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竜王戦プレミアム第1局渋谷1日目

いよいよ能楽堂へ。

8:20に能楽堂前に集合し、8:30過ぎに入場。
記録係が準備をしており、立会人の森内先生や羽生会長、スポンサーの方などが続々と入ってきます。

やがて勇気先生が入ってきました。緊張のあまりすでに憔悴しているように見えます。着座しても落ち着かない様子で、顎の線を見ると痩せた気がします。ちゃんと眠れたのでしょうか…。

まあそんな心配は、その後の凄まじいまでのおやつと昼食のダブル定跡に吹っ飛ばされるのですが。

しばらくして、藤井くんが橋掛かりにふわっと現れ、ゆっくり、ゆっくり歩を進めます。
ずっと落ち着いていて、この世のものとは思えない…
あまりにふんわりしていて、神様みたいというと大袈裟かもしれないけれど、人ではないようでした。
心の内に緊張や不安やいろんな思いみたいなものがあるはずなのに、そういうものが全然表面に出てこなくて…

写真撮影不可なのでABEMAのスクショから

そんな藤井くんのふわっとした空気感も、盤の前に着くと徐々に集中モードに変わっていきます。

なんとなく落ち着かない雰囲気だった勇気先生も、振り駒で先後が決まるとガラッと雰囲気が変わり、ギラギラした感じに。
勝負師の顔になる瞬間を見た気がしました。

能楽堂は厳粛でピーンと張り詰めた静寂な空間を期待していましたが、舞台の上ではカメラマンや記者たちが対局者を待ち構えており、カメラのシャッター音がけたたましく鳴り響き、全く静寂ではありませんでした。

そんな中、読売カメラマンの若杉さんは、シャッター音のしないカメラを使い、ご自分の気配を消して静かに静かに、それでいて機敏にシャッターチャンスを捉えていらっしゃいました。場の空気を壊さない、プロフェッショナルな仕事ぶりに感銘を受けました。

去年までは天カメ映像をプロジェクターで映してくれていたようですが、今年はなかったので、観客席の私たちは盤上の様子がわかりません。

ただ、対局者と同じ空間にいるからこそ、場の空気を肌で感じることができます。
これがたまりません。

対局が開始し、報道陣が退室するタイミングで私たちも退室しました。

次のプログラムは竜王戦トーク。
藤井猛先生と貞升女流のトークがとにかく面白くて笑いっぱなしでした。序盤なこともあり、指し手の解説はあまりなく、竜王戦にまつわる裏話が満載。

中村太地先生と和田あき女流に交代すると、指し手の解説もあり、硬軟さまざまなトークが聞けて贅沢です。

トークショーの後は竜王戦ランチ。対局者が食べたメニューというわけではなく、初日は中華でした。景色の良い高層階のサロンでいただきました。

結構本格的に辛かったです
特にエビとイカのチリソースグラタン仕立てが
美味しかった〜
ぷるぷるなめらか杏仁豆腐
残念ながら雨模様
対局者のランチは撮影用に展示されていました。
すごい量!
マイタケが…!

13:15に昼休明け観戦のために能楽堂に入ると、すでに勇気先生は盤の前に戻っており、悩ましげに考えに耽っていました。
指が動き、ものすごくたくさん読んでいるように見えます。
棋士が考える姿は本当にかっこいい。
この空間で生で見られて幸せです。

13:30の時間ちょうどに、藤井くんは最初の入りよりは早めの足どりで現れました。
真剣な無表情というか…虚無というわけではないのですが、常に淡々として落ち着いて見えます。

私たちが退室するときに、勇気先生の背中越しに藤井くんを見ました。
右肩を落として盤を一心に見据える姿には恐ろしい迫力があって…。
闘志が表に出てこないのに、静かな凄みが伝わってきます。
和服と能楽堂というシチュエーションもあって侍のよう。惚れ惚れしました。
今も脳裏に焼きついて離れません。

午後の竜王戦トークは藤井先生と松尾先生と貞升女流の3人のトークと、森内先生、太地先生、和田あき女流の3人のトークの2回。
話題は尽きません。

夕方の封じ手前は1時間以上の観戦時間があり、報道陣もいないのでじっくりたっぷり、能楽堂の頭脳勝負を堪能できます。

私の席は勇気先生の表情がとてもよくわかる位置で、表情や様子がくるくる変わるので、悩んでいるのか、これで行けそうと思っているのか、などなどなんとなく伝わります。そんな姿に釘付けになりました。

封じ手観戦して、1日目のプログラムは終了。
帰りにかるめらで、この日藤井くんが食べた国産牛の網焼きステーキ重をいただきました。(これはプラン外)

国産牛の網焼きステーキ重
ちなみに他に「黒毛和牛の網焼きステーキ重」
というのもメニューにあり、お値段は約2倍。
国産牛を選ぶ藤井くんの慎ましさよ…☺️


家族へのお土産に、藤井くんと勇気先生が頼まれたスイーツを全種類買い、帰宅後、藤井くんが食べたプリンをいただきました。
めちゃくちゃ美味しかったです!

モンブラン、また会ったね!

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