おすすめ画家!エドワード・ジョン・ポインターの絵は甘い匂いが漂ってきそう?
はじめに
今回ご紹介するのは、イギリスの画家エドワード・ジョン・ポインターです。
エドワード・ジョン・ポインターの作品群
こちらの作品をご覧いただきましょう。1891年作「世界の若かりし頃」です。
https://publicdomainq.net/edward-poynter-0032921/ から画像を引用。
一番前は金魚の泳ぐプール、中間地帯に女性たちがくつろぎ、奥には空や山が広がる三層構造になっています。円柱や床のタイル、ゆったりとした薄い衣、蛇の噴水やつぼなどが古風で趣深いですね。手前にいる二人の女性は、「アストラガリ」という動物の骨でできたお手玉のようなものを使って遊んでいるところのようです。(えきKYOTO「西洋近代美術にみる 神話の世界」展 作品解説参照 )
乳白色と紫の衣が素敵な調和を生み出しています。人物のポーズも柔らかいうえに存在感がありますね。装飾品や小物の描き込みも細かく、見ごたえがあります。
https://artuk.org/discover/artworks/the-vision-of-endymion-188975 から画像、作品説明を訳して引用
タイトルは「The Vision of Endymion」。日本語に訳すと「エンディミオンの見た幻影」というような意味になります。日本では定まった正確な題名が無いようなのですが、「エンディミオンの夢」や「夢の中のエンデュミオーン」としているところもあるようです。
エンディミオンとは、ギリシア神話に出てくる、美貌を持つ羊飼いの男性。画面左下で寝そべっている人物です。服装が羊飼いらしいですね。
彼のもとに、光とともに現れる女性は、ギリシャ神話の月の女神セレーネー。(ローマ神話ではディアナ・ルーナと同一視されているようです)エンディミオンとセレーネーは相思相愛です。
エンディミオンは夢の中でいつもセレーネーと会えるように、永遠の眠りにつくことを願います。この絵のケシの花がそれを象徴しているそうです。うずまいている、ひだのある薄い織物をまとって降りてくるセレーネーは夢のようというよりも、官能的です。
この絵は1860年代のラファエル前派界隈と近しかった作者の後期の作品です。愛の通い合いが垣間見える、甘美な作品でした。
おわりに
いかがでしたか?この画家は、えきKYOTO「西洋近代美術にみる 神話の世界」展で初めて知りました。グッズが展開されていなかったのが残念ですが、「世界の若かりし頃」の原画はじっくりと楽しめました。それでは、今回もみなさんに瞳の至福が訪れますように!