鬼滅の刃、人気の理由はなぜ?4要素に分析!
はじめに
少年マンガ「鬼滅の刃」の人気が著しいですね。ある本屋さんではコミックランキングのトップ10で、ワンピースをおさえてすべて鬼滅の刃の各巻で埋め尽くされるなどすさまじい盛り上がりです。
なぜそれほど人気になったのか?調べてみると、映像制作会社ユーフォーテーブル有限会社(ufotable)が手掛けたアニメのクオリティが高かったこと、アニメを早期にアマゾンプライムビデオなどビデオ・オン・デマンドサービスで配信したこと、主題歌『紅蓮華』を歌うLiSAの存在、芸能人の椿鬼奴さんがテレビ番組で鬼滅の刃に言及したことなどが挙げられています。
ではそもそもアニメ化に至るほど、芸能人に熱いファンができるほどになった、作品自体の魅力はどういったものなのでしょうか?
気になったので実際に読んで考察してみました。できるだけ重要なネタバレは避けますが、マンガの概要などは出てくるので、まっさらな状態から楽しみたい未読の方はお気を付けください。
1 かっこいい必殺技が真似したくなる
この漫画は、鬼殺隊という組織が人を食べる鬼と戦うバトル漫画です。主人公も家族を鬼に殺された仇をとるため、そして鬼になった妹を人間に戻すため鬼殺隊に入って修行を積みます。
その中で出てくるのが、水、炎、雷、岩、風、などの基本の呼吸の流派と、それぞれの流派で数の決まった型。「水の呼吸 壱ノ型 水面斬り」などの必殺技名で攻撃を繰り出します。
これがバラエティに富み、エフェクトもかっこよくてわくわくする技なのです。
ツイッターで「呼吸 型」で検索すると、登場する技を題材にした絵やコスプレが出てくるのはもちろん、アレンジした呼吸や型を作っている人も多くみられます。ペットのしぐさのムービーで撮って、それに「猫の呼吸 捌の型 ~」なんて名づけているユーモラスな投稿もありました。
この部分は人気になるうえで大きかったのではないでしょうか?
2 精鋭異能集団 「柱」のキャラが魅力的
さらに物語が進んで出てくるのが鬼殺隊の中の幹部である「柱」。基本の呼吸から派生した呼吸の使い手も含めて、水柱、風柱、炎柱、蟲柱、蛇柱、恋柱、霞柱、音柱、岩柱の9人です。この柱がそれぞれ個性が強く、9人もいるのでそれぞれの柱たちの関係性、掛け合いも魅力的。自分の好みのカップリングやコンビ、トリオを見つけることができます。いわゆる「推し」が見つかるラインナップになっており、二次創作も盛んです。
NARUTOの敵の組織「暁」も人気があったように、少数精鋭の特徴的な技や性格のキャラ集団はグッとくるものがありますね。
3 敵キャラの過去の掘り下げが丁寧で情に訴えかけてくる
この漫画では、主人公の炭治郎がとても優しく、敵であってもその鬼が「どういった人生を歩んで鬼になってしまったか」まで汲み取って倒します。その中で、鬼が貧困や病気、悲惨な事件から悪い方向へ進んでしまった過程も描かれるのですが、ここがなかなか泣かせに来る構成になっています。
完全な悪ではなく、味方の同期や柱と同じように事情を背負った存在なのだということが丁寧に説明されています。
物語に深みが出ている部分だと感じました。
4 サクサクと進む、展開のスピード感が心地よい
私はアニメから見始めて追っていた漫画があるのですが、途中で離脱してしまったものがあります。理由は、その展開の遅さにありました。
10年以上現実で経っていても作中の時間があまり経っていない設定なのです。決定的だったのは敵幹部と直接対決する回やヒロインとの関係性が変わる重要な回の少なさ。ほとんどは本筋のストーリーとは関係ない小話で占められていて話が進まないのです。
鬼滅の刃はそんなストレスとは無縁。修行シーンも2年の歳月をナレーションでうまく縮めながら強くなっていきますし、ある程度の段階になると雑魚鬼との戦いの様子も省略されます。驚いたのは、ラスボスである鬼舞辻無残にかなり初期の段階で対面するシーンさえあるということです。
また、衝撃的だったのは、敵の幹部組織である十二鬼月のうち、ナンバー12、10、9、8を鬼舞辻無残自らが怒って粛清、殺してしまった回です。
もともと十二鬼月という数が決まった敵キャラである時点で、後出しで何人も新キャラを出していかない姿勢がいいなと思っていました。12の敵を倒していく描写があると思いきや3分の1も戦わないままになるなんてビックリしましたね。
話が遅い!というストレスはなく楽しめるのでおすすめです。
おわりに
いかがでしたか?このブログは基本的に美術を紹介するブログですが、マンガも美術の一つとして考えているのと、普段美術を見ていない人でもこの記事を入り口にほかの投稿を見て行っていただけると嬉しいなと思って執筆しました。
流行のものがなぜ流行っているのか自分なりに考えてみるのは頭の体操になって面白かったです。
それでは、今回もお読みいただきありがとうございました!
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