ピアスホール
デッパちゃんの仕事着は基本ジャージ。仕事柄、アクセサリーを身につけることはない。もう少し気を配ればいいのにって、いつも思うんだけどね。
おしゃれには無頓着なデッパちゃんだけど、実は耳たぶにピアスホールがある。若い頃、色気のないデッパちゃんを見て、母親がピアスを推奨したとのこと。「親からもらったカラダに穴をあけるなんて」とか言う人がいるけど、そういうところデッパちゃんの母親は気にしない人らしい。そうかなぁと思い、若い頃に両耳に1つずつあけたんだって。
そして最近、右耳に3つ目のホールをあけた。古いホールの位置より奥側にあるから、仕事中でも髪に隠れて見えにくい。出勤前、一応のメイクが終わったら、1つだけピアスを入れて家を出る。デッパちゃんの儀式だ。
デッパちゃんがピアスホールをあけた時は、どちらも仕事が辛かった時期だった。特に3つ目のホールは、クラスの保護者から苦情を言われ、毎朝学校に行くのが本当にしんどかった時にあけたものだ。昔「ピアスホールをあけたら運命が変わる」って聞いたことがあった。若い頃はそんなこと気にもとめなかったけど、あの時のデッパちゃんは、そんなささやかなことにもすがりたいくらい辛かったんだと思う。
3つ目のピアスホールは、デッパちゃんの心の安定剤になってくれた。「大丈夫、がんばれる」っていう支えになった。ズブズブと落ちていく気持ちを、優しく引き留めてくれた。
女子はおしゃれで気持ちが上がる。女子というにはちょっと歳をくったデッパちゃんだけど、毎朝のピアスは気持ちよく仕事に向かうためのおまじないのようなものだと思う。働く女子はみんな、自分流のおまじないをもっているんだろうな。
そんなぼくも、単なる通勤の足ではなく、デッパちゃんのおまじないの1つになれたらいいな。今日も快適な走行をがんばりますよ。
グレコ
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