100%離床への道
介護職に就いて五年、三夜漬けで見事ケアマネに合格した俺は介護保険病棟で介護業務プラスなんちゃってケアマネに就任した。
ケアマネとしてスキルも経験もない俺が立てるプランはお粗末なものだった。
そんなお粗末なプランを立てているうちに一つの疑問が浮かんだ。
それはほとんどの方に共通する課題は「臥床(寝ている)時間が長い」だった。
確かにほとんどの方が重度な状態ではあったが、「起きなきゃ元気になれる訳ないじゃん」という根拠というよりも感性を頼りに俺の中で大きな目標が出来上がった。
それは
「毎日全員の方が起きる」
そして自分なりのプランを立て、車椅子で起きる方をどんどん増やしていった。
離床の取り組みに共感してくれるスタッフが一人二人と増えてはいったが、起こす方が増えるにつれマンパワーの限界も感じるようになり、「車椅子乗車はあいつのエゴなんじゃないか」という空気すら感じるようになった。
つづく…
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