見出し画像

2024/10/13 常磐ホテル観る将旅行記

前回陣屋に行った🐧🦌🍍で次はどこに行こうという話になり、🦌さんから「常磐ホテルの『名人の小径』で斎藤先生と畠山先生の揮毫が並んでいるところが見たい」というご提案があり、即計画。
秋晴れの気持ちのいい連休を利用して、常磐ホテルへ行ってきた。

小作〜武田神社

特急かいじに乗り、甲府へ。
まずは甲府の小作でほうとうランチ。
11:30開店に合わせて行ったら既にすごい行列。35分待って、案内された。

甲府駅前にいくつかあるようですが
今回は北口のお店に。
きのこほうとう1900円
山菜の下に直径7センチくらいのキノコがたくさん。
美味しい!
藤井くんは絶対食べられないやつ


次に武田神社へ。甲府駅前からバスで10分くらい。

武田神社には何度も来ていますが
能舞台があるとは今まで気が付かなかった
将棋脳だとすぐに気がつく

常磐ホテル「九重」

観光を終えていよいよ常磐ホテルへ。

今回は、タイトル戦の会場になったお部屋「九重」に泊まる。

「九重」は藤井くんが叡王を失った場所。
2021年の叡王戦第2局で豊島先生に負けたところでもある。
勝ったことがない場所なので、とても楽しみにしつつ、若干の切なさは拭いきれない。

15時にチェックインして、九重に案内された。

離れへと向かう通路が雰囲気抜群。
ここの写真見たことある!!
タイトル戦ごっこの幕開け
タイトル戦がまさにここで行われた
次の間の向こうに露天風呂
九重には部屋専用の露天風呂があり、
源泉掛け流し。
対局者は本館の部屋に宿泊するので、
この露天風呂を対局者は使っていないはず。
もったいなーい。

日が暮れる前に庭園散策。

ここでひとやすみ
東屋の中から

美しく手入れされた広大な庭園に、秋の柔らかい風が吹いて気持ちいい。庭園の中に東屋があり、そこで少しくつろいで過ごすだけで非日常。

名人の小径

庭園の後は館内の名人の小径へ。
歴代のタイトル戦の舞台になっている名ホテルだけあり、揮毫色紙や写真がたくさんある。
将棋だけでなく囲碁の揮毫色紙や写真もたくさん飾られており、文豪や皇室御用達ということで井伏鱒二や皇族の写真も。

本日のお目当て🦌
壮観!
藤井くんの揮毫は七段時代のもの。
羽生先生コーナー

歴代のタイトル戦の巨大ポスターが閲覧できるようになっていて、叡王戦初期のものや名人戦の羽生森内戦の頃のものまであり、歴史がすごい。

🐧🦌🍍でそれぞれの推しのポスターを見てはこれはあの時の…!とか、若い…!とかあれこれおしゃべりするのが楽しい。

大浴場で温泉を満喫し、部屋に戻る頃には日が落ちていた。

夜、風情があります
字が薄い!

夕食

山梨はマグロ消費額二位らしい
 本日の食前酒替りアサヤのぶどう夜
さつまいもの冷静玉地蒸し抹茶風味
巨峰の干しぶどう
前菜~やまなしの秋の盛り合わせ~
富士の介 人参チーズ
稲穂 勝果 銀杏
甲府椎茸のから揚げ
里芋味噌
彩り卵の花
稲穂の白いポンポンも食べられます
吸物替り
大根のコンソメ関東炊き風
鮪と甲州牛常磐名物
日本近海産生本マグロ
赤身平造り あぶり
甲州牛と鮪の握り寿司
茄子の漬物の握り寿司
煮物
秋の米茄子揚げびたし
蓮根みそ餡
甲州牛の溶岩石焼き
塩黒胡椒和風おろし朴葉味噌
栗ご飯
国産米
香の物
季節の漬物
柴漬け
留椀
きのこの味噌汁
おひつでおかわりもいただけます🌰
県産シャインマスカットと巨峰、さすが山梨

棋譜並べ〜🐧🦌🍍の勝局から

満腹になったところで、メインイベント、棋譜並べ。盤駒は事前にレンタル予約してある(2000円)。

王座戦第1局斎藤中村戦
竜王戦第1局藤井勇気戦
A級順位戦豊島菅井戦
を並べた。

現地で現地の棋譜を並べたいけれど、藤井くんの叡王戦を振り返るのはまだ無理だった。

3人なので、「棋譜並べしない人は温泉にでも浸かってて」方式で、私は🐧🦌の斎藤中村戦の棋譜並べの間に部屋の露天風呂にどっぷり。部屋付きの露天風呂は気楽に入れて最高。

竜王戦の棋譜並べは、先日の竜王戦プレミアムで藤井猛先生や中村太地先生が竜王戦トークの中で解説してくださったのをメモに取っていたので、棋譜コメと合わせて読みながら並べた。
現地解説をメモしておくと、棋譜並べの物語性が一層増して楽しめる気がする。

A級順位戦はもちろん🐧さんの希望で。
私が菅井先生側を持って177手指しきった。

常磐ホテル名物のお夜食一口稲荷。
お腹いっぱいすぎてとても食べられず、
翌朝いただいた

棋譜並べ〜常磐ホテルの敗局、叡王失冠局

翌朝。
目が覚めたら🐧🦌さんたちの姿が見えず、朝風呂に行ったようだったので、私は部屋の露天風呂で目覚めの湯浴み。朝日の下で露天風呂、気持ちいいー

その後大浴場にも行った。大浴場は男女別で朝と夜の入れ替え制なので、これで全温泉制覇。

温泉にぼうっと浸かりながら、やっぱりせっかく現地に来たのだから現地の棋譜を並べないのは勿体無い、叡王戦の豊島藤井戦はせめて並べようか、と思い始めた。
九重に泊まる機会がまたあるとは限らないのだ。

豊島戦を並べよう!と決意し、お風呂から上がって、盤駒を出したところで🦌さんが戻ってきた。
豊島戦を並べようと思う、と話したら、豊島先生側を持ってくれて、早速棋譜並べ開始。並べている途中で、🐧さんも戻ってきた。🦌さんが代わりましょうかと申し出たが、🐧さんは盤側での観戦で良いと仰る。

途中まで結構良かったのかなー、いやー豊島先生の粘り怖い、簡単に倒れない、あー思い出したこの銀打ち、銀打って飛車ですか。あーこうやって悪くなっていくんだ、ていうか豊島先生強すぎ。

みたいなことをみんなで喋りながら並べる。
楽しい。
棋譜コメを読み、場面描写は再現しながら並べる。
藤井は額を押さえてうつむいたとか、うつむき、天を仰ぐ、とか。

いやー強かったな、豊島先生。
藤井くんも途中まで良かったんだけどなあ。
九重で擬似体験できたことで、なんだか色々納得できた気がする。

…やっぱり叡王戦第5局、並べようか。
並べないといけない、今しかない。
豊島戦を並べたことで不思議な満足感があり、そのせいか、そんな気持ちになった。

「朝食食べたら藤井伊藤戦を並べようと思う!」と宣言して、ひとまず朝食へ。
朝食は朝食会場で供されたが、個室仕様でゆっくりできる。

お鍋の中はほうとう

部屋に戻り、タイトル戦と同じ位置に盤と脇息を設置した。

上座について、叡王戦第5局藤井伊藤戦を並べる。
初めて見る棋譜。

好調だ。流れもいい。順調に攻めている。評価値もいい。これは防衛するのでは。あれ、どうした、どうして?なんで?うわー、、、なんでこの手を指したんだろう、私にわかるわけもないけど、かなり優勢だったのに、なんでこうなってしまったんだろう、本当に調子が悪かったのか、いや、たっくんが普通に強かったのだ…

投了の数手前、151手目▲3三金打の棋譜コメ「藤井は窓のある左側に目をやる。」
私も3三に金を打って左側に目をやる。常磐ホテルの庭園の緑が美しい。この風景を見て藤井くんは何を思ったのか。心の整理をしていたのか。

この緑に少し癒されたりしたのかな。当時は初夏だから新緑が美しかったことだろう。心を落ち着けて、投了の覚悟を決めたのかな…

上座から外を眺める

負けました、と言って棋譜並べを終えた。
もう2度と並べないであろう叡王失冠の棋譜だけど、最高の場所で並べることで、成仏できた、気がする。

と言ったら「成仏(笑)せめて昇華にしましょう」と🐧さんに言われたw
昇華できたということで。

次回は勝局を現地で並べたいな。

名残を惜しみながら常磐ホテルを後にした。
今回は営業部長の小沢さんにご挨拶させていただき、タイトル戦のお話なども伺えて、さらに深みのある滞在となった。
おもてなしの気持ちがたくさん伝わってきて、常磐ホテル、本当に素晴らしい。
ぜひ将棋ファンの方もそうでない方も、一度訪れてみてほしい。

サドヤワイナリー

帰りに甲州夢小路をぶらぶらした後、サドヤワイナリーのワイナリー見学に参加。
想像以上にこれが良かった。
創業100年らしく、将棋脳の私たちは「将棋連盟と一緒…!」という同じ感想を持ったのだった。

オシャレなワイナリー、駅前で便利
レストランやワイナリー見学は要予約
熟成中。オーク樽とワインの良い香り!
一樽でボトル300本くらいらしい
かつてワインタンクだったそう
テイスティングワイン一杯400円から

テイスティングでワインを何杯かいただき、ほろ酔いで特急あずさに乗り帰京。
とっても楽しかった!!
🐧さん🦌さん本当にお世話になりました…!

結び

今回も充実した聖地巡礼旅だった。
私としては、一生振り返る予定のなかった叡王戦第5局に、九重の間で向き合えたことがとても大きかった。

これを糧にして更に強くなって叡王戦に戻ってきてくれるはず。
常磐ホテルでの藤井くんの勝利が見られますように!
(但し最終局までもつれてほしいわけではないw)

おしまい。

appendix 過去の連盟ブログ

常磐ホテルに言及しているものが多々あるので、一部ご紹介。

いいなと思ったら応援しよう!