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チアリーダー・ダンサーにやってほしい基礎筋力トレーニング1[バード&ドッグ]

スポーツパフォーマンスの根幹にあるのは、体の軸(体幹)の強さです。

強さと言ってもさまざまな種類があり、私が重要視しているのは
①体がそらされないように守る

②体が丸くならないように耐える

③体が捻れないように止める
といった外からの力で体の軸がぶれないようにする強さです。

その中で「キャット&ドッグ」や「バード&ドッグ」は②丸くならないようにするための強さを鍛える大切なストレッチであり、トレーニングです。

また、③の捻れないようにするためのトレーニングをする場合にも「バード&ドッグ」が活きてきます。
私の中で全ての基礎をつくるエクササイズがこの二つですので、それを紹介いたします。


「キャット&ドッグ」について

キャット&ドッグというエクササイズはストレッチとしてかなり優秀だと思っていて、よく患者さんのリハビリでも取り込んでいます。
さまざまなシチュエーションで発生する身体の硬さについて、キャット&ドッグからの応用で対応することができます。
不調が少ない選手でもこのエクササイズをやっておいて貰えると、実際にアプローチして行く際に話が早くて助かります。

キャット&ドッグは四つ這いの姿勢をつくり、背骨の曲げ伸ばしを行うストレッチです。
肩甲骨や腕の力などを意識して行うだけで全くもって効果が変わります。
細かくは動画を参照でしてみください。

キャットの時におへそを覗き込んで腕の力も多少使って肩甲骨の高さの背骨を天井に向けてぐ〜〜っと強く押し出すこと
ドッグの時に、腰〜背中でカーブを作り目線を正面に向け、みぞおちを床に向けて軽く落としていくイメージをすることがポイントです。

スポーツパフォーマンスは、体幹と肩関節、体幹と股関節の繋がりが非常に大切です。
投げる競技であれば肩の力は、胸椎や肩甲骨の姿勢に大きく影響されます。
飛ぶ・蹴る競技においてもパフォーマンスは、腰椎と股関節の姿勢に大きく影響されます。
キャット&ドッグでは、四つ這いでの姿勢で行うため腕の力も使って刺激が入ります。
そういった背骨と肩や股関節を一緒に考えていく際に大切なストレッチになっています。

チアで活用するための注意点

女子チアリーダーではキャット&ドッグをする際に「身体が柔らかすぎる」選手を見かけます
・肩甲骨が浮かび上がって背骨・肋骨から離れてしまう
・腰椎から胸椎にかけて激しく折れ曲がるくらいのカーブを作ってしまう
といった人です。
大〜〜きく動かすことが目的なら問題ありませんが、柔らかすぎる事でチア技で怪我に繋がっている選手を見かけます。
綺麗なカーブを作って欲しいという事です。
綺麗なカーブとは、どこかが極端に曲がり過ぎている事なくバランスよくカーブしている事です。

特にベースの選手が柔らかすぎる場合には注意が必要です。
理由としてはショルダースタンドにトップを乗せる時がわかりやすいです。
トップを肩に乗せる際に腰が反りすぎて、腕の力ではなく身体を前に倒す力だけでトップを持ち上げている人をたまに見かけます。
これでは腰は動きすぎてギックリ腰のような怪我をします。
また、肩甲骨が背骨から離れて不安定な中で腕に体重を受け止めるせいで肩を痛めやすくなってしまいます。
トップの引く力に負けずに肩甲骨から腕で踏ん張り、膝のクッションを使って相手を乗せるのです。

キャット&ドッグの応用

『応用のストレッチ』
応用はキャット&ドッグで背骨の綺麗なカーブを作ることができるようになってからです。
それまでの間は肩や股関節を一緒にストレッチ(時短)するより、一般的な開脚ストレッチなどで1個ずつ足し合わせてストレッチする方が有意義です。

今回紹介するやり方は「ヒップロッキング」というものになります。
ドッグ姿勢を作り下記のことに注意しながら行います。
ギリギリまでカーブが保たれたまま行うこと。
手や膝の位置は変えずに行う。

このエクササイズの目的としては
しゃがみ時など姿勢が乱れやすい時でも良いフォームを維持できるようにすることです。
股関節を曲げ伸ばししても背骨のカーブを保つ能力を身につけることができます。
人はしゃがむと腰が丸くなってしまうものです。
このカーブを作ったままできる限りお尻を後ろに引くと腰骨の周りに力が入る感覚がわかると思います、その感覚は様々な運動の質を上げるために大切な感覚です。


スポーツでは深くしゃがみこむ姿勢は多々あります。
チアではスタンツの時にベースが安定して乗れる土台を作るのに大切です。
→床からトップの選手の足の裏を持って挙げる時などは特に。

しゃがみこんだ姿勢で大きな力を発揮しないと行けない場面で腰椎のカーブを保ったままにするためには、キャット&ドッグで柔軟性を高め、ヒップロッキングで維持する感覚を身につけて、バード&ドッグのようなトレーニングで負荷に耐え切る力強さを養う必要があります。

『モーターコントロール』と言われている機能ですが、非常に重要な考え方になってきます。

「バード&ドッグ」について

このトレーニングはリハビリにもよく使われてヨガでも使うので馴染み深いものかと思います。
多裂筋という腰のインナーマッスルを鍛える目的でよく行われます。
外からの力に負けて体が丸くならないように鍛えるための種目になります。
多裂筋という筋肉を使えるようにすることで、体の軸をつくることができるわけです。
簡単に言えば、キャット&ドッグの姿勢から手足をまっすぐ伸ばしてバランスを保つトレーニングです。
サムネイル画像のエクササイズですね。

バード&ドッグのメリット

キャット&ドッグに続きこのエクササイズをやるメリットとしては、背骨のカーブを作った状態で力を使う練習になることです。

ポイントを意識して行えば、良い姿勢を保つための腹筋や背筋を使えるようにトレーニングできるんです。
他のエクササイズではここまで背骨全体のカーブを強調することは難しいでしょう。
背筋のトレーニングだけでなく、お腹のインナーマッスルの刺激も強く十分に鍛えることができるのでお気に入りのエクササイズです。

バード&ドッグで意識して欲しいポイント

参考にさせていただいてる動画を載せておりますのでぜひ確認して細かいところにこだわって実施してみてください。

キャット&ドッグで作った背中のカーブを保ち、顔を上げて正面をみること、気持ち少しだけ鳩尾を床に向けるイメージが大切です。
こうすると、
そして正しい順序でこのエクササイズを行うと、終わった後にお腹・腰と体の中心に芯が通ったような感覚が入ります。
その後にスポーツに取り組むとパフォーマンスが上がると個人的に思っております。

ぜひ騙されたと思って、バード&ドッグを極めて「体に芯が通る感覚」を追い求めてください。

手足を持ち上げて、形をキープした状態から深呼吸を4~8回行うのがオススメです。
ぜひ体験してみてください。
このエクササイズの最終ゴールは10秒×10回を左右それぞれできるようにすることです。
インターバルは3秒〜10秒以内に来てなるべく最短で終われるよう意識して取り組んでみてください。




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