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スプラ歴=TPS/FPS歴のアラサー女が、ウデマエX帯に到達した話【スプラトゥーン2】

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念願のXポーズ!

最初に

 このNoteは、シューティングゲームを日常的にプレイしたことがなく、苦手意識さえ持ったままアラサーになった筆者の私が、スプラトゥーン2(以下スプラ2)というシューティングゲームに出会い、熱中し、プレイヤー人口の上位約5%(※1)しか到達できない最高ランク帯である、ウデマエXに到達するまでの道のりを振り返ったものである。同時に、久しぶりに継続的に「時間を忘れたり寝る間を惜しむほど何かに夢中になる」経験をし、そんな何かに熱中する貴重な感覚を、アラサーで思い出すことができた話でもある。
 私が今後イカ人生を続けていくにあたる1つの大きなマイルストーンの記録であり、世界中に存在する約1,245万人のプレイヤー(※2)の中の、1人のプレイヤーのストーリーである。もし読み進めてくださる方は、「こんなプレイヤーもいるんだなあ。」ということに念頭におき、読んでほしい。私がまだS+に到達したばかりの頃、かーちゃんさんのNote「40代主婦がウデマエXになった話【スプラトゥーン2】」を拝読した。幅広いプレイヤー層に改めて感心したし、子供の頃からシューティングゲームをしていなくても、学習し工夫してプレイすれば最高ランク帯到達は可能ということを体現されたとても良い例で、X帯を目指す上で強く背中を押してくれるNoteだった。「ゲームが大好き」、「ゲームで強くなりたい」と思うことは、10代のプレイヤーやプロゲーマーの方々のみが持つ特権ではないと思う。大袈裟に聞こえるけれど、「何かを目指したり、始めたり、楽しいと思えるものを楽しむのに、性別や年齢などの社会的属性は関係ない」という一つの理想を、このNoteを通して実現する一端を担えると、本望である。

筆者のスペックと状況

・性別:女性
・年齢層:アラサー(既婚)
・ハードウェア:Switch Lite
・ゲームを最後に日常的にプレイした経験:Nintendo DSのおいでよどうぶつの森と脳トレ(約15年前)
・過去のTPS/FPSのプレイ経験:無し
その他メモ
スプラ歴=TPS/FPS歴≒1年4ヶ月≒プレイ時間約1000時間
・スプラトゥーン2からプレイ開始
・アメリカ⇆日本鯖
・大学卒業後にSwitch Liteとスプラ2を購入

どうぶつの森最新版のためのSwitch Lite

 2020年3月末、初めてNintendo Switch Liteを手にした私はアメリカにいた。新型コロナウィルスの感染拡大が懸念され、住んでいた地域で初めて緊急事態宣言が発令された時期だった。SwitchもSwitch Liteも品薄状態だったが、定価より数倍の値段で市場に出す転売屋からの購入は倫理的にも経済的にも極力避けたく、パソコンに張り付いて見つけたSwitch LiteをGameStop(※3)からオンラインで購入した。同時期に発売された「あつまれどうぶつの森」(以下あつ森)でどうしても遊びたく、今がその時!と言わんばかりの勢いで購入した。「あつ森するだけやし、Switch Liteでじゅうぶんよな。」と夫と話しながら、Switch Liteの到着を待った。届いたのは、4月上旬。スプラ2を購入することになったのは、一通り島を開発しきってしまい、開拓するところがほとんど無くなってしまった同年5月だった。

エイムって何?:Sまでの道のり

 スプラトゥーンシリーズに関しては、私がゲームに興味をもつきっかけとなった従姉妹からよく話を聞いていた。GW中、スプラ2のダウンロード版がセールになっていたところ、従姉妹が昔誘ってくれてたなと思い出し、購入した。たかだかゲーム、従姉妹とほどほどに遊んで元が取れれば良いな〜と思っていた。

め ち ゃ く ち ゃ ハ マ っ た 。

 すぐにスプラ2の世界に引き込まれ、言葉通り寝る間を惜しんでプレイした。イカ語といった独自の言語が存在すること(※4)が例の一つで、ストーリーや設定も綿密に設計されている。BGMもどれも本当に素晴らしい。ブキ(※5)の種類も多く、特定の技術力が足りていない段階でも、ブキの特性を理解して選べば勝てることも多い。ギア(※6)もシャレオツなものばかりだ。ストリート系のトップスやニット帽など種類が豊富で、組み合わせて遊ぶのもとても楽しい。
 職業柄、画面遷移の正当性やボタンの配置、配色などの裏側の意思決定を妄想してみるのも楽しかった。オンボーディングも非常に丁寧で、とにかく初期のころに挫折する要素はかなり少なかったと思う。

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スプラ2の影響でストリートファッションにハマったアラサー (オーバーサイズのサンタクルーズシャツ)

 比較的長く遊んできた経験があったあつ森とは大きく違って、特定の技術力、反射的反応力と判断力が必要だった。始めたころは、敵に弾が当たらないし、ジャイロ操作に慣れず視界も上下左右にグラグラ揺れるし、そもそもコントローラーの仕様も分かっていないので、「R押し込みってどこ押すねんどう見てもスティックやん、、、」からのスタートだったが、気づけば始めて1ヶ月ほどでウデマエSに到達した。ウデマエとは、ゲーム内において、自分の実力の階級を示す表記である。C-から始まり、試合に勝ち続けるとC→C+→B-→B→B+→A-→A→A+→S→S+(S+0→S+1→S+2→...→S+9)→Xの順で昇格する。プレイ時間に比例する経験値とは別の概念だ。ウデマエSは、プレイヤー人口の約上位20%(※7)らしい。
 攻略サイトを漁っては知らない単語に出会い、ググり、実戦する。「エイム」「キルレ」「ヘイト」「擬似確」「環境ブキ」、S帯に到達するまでに、いろいろな単語を覚えた。プレイ中の2時間が20分に思えるほどに、とにかく本当にハマった。そして、X帯到達目標も視野に入るようになった。どんなことでも、一度手をつけたものは可能な限り客観的な成果が得られるまで続けたかったのだが、スプラ2の場合、好奇心が主な動機だった。X帯にいるプレイヤーは、どんなことを考えてプレイしているんだろうか?この戦略や戦い方は、どのウデマエ帯まで通じるんだろうか?そう考えるだけで、テンションもモチベーションも上がった。

S+での長い戦い:スプラ配信と解説動画とときどき夫

 初めてS+帯に到達してからは、半年以上AからS+の行き来を繰り返した。S+2からAに降格した時は、正直参ってしばらく放置した。仕事などで多忙が重なりまとまった時間が取れない時は、夜な夜な上位勢と呼ばれるプレイヤーのスプラ配信や動画を見ては、なぜ今センプクの判断をしたのか、どのような状況でそれ以降の流れとゲームの勝敗が決まるのかなどを考えて自分の試合と照らし合わせた。また、解説動画を見てギア構成を考えたり、立ち回りを振り返ったりもした。ギアは、労力を使いすぎない程度に好きな見た目のもので整えるようにして、やる気アップに繋げた。

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クツギアのロッキンシリーズがめちゃんこお気に入り。

 さらに、Switch Liteでは試合の録画が簡単にできなかったため、私よりスプラに対する熱量が低くくウデマエもA帯辺りを彷徨っていた夫にも、頻繁にペアリグマに一緒に潜ってもらった。どんなイカタコが味方に来ても勝つための立ち回りと、ステージ/ルール別戦況パターンの学習におおいに役立てた。加えて、夫のガチマでのプレイをコーチングさせてもらうことで、反省点を自分の立ち回りにも活かした。気が向いた時だけスプラ2を起動し、なるべく自分のペースで成果を出せるよう努めた。(持ちブキを決めるまでの話は、別途短くまとめたいと思っている。)
 雨の日も風の日も猛暑日も、連敗しても、煽られても、リスキルされても、味方に放置をされても、味方にリスポーン地点で背中から打たれても、私はX帯を目指し続けた。デュアル(ナーフ前)に連続でキルされ、「ブキゲーかよ〜〜〜www」と叫んだこともあれど、スプラ2を初めて起動してから1年と4ヶ月、プレイ時間にして、約1000時間が過ぎたころだった。ガチエリアのウデマエはS+9。ウデマエメーター(※8)はほぼ満タンだがヒビが3つ、次の試合でS+9キープかX帯昇格が決まる状況だった。ついに、勝負の試合が幕を開ける。

ついにX帯到達の瞬間

 ルールはガチエリア、ステージはバッテラストリート、味方インクの色は紫、敵インクの色は緑。味方の編成は、私が持つシャープマーカーネオ(シマネ)に加え、スプラシューターベッチュー、スパッタリークリア、.96ガロンデコ。敵の編成は、ヒーローローラー、シマネ、ジェットスイーパー無印、スプラマニューバーベッチューだ。”Ready? Go!”の合図と共に、爽快感溢れるアップテンポなBGMが流れる。初動、まずはクイボで向かう先を塗り広げながら、「共闘よろしく!」の意味を込めてナイスを押す。味方も返してくれた。初動でエリアを制圧。その後数度カウントを止められるが、順調に攻め続けカウント残り約50秒を切った時、私がシマネと相打ちになり、味方がもう1枚やられた。試合が始まって初めて敵インク色にエリアが塗りかえられる。カウントはこちらが有利な状況なので、打開は落ち着いて、まずは味方の復帰を待ちつつスペシャルを溜めて状況を整理する。味方のマルチミサイル発動に合わせて、クイボでローラーの足場を横から奪い、まずは1キル。その後に、カバーにきたマニューバーも味方と協力してキル。一気に前に詰め、オールを取る。敵のカウントが数秒で止まり、こちらのカウントが動き始める。まだこちらが優勢。敵陣地の障害物付近にセンプクし、復帰してくる敵を狙う。試合時間残り1分を切った。別の方向に、ジェットスイーパー無印とローラーが見える。味方と牽制中だが、それとは別にこちら側に向かってくるイカしぶきが見えたので、両方に意識を向けつつセンプクを続ける。試合時間残り40秒を切る。イカしぶきの正体であるマニューバーが高台から橋上に向かって飛び出してきた。後ろからクイボを投げつけて、意識の先を散らせキルを取った。一瞬イカランプを見ると、味方のランプが2枚消えている。スプラシューターベッチューとガロンだ。加えて後ろから、イカダッシュ音が聞こえる。おそらく、復帰してきた敵だ。まずい。敵が後ろからきているが、人数不利のまま延長戦には持ち込みたくない。塗り状況から把握するに、味方のキルは取られたばかり。味方をキルしたであろう敵2枚はエリアに辿り着きかけていた。今優先するべきはエリア!!絶対に塗らせまい!!!!!私はボムラッシュを吐きながら、後ろの敵を牽制しつつ自陣側からエリアに向かった。試合終了を告げるホイッスルが鳴る。Finishテープの奥、紫色に塗られたエリアの中央に、イカの私が立っている。勝った。画面には、ウデマエアップ!とXの言葉が映し出された。X帯到達の瞬間だった。

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この夜はちょっと良いイタリアンソーダでお祝いした。

私のイカ人生のこれから

 最高ランク帯のXに到達後は、実力がXパワーと名付けられた数値で算出・表示される。X帯に昇格しておよそ4日。今のところ、少しだがXパワーも増加傾向にある。ギリギリではあるが、しばらくX帯をキープできそうだ。したがって、今後の大きな目標として、まずは、スプラトゥーン3が発売されるまで、全ルールX帯到達と、Xパワー2500到達を目指すことにする。今まで以上に長い道のりになるかもしれないが、これまで通り、ぼちぼち泳いでいこうと思う。
 年内には、Switch Liteからの卒業も考えている。最近プロコンを手に入れたので、モニターや新しいSwitchなど、徐々に周辺環境を整えていきたい。
 また、今後は仲間を見つけて対抗戦や大会にも積極的に参加したいと思っている。今まで夫と従姉妹しか遊ぶ相手がいなかったので、さらなる高みと発見と感動を目指して、いろいろなプレイヤーと遊びたいと思っている。ここまで読んでくださっている忍耐強いイカタコの皆さま、年齢・性別・ウデマエ帯問わず、ぜひ一緒に遊んでください。私のイカ人生は、今ようやく、幕を開けたばかりである🦑

最後に

 もっと早くスプラトゥーンに出会いたかったと思うことが、しばしばあった。同世代に熱狂的なプレイヤーがたくさんいて、ゲームが大好きだと何の躊躇も葛藤も無く言うことができて、社会的に許されていると感じることができた、もっと若い頃にのめり込んでいたら、とたらればに想いを馳せることもあった。アラサーになって、久しぶりに熱中できたものがゲームだったことも、ストリートファッションにハマったことも、X帯に到達して嬉しい気持ちになることも、今更感満載で正直ちょっと気恥ずかしい。それでも、どんな状況であれ、スプラ2に出会えて、本当にラッキーだと思う。私はスプラ2が大好きだ。大好きだから、もっといろいろなプレイヤーと戦ってみたかったし、いろいろな戦法を試したかった。友達に購入を勧める時、「キャリーするで〜」と自信を持って言いたかったし、知り合いに「趣味はスプラ2です。一応最高ランク帯です。」とドヤりたかった。Xって、なんか響きもカッコいい。だから、X帯に到達したかったし、時間と、強い関心と、体力と、労力の多くをスプラ2に費やせたのだろう。
 このNoteが、私と同じようにスプラ2が大好きなラッキーイカタコガールやボーイに届き、社会規範に囚われず純粋な気持ちでイカタコライフを楽しむことができる手助けになると良いなという思いを込めて、また、何か新しいことを目指したり、始めたりする時に、あんなイカいたなあと私を思い出してもらえると良いなという気持ちを込めて、公開ボタンを押そうと思う(えいっ)(ポチッ)。

(※1 2019年時点。ファミ通開発者インタビューより。)
(※2  2021年6月時点。販売実績より。)
(※3 世界最大ビデオゲームリテーラー。)
(※4 形態素解析してみようと思ったらすでにされている方が一定数いらっしゃった。Webページまである。)
(※5 「メインウェポン」「サブウェポン」「スペシャルウェポン」から構成される試合に用いる装備。任天堂公式より。)
(※6 試合を有利に導くために身につける装備。「アタマ」「フク」「クツ」の3種類。任天堂公式より。)
(※7 2018年時点。ファミ通開発者インタビューより。)
(※8 特定のウデマエ帯で特定回数試合に敗北すると、ウデマエメーターと呼ばれるバーにヒビが入る。多くの場合、ヒビが3つある状態で次の試合に挑むと、ウデマエがキープ/降格/昇格のいずれかに分岐する。)

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