【第2心】天狗の鼻折れ【一生片想い】
進級直後のユウの策略は失敗に終わった。
新環境でもサムは、猿っぷりをどんどん発揮し始めた。
ところが、1~2年生時にユウが経験したそれとは違い、サムは子分を増やして順位付けをする、などという事はしなかった。
サムは、自分自身がゴキゲンに過ごせさえすればそれでいいようで、集団での陰湿ないじめが日常化するのではないかという、ユウの懸念は当たらないまま時が過ぎた。
【算数、85点】
恐れていた最悪の事態は回避できたようで、ユウの意識は少しずつ学業に集中するようになっていった。