の人生を異世界で」という作品が、アニメ化中止にまでなった炎上事件を知っているだろうか
これも調べてみればわかると思うが、この作品も現実の政治的な問題や国際的な問題に関する事情で炎上した
まだある
「俺だけレベルアップな件」という作品を知っているだろうか
この作品はお隣の国の作品なのだが、日本にローカライズされるにあたって、作品の舞台が日本に置き換わっている
この作品の原作では日本が敵国のような立ち位置で出てくるらしいのだが、それが一部の人の反感を買い、話題となった
私の意見としてはもちろん、フィクションなんだから現実の国を出して、それをどういう風に扱おうとも、それはフィクションの中のお話でしかないし、それにいちいち目くじらをたてるのはどうなのだろうとも思う
しかし、現実問題、このインターネット社会、グローバル化された社会において、実在する現代の国家や民族、人種、宗教を取り扱う際には最新の注意と配慮が必要な時代になってきている
そしてこれはおそらく最近の流れであって、10年前くらいにはこのような炎上のパターンはあまり見られなかったはずだ
例えば、「コードギアス」なんかはかなりセンシティブな内容に斬り込んでいると私なんかは思う
一応、国名はブリタニア帝国となっているが、そこで描かれているのはかなり痛烈な社会批判を帯びていると思う
他にも古い作品ではあるがジョージオーウェルの1984年なんかも、あれも一応架空の国家を出してはいるが、かなり政治的なメッセージを含む内容だろう
あの作品が当時どのような扱いをされたのかまではわからないが、少なくとも、あんなふうに社会や政治を風刺的に描いた作品というのを、仮に現代で、出した場合、やはり内容の過激さによってはそれなりに風当たりが強くなるだろう
そう、もちろんこれは程度問題で、あくまで出版されていたりする作品であれば、それはちゃんと大人の人の目でOKをもらって世に出ているものであり、多少の批判などはあれど、大きく問題になるようなことはないだろう
だが、我々が異世界ものや小説を書くばあいは、それはweb小説として、世に出すことになるだろう
web小説は出版社と企画をたててつくるような従来のコンテンツとは違い、作者が個人の裁量で企画し発表するものである
なので、人気が出たときに本人の意図しないところで炎上したり、また本人に悪気はなくとも政治的なメッセージを入れ込んでしまうことは大いにありえるだろう
他にも、フィクションで架空の宗教などを扱う場合にも、知らずに既存の宗教を揶揄するような形になっていないかも注意が必要だろう
それは架空の人種や文化を出す場合にも、あらかじめ知識として実在の人種や文化をある程度知っておく必要があるだろう
そうでないと知らない間にひどく差別的な表現になっているなんてことがありえる
例えば、最近Twitterで話題となった「スヤスヤ教」に関する炎上事件をご存じだろうか
https://twitter.com/washicomp/status/1849086022824665453
これも知らない場合は調べてもらうといいと思うのだが
実際の宗教などをもじってそれを揶揄したとして炎上のような形になった
これの場合は、すぐに名称を変え謝罪するなどで対応していたが、これはあくまでTwitter上のフィクションだったからすぐに変えることができた
しかし小説なんかの場合、物語として長くかけばかくほど、すぐに修正すればすむというようなものではなくなってくるだろう
他にもTwitterではこんな話題も最近あったのを覚えているだろうか
https://twitter.com/ura_account55/status/1848932252799111348
これに関する議論もいろいろあって、読むと面白いのでぜひ調べてみてほしい
今回の話にも大きく関係する話だ
私としてもフィクションの中の倫理観なんてくそくらえと思うのだが、どうにも最近はそういう主張をよく見かける
これは世の中の大きな流れ風潮としてそういう「クリーンな」ものをよいとする潔癖社会というものになってきていることが原因だろう
他にも芸能人の不倫や女関係の炎上も同じことが関係していることは、すでに岡田斗司夫氏などによっても指摘されていることだ
とにかく世の中はポリコレやキャンセルカルチャーによってホワイト化していっている
そしてこの流れは間違いなく今後さらに加速するだろうと予想できる
ホワイト化社会やホワイト革命については岡田斗司夫氏の動画を一度見て見てほしい
私の言っていること、危惧していることがわかると思う
https://youtu.be/QXIB6v6EsZ0?si=gl2vaR7uLWpUUeM3
https://youtu.be/jI9k4_v4OGI?si=Noh1g7zeg4zZHAHp
私はなにも、小説や漫画で社会批判や風刺、痛烈なメッセージを表現するべきでないとは言っていない
それをする場合、それなりの配慮や知識がないと、思わぬ火傷をする可能性があるということだ
もちろん私個人の意見としてはフィクションの表現なんか絶対に自由であるべきだし、そもそも人類普遍の道徳なぞ存在しないのだから、倫理的に問題のあるフィクションでもなんでも大いに結構だと思っている
そして多くのクリエイターや消費者もそれに同意するだろう
いつもこういったものに文句を言うのは部外者だ
しかし我々がいくら個人の思想としてそう訴えても、世の中の大きな流れに逆らえない場合もある
もちろんこれに反対していくという手もある
だがそれはリスクも大きい
フィクションによって社会を批判したり風刺を入れるのはリスクも大きい
しかし、もちろんそれこそがフィクションの役目でもあると思う
ただ、こういったものはSFや純文学に多く、少なくともなろう系の異世界ファンタジーとは相性が悪いだろう
本格ファンタジーであればそういったことも可能だろうとは思う
しかしなろう系の異世界もの、とくに娯楽作品の場合はなるべくそういう主張などは丸くしておいてあくまで棘のないエンターテインメントに徹するべきだとも思う
もちろんそこでどういったものを書くかは自由だ
ここまで長々と、例をあげて説明してきたが
一見、最初の私の「異世界ものがさらに流行るだろう」という予想とは関係のない話のように思えるかもしれない
ここまで言ってきたことをまとめると「今後望むと望まざるにかかわらず、世の中はもっと表現なんかに窮屈になっていきますよ」という話だ
それを様々な根拠をもとに説明した
未来の世界を描くSFの場合を想像してほしい
その場合は実際にある国が登場するだろう
実際の国や政治を予測し、書いていくことになる
しかしそうなると特定の国や政治に対しての都合の悪いことを書くことにもなる
もちろんそれが目的で社会批判をするために書くという場合もあるだろう
何度も繰り返すが、そういったフィクションはむしろどんどん書いていいと思う
しかしそれは同時に議論や批判を産むリスクがある
私が言いたいのは、それを賞などに応募して、きちんと編集されたうえで世に出すのであれば、それはある程度出版社という後ろ盾もあるし、賞という権威の裏付けもあるが
もし仮にそういった内容を個人出版で出したりweb小説サイトにのせると、無駄なリスクを背負うことになるということだ
もしもあなたがそれでもリスクをとって政治的なメッセージや表現と戦うというのであれば否定しない応援したい
しかしおそらくこれからさらにそういったポリコレ的な批判が強まり、少なくとも商業の世界では大きなリスクをとるというのを避けるようになるのではないだろうか
そして表現が丸いものやポリコレ的な内容になるだろうというのはゲーム業界を見ていても予測できる流れだ
今はゲーム業界や海外の映画などがそういった流れをたどってきたが、それらのポリコレ的な表現は批判も大きく、排除の流れもある
なので私の予想ではそのポリコレ的な規制の流れは映画だけでなくアニメや漫画、ラノベにもさらに波及するだろうと思っている
すでにそういった流れも目にするようになってきている
作家としてはそういった表現に立ち向かいたいものだが、おそらくそれにお金を出してくれる側の立場にたって考えると、いらないリスクをかかえたくないというのは商売としては当然のことだと思うのだ
なにがいいたかというと、世の中はホワイト化社会で、窮屈になっていき
それと同時に、表現という、フィクションの場面でも窮屈になっていくだろうという予想だ
そういうとなんだかまるでジョージオーウェルの1984のようなディストピアみたいな世の中になるのを想像するかもしれない
そしてフィクションではこれまでそういったディストピアを何度も批判し否定してきたし、世の中がそうならないといいなと思うし、そうならないようにみんな行動もするだろう
しかし現実的には、フィクションのような極端なディストピアというのにはならないだろう
むしろ一見するとみんなが幸せで平和なユートピアに近いのかもしれない
実際になにかを表現することで問題が起きたりということはないにしても、なるべく政治的な要素のない「クリーンな」「炎上しない」コンテンツが好まれるようになるだろう、というのが実態だ
なにもジョージオーウェルのような全体主義社会の到来を予言して危惧しているわけではないというのは言っておきたい
そこまで深刻な話はしていない
これはホワイト革命によって「クリーンな政治家」「クリーンな芸能人」というのが好まれるのと同じだ
クリーンなコンテンツによりお金があつまるだろうという流れを予測しているにすぎない
この、よりお金があつまるだろうというのは消費者としても、商売としても、という意味だ
なぜ異世界なのか
では最後に、じゃあなぜ異世界ものなのか、という話をしてまとめようと思う
ここまでいくつかの例をあげてみたが、そこでこう思った人もいるかもしれない
「いやでも炎上したものの中にも異世界ものがあるじゃないか!異世界ものだからって炎上リスクがないとはいえない」
それはもちろんそうなのだが、逆にいえば、上述のような炎上は異世界が舞台だったからこそこの程度で無事だったのだともいえる
もし仮に現代を舞台として特定の人種、国、政治、宗教、事件、などを題材にそれを揶揄するようなものをつくったとする
それがはるか昔の歴史上のことであればまだ大丈夫だろうが、現在進行形のものをそういうふうに扱うと、いくらそれがフィクションであっても批判は免れないだろうことが予測できる
そして場合によっては上述してきた炎上程度ではすまない場合もあるだろう
私がこのように思ったのは、前述のスヤスヤ教に関する炎上をみていて、あらためてこの考えを強くした
スヤスヤ教というのはたしかにフィクションでありお遊びではあるが、実在の世界を無視し揶揄的なコンテンツにしたせいでこのような批判を受けた
これを例にして、似たような炎上のしかたは、小説や漫画のフィクションでも十分に起こりうる
なにかをメタファーにして比喩的にしても、特定の政治や国や人種を揶揄するような内容であれば、それはやはり問題になるだろう
それは王様ランキングのように異世界であってもだ
もちろん現代を舞台にさまざまなものを揶揄していて、それでもあまり問題になっていない?ような、「テコンダー朴」のような怪作もあるにはあるのだが……
他にもアサシンクリードの弥助に関する炎上などもこれに関係する話だろう
あれもあくまで「フィクション」ではあるのだが、あまりにも日本に対するリスペクトや理解がかけていたために、フィクションであるとはいえ炎上した
現実にある文化などを扱う場合にはやはりそれ相応に理解とリスペクトが必要なのだ
まして特定の文化などを揶揄しようものなら大変なことになるだろう
こうした世界的な表現の窮屈さから、こんごもっと、どんどん、作り手は窮屈になっていくのだろうと思うのだ
現代を舞台にし、実在の国を舞台にすると、じゃあ特定の人種が出てこないじゃないか、とか、特定の人種に関する表現がステレオタイプで間違っている、などの批判が起きる
ほかにも現代を舞台としたお仕事ものや学校もの、など
現代の価値観はどんどんめまぐるしく変わっていっているし
その際に、「この描写はいじめを助長するのではないか」や「この描写はミソジニーにもとずいていてけしからん」
「この描写はパワハラを想起させる」
などなんとでもクレームが想像できる
そういったことから、「現代」や「現実」を描くことがどんどん窮屈になっていく
なので、大きな流れとして「異世界」という現実となるべく離れたものを描くことが多くなるのではないだろうかと思うのだ
仮に現代でなくともIFの世界だろうと、未来の世界だろうと、現実の地球を舞台にする限り、こういったポリコレ的正しさからは逃れられない
なので書き手としては異世界のほうが書きやすくなっていくだろうということだ
そして売る側としてもそのほうが売りやすいと
もしこれが10年前であれば、僕の言っているようなこんな話はぜんぶよたばなしで世迷言だと思う
しかし、今の政治的にも経済的にも世界全体で不安定な世の中では、このくらいのことはいくらでも起こりえるし、実際、ここ数年でそれを感じている人も多いのではないだろうか
そのくらい今のネットや「世界」では規制やしがらみ、必要な配慮などが多く、政治や宗教について語ることはこれまで以上に危険で難しくなっていってるのではないだろうか
いくら仮に書き手がわに政治的な攻撃やメッセージがなかったとしても、読み手がそれを無理やりこじつけて読み取って炎上させる、というような場合もあるだろう
場合によっては書き手がいくら説明したところでいいわけが通用せずに悪者にされるようなことも大いにあり得る
そこで言い訳として異世界というものを用意しておくのだ
異世界には現実と一致するような人種や国や宗教は存在しないわけだから、それらの議論から一定の距離を置ける
もちろん、それでもこれは○○をモチーフにしているのではないか、などの批判から、ポリコレ的な炎上をすることはあるかもしれない
だが建て前として「いやいやこれは地球とはまったくの別の異世界の話であってあなたとは関係ありませんよ」といういいわけが通用する
もちろんそれでも文句を言いたい人はいるだろうが、理屈として対外的にそういった言い訳ができるので、比較的安全ということだ
もちろんいくら異世界で、まったく別の名称を使っていたとしても、あきらからにそれとわかるような感じで、特定の文化や国を揶揄するような比喩をした場合は王様ランキングのような炎上になるだろう
なので、もし現実世界を批判的に描く場合はそれとはわからないようにうまくかく必要があるだろう
例えば、ワンピース、進撃の巨人、ハンターハンターなんかはそれのいい例だ
これらはもちろん現実とは違う異世界のファンタジー作品だ
だがよくよく読む人が読み解けば、世の中のさまざまなものに対する批判や風刺がきいていることがわかる
そういう点でもすごくよくできた作品だ
そして僕はそれこそが物語の役割だとも思う
普通に読めばたんなる娯楽作品としても読めるし、その構造を細かくよみとけば、さまざまなもののメタファーとして社会批判的な要素も読み取れる、どうとでも読み解ける余地のある、普遍的な作品だ
だからこれらの作品はそういったポリコレ的な批判も受けていないし――もちろん細かい部分ではそういった批判もあるかもしれないが、大きな問題にはなっていない――時代の風雪にも長く耐えうる名作なのだ
世の中でいろんな映画やゲームなどが上述してきたようなポリコレ的な批判を受けているが、今のところ、なぜだかはわからないが、いわゆるなろう的な異世界ものは、どういうわけかそういった議論とは一歩引いたところにあると思う
それはやはり、あらかじめ異世界ものであるとことわっているからではないだろうか
見る側もあくまでそれは異世界だと了解しているからこそおかしな議論にならない
もちろんそれでも批判をする人はいるだろうが、その場合多くは「いやいやこれは異世界なんだから、奴隷もいるだろうし、現代の歴史や倫理観とは別なのだ」ということで、批判は論破される
またあくまでなろう系だから、と軽く見られているのもあるだろう
これはいい意味でだ
ギャグマンガにマジレスする人はいない
なろう系というカジュアルな世界だからこそそういった突っ込みが少ないのではないだろうか
これらの点から、動画配信サイトなどのプラットフォーム側からしても、異世界ものはあつかいやすく、リスクが低い、さらに人気もある
ということで、今後さらにプッシュされるだろうというのが私の予想なのだ
ここまでかなり長々と話してしまったが、ようはそういう主張なのである
アメリカのヒーローものや、ハリウッド映画にはお決まりのルールもおおし、ポリコレ的な制約も強い
その点、日本のweb小説という完全に自由な場所から産まれた異世界ものにはあらゆる制約が緩いというメリットがあるのではないだろうか
他にも、中国なんかでも、なろう系に似たような、インスパイアされたような、異世界ものなんかがアニメになって日本に逆輸入的に入ってきたりもしている
日本のなろう系アニメも中国で人気だ
韓国でもウェブトゥーンなどをはじめとして、なろう系インスパイアな異世界ものは増えている
いまのところ、そういった異世界もののブームに、ポリコレ的なごたごたは無縁だと思う
なので書く方も自由だし、売る方もリスクが少ない
このまま異世界ものというのがそういった規制から逃れるユートピア的なジャンルになるのではないかというのが予想だ
おそらくはそうやって異世界ものが自由で、さらに売れるということで、後追いする形で他の国でも似たような異世界ものがつくられていくのではないだろうか
そしてお金を出資する側の期待も、異世界ものに集まるのではないだろうか
出資する側もコンコードやアサシンクリードのようなことになるのは避けたいだろうから、異世界ものならそのリスクがないというわけだ
これまでに説明してきたさまざまな要因によって、異世界ものというのが今後さらに伸びるだろうというのが私の予測なのだが、どうだろうか
みなさんはここまで読んでもらってどう思っただろうか
異論や同意など、ぜひコメントしてほしい
さて、最後にこれだけは言っておくが、私個人としてはフィクションに対するあらゆる批判や規制には反対だし、自分もそれにおもねったようなものを書くつもりもない
そして世の中の多くのクリエイターが同じ思いだろうし、世の中の他のクリエイターに規制に屈してほしくもなければ、屈しておもねったものを書けとか書くべきだと推奨するつもりも毛頭ない
しかしこれまで述べてきたのはあくまでそういう予想だ
そしてその予想が部分的にでも正しければ、いくら我々個人がどう思っていようが、全体としての流れは、批判の少ないものを書く、リスクをとらないで安全な作品をつくる人が増えるのではないだろうか、というのが予想なのだ
もちろんこの予想が仮にただしかろうと、だからといってその世の中に迎合する必要はないし、もちろんそれに迎合するような人ばかりの世の中になるとも思っていない
おそらくは今と変わらず、とがったものや批判の大きいようなものを書くような人はこれまでと変わらず存在するだろうし、そういった表現がまったくなくなるという予想ではない
ただ割合として、異世界ものにとって追い風のような状況になるのではないかというのが現実的なところだ
現実的な数字としてはこの予想は今後20年ほどの内容だと思ってくれていい
20年後この記事を読んだ人がいたらこの予想がどの程度正しかったかぜひその目で確かめてみてほしい
さいごに
最期に、
今回のさまざまな表現に関するTwitterの議論を見ていて
その総括的なツイートとして
すかぢ先生のツイートがものすごく「そのとおりだな」と納得したので、それを以下に紹介させてほしい
https://twitter.com/SCA_DI/status/1849297836464296263
念のためスクショも張っておいた
このツイートにこれまで言ってきた私のいいたいことのすべてが集約されているように思える
もちろんこのツイートもすばらしいが、このツイートにつづくさらなるツリーもすばらしいことが書かれているので、ぜひそちらも合わせて読んでみていただきたい
そもそも、人間全体に普遍の真理や倫理、道徳なんてものがあるのだろうか?
そもそも人権という概念だって人類の長い歴史からみれば最近できたものだし
人間というのは本来正しさや倫理なんかとは真逆の残酷な生き物という側面もある
倫理や道徳なんて時代や場所や文化によっても大きく変わりえるものだ
私たちが数百年前の人間の行いをみて、とんでもないとまゆをひそめるように、数百年後の未来の人間からみれば、私たちの今の世の中にはまゆをひそめてありえないというだろうことは用意に想像できる
私が最近こういうことを思うのも、名作ゲーム「沙耶の唄」をプレイしたのも大きな要因だ
沙耶の唄の世界では主人公にとって世界が変わってしまったせいで、普通の倫理観から大きくずれていきて、「普通ってなんだろう」「普通の倫理観ってなに?」ということを想像させられるような話になっている
もしこの記事を読んで興味を持ったら沙耶の唄もぜひおすすめの作品だ
今回の僕の言いたかったことにも通じる部分があるだろう
ゲーム版がむずかしければ小説版もある
世の中に、普遍の倫理観などない
だからこそ、そういった倫理や道徳について考えることは意味があるし
それら正義を語り広め、世の中を変えることには意義がある
そしてそれらと向き合う上でもやはり物語というものの役目は大きい
私はあらゆる創作は自由であるべきだと思ってる
規制なんてもってのほかだと思うし、最近のポリコレ的な創作への制限にもうんざりしている
そのうえでこんな未来予想をしてみたのだ
やはりそれはTwitterなどをみていても年々表現などの規制やツイフェミやポリコレ的勢力の声が大きくなっているからだ
私はそれらと対立しようとは思わないし、そういうことを言う人の気持ちもわからないではないし、そういう流れにならないでほしいとも思う
しかし未来というのがどうなるかは誰にもわからない
表現の規制というと、さきにも言ったがジョージオーウェルの1984年を思い浮かべる
例えば、YouTubeなんかではかなり規制が入っていて
コメントや動画内容によっては運営に削除されるようなことがある
そしてそれは、今ではYouTubeだけかもしれないが、それが小説サイトや、Amazonなどの通販サイトやネット全体までそうならないという保証はどこにもない
大きなプラットフォームに身をゆだねるというのはそういうことなのだ
現実の世の中でも「言ってはいけないこと」がだんだん多くなっているのではないだろうか
それがいくら現実として正しくても、言ってはいけないこと
「男らしい」「女らしい」なんかについてももはや議論することすら難しい話題はたくさんある
橘玲さんの「言ってはいけない」もここで紹介しておこう
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フィクションの中ですらこの「言ってはいけないこと」がどんどん多くなっていかない、なんてことは誰にも言えないだろう
今の世の中だからこそ、この記事を書く意義があると思い、筆をとった
内容はあくまで異世界もののことを予想しながらも、かなり内容をとがらせて表現規制などの未来を危惧した内容になったつもりだ
なにかの参考になっていればうれしい
思いつくままに論を走らせてみたのでまとまりのない文章となったかもしれないが、言いたいことはだいたい言えたつもりだ
最後まで読んでいただきありがとうございました