ゆり

遅々として進まないページをめくる手と、どんどん積みあがっていく積読…。 京都か大阪にいる英語のガイドさん。

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最近の記事

海辺のお供#1 自分の正直な思いを大切にしたくなる小説『水曜日の手紙』(森沢明夫)

こんにちは。各地で紅葉が進み、いよいよ晩秋も近づいてきました。12月を間近に控え、本当に今年はこれで良かったのだろうかという思いがむくむくと頭をもたげて来ながらも、きっと毎年のごとく師走のせわしなさに翻弄されることでしょう。 さて、今日は自分の正直な思いを大切にしたくなる小説をご紹介します。森沢明夫の『水曜日の手紙』です。 水曜日の出来事を手紙にしたため投函すると、「水曜日郵便局」が見知らぬ誰かの手紙を届けてくれる、というコンセプトを元にしたお話です。一回きりの交換日記、

    • 京都のお供#3 山を歩きたくなる小説『冬虫夏草』(梨木香歩)

      こんにちは。今朝は意気揚々とお出かけするはずが寝過ごしてしまい慌てて布団をはねのけました。明日は雨の予報なので、何としても今日は出かけるぞという意志を持って寝たのになぜでしょう。 さて、今日は山を歩きたくなる小説をご紹介します。梨木香歩の『冬虫夏草』です。以前インスタでこのような投稿をしました。 いつも風景から思いついた小説をインスタに投稿しています。このとき、何を考えたのかというと、この小説に出てくる京都にある毘沙門堂でのムジナとの遭遇です。 ――そういえば、人の列に

      • 京都のお供#2 伝説を信じたくなる小説『家守綺譚』(梨木香歩)

        こんにちは。昨晩全然寝付けずようよう白くなりゆく山際を眺めていました。といっても、我が家は平地にあり、山は見えないので言葉の綾なのですが。 さて、今日は不思議な伝説も本当のことかもしれないと思える小説をご紹介します。梨木香歩の『家守綺譚』です。以前こんなインスタの投稿をしました。 いつも風景から思いついた小説をインスタに投稿しています。このときに訪れたのは京都にある東福寺の塔頭(たっちゅう)、芬陀院(ふんだいん)です。芬陀院のお庭には、夜な夜な動き回っていた亀が固まって石

        • 京都のお供#1 秋を感じたくなる小説『錦繍』(宮本輝)

          こんにちは。日に日に寒くなってくるのに耐えられず、ついにこたつを出しました。寒くて寒くてたまらないと思いながら駅への道を行き来するのですが、ふと見上げると葉の色が変わっていて、ああ、秋なんだなあとしみじみ思います。 今回は秋の小説たるにふさわしい題名を持つ、宮本輝の『錦繍』をご紹介します。 11月8日に京都、神護寺へ行ってきました。そのときのインスタがこちらです。 いつも風景から思いついた小説をインスタに投稿しています。このとき、何を考えたのかというと、この小説の出だし

        • 海辺のお供#1 自分の正直な思いを大切にしたくなる小説『水曜日の手紙』(森沢明夫)

        • 京都のお供#3 山を歩きたくなる小説『冬虫夏草』(梨木香歩)

        • 京都のお供#2 伝説を信じたくなる小説『家守綺譚』(梨木香歩)

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