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<南仏グラース> 香りの都で花の農園見学

日仏の香り文化の交流を図るプロジェクト「香りを巡る旅」では、2023年より香りの都として知られる南仏のグラースを取材し、本noteで記事を配信中です。

温暖な気候のグラースは、バラやジャスミン、ビターオレンジなど香料の原料となる植物の栽培に適しており、香水文化が花開いたことが香り(香水)の都と呼ばれる由縁で、現在もシャネルやディオールなど有名メゾンの香水に使用されています。

本記事ではグラース近郊で一般公開されている香料植物の農園や栽培地をご紹介。陽光きらめく香水のふるさとを、ぜひ肌で感じてみてくださいね^^



Domaine de Manon

1930年代から4代続く香料植物の農園で、現在はディオールの香水に用いる花を供給している。

グラースを代表するバラ(センチフォーリアローズ)、ジャスミン、チュベローズの開花時期に一般向けのガイドツアーを開催。

バラの開花時期は5月、ジャスミンとチュベローズは8月〜9月半ば。
開花時期と見学期間は年によって異なるので、ウェブサイトかインスタグラムで確認を。開放日は毎週火曜の朝9:00~、予約不要で現地集合。

広い農地にはトラクターに乗った引退した3代目(毎日こうして顔を出しているそう)、長靴につなぎ姿の農夫、カジュアルな服装で花を積む女性たちがそれぞれのペースで作業していた。のんびりとした南仏リズムで働きながらも、働く人たちの誇りが伝わってきた。

見学時に写真のSNSへの掲載はご遠慮くださいとアナウンスがあり、写真を載せられず残念。

Domaine de Manonがある町Plascassierでの一枚


Domaine de la Rose by Lancôme

フランスを代表する高級化粧品ブランドランコムが2022年にオープンした農園。

500年に渡る歴史を持ち、50年以上前から香料植物の有機栽培のパイオニアであった農家の農地を取得し、農園内の生物多様性の保全をめざしつつ、自社製品に用いるローズのほか、約10種の香料植物を栽培している。

見学は毎月第2水曜のみ、ウェブサイトでの予約を受け付けている。

上記に加え2024年は5月のExpoRose(バラの祭典)、9月のJournées européennes du patrimoine (ヨーロッパ遺産の日)にも公開された。

オープンしたばかりということもあり非常に人気のある施設で、予約はすぐ埋まってしまうので、気になる方は早めのチェックを。

予約用ウェブサイト:
https://www.lancome.fr/domaine-de-la-rose.html

建物も農地もとても手入れが行き届いており、農園というよりはショーケースやテーマパークといった趣。


Mas de l'olivine

18世紀から続く農園で、元はオリーブ農園だったが、現在はグラースを代表する香料植物を栽培し、ジャムやチョコレート、シロップなどの食品に加工し販売している。

予約制で年間を通じて、農園見学、一日農業体験、農園の花を使ったお菓子作り体験などを受け付けている。

私はExpoRose(バラの祭典)期間の一般公開日に開催されたガイドツアーに参加。BORTOLINI夫妻二人の手でよって運営されている農場で、ツアーもとても家族的。

農業に大いなる情熱を持ちつつも少し頑固者のティエリー氏と、声が大きくてしっかりもののオードレイ氏の掛け合いが夫婦漫才のようで楽しい。

元造園家のティエリー氏によって園内は美しく整備されており、南仏の田舎の雰囲気を味わいたい人はぜひ!

*見学に関する情報は執筆時のものです。
訪問前に各自で再確認をお願いします。

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