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昔から諦めるのが苦手な僕だから、この場所で人差し指を立てて、「風」を集めようと思ったんだ。

僕は、小さい頃から「諦める」のが苦手だ。

幼少期、ゲーム禁止だった我が家では、なけなしのお小遣いを貯めては親に内緒でゲームを買った。

その台数は5機を超える。

その度に、当然バレて没収された。

それでもゲームがしたくて、紙と鉛筆でオリジナルゲームを作っては、弟たち相手にプレイさせていた。

当時好きになった女の子は、それこそ5年以上好きだったし、フラれた後もなんだかんだズルズル引きずったものだ。

小学校教師になっても、諦めの悪さから「もっとこんなことできるはず!」と、先輩から教わってないこともたくさんやった。

失敗もたくさんしたけど、「蓑手はおもしろいやつだ」と認めてくれる素敵な初任校が、僕に教育の楽しさを教えてくれた。

そして2校目、まさかの特別支援学校。

壁にぶつかって、それでもやっぱり諦めたくなくて、たくさん頭を下げて、お金と時間をかけて、たくさん学んだ。

その中で見えてきた、この社会の生きづらさ。

「しょうがない」で片付けられちゃうマイノリティ。

諦められたら楽なのかもしれないけど、知ってしまったらもう元には戻れなかった。

通常級にインクルーシブを。すべての子を特別扱いする。

3校目はICT先端校。

得意じゃないし前例もほとんど無かったけど、ICTをどんどん使った。

そんな挑戦から生まれた一つが、自由進度学習だ。

そして、コロナによる一斉休校。

やっぱり諦められなくて、迷わずオンラインで学校と家庭を繋いだ3ヶ月。

学校が再開した後も、卒業の思い出だって諦めたくなかったから、映画制作や校内お化け屋敷だってやったんだ。

挑戦させてくれる人が周りにいたお陰で、僕の「諦めの悪さ」という特性は、自分の人生をとても幸せにしてくれた。

そして2021年、「理想の学び場を、この目で見たい」という想いを諦めきれず、公務員を辞めて学校を創ることにした。

全部、自分の諦めの悪さの地続き、延長線上。

ここまで来られたのは、自分の力じゃなくて、周りの力なのは重々承知。

でも、だからこそ、おもしろい。これからも、きっと。


In the Soupというバンドの「風の子」という曲がある。

曲も声ももちろんいいけど、歌詞が大好きな曲。

「はな垂れ小僧は 誰にも負けない風の子
 草むらかき分け 道を作って遊ぶ
 太陽も水も土も そして風を味方につけて
 どこまでも どこまでも 汗をかいていた
 今 僕は渋谷の交差点に立って 風の行方を探している
 僕は ここで まぶたを閉じて 君を待つ 人差し指立てて
 風よ 風よ 集まれ この指止まれ 僕を飛ばせよ」

ヒロックという新しい学校を作るきっかけは、とある勉強会で「自由な学び」について半年間、一緒に探究した今の仲間との出会い。

そのチーム名が「ゆびとまYO」だった。

ゆびとま➤このゆびとまれ。実はこの曲から僕が名付けた。

大した力ももたない自分だけれど、誇れるものがあるとするなら、諦めの悪さと風を読む力、そして人差し指を立てられること。

そうすると、周りのみんなが助けくれる。

おもしろいところに連れて行ってくれる。

「ダメでもいい」「劣っていてもいい」そんなことを子どもたちにも知って欲しくて、僕はここで人差し指を立てることにした。

2022年、世田谷にHILLOCK初等部を開校。

そして、クラウドファンディングに挑戦します。

色々な人たちと風になって、どこまでも飛んでいく。


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ミノテショーゴ(ヒロック校長)
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