私が行っている靴デザインの考え方
先週、CLINCHのデザインを盗用したものがあると
お客様からご連絡がありました。
それを受けて、
自身の考えを個人Instagram投稿にて述べさせていただきました。
では、自分としてはデザインをどのように捉えているのか。
を考えてみます。
自分の頭の整理になりそうです。
その為にまずは靴自体をどう捉えているかを
分解します。
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① 道具(機能性)× ファッション(見た目)
まず身に着けるものは2つの側面があります
・道具としての側面・機能性
・ファッションとしての側面
道具としての側面に付随するものとして、
・素材&作り
・フォルム
があります。
靴においては
気持ち良く履くための機能性⇒ホールド感が必要で
そのホールド感はそのままフォルムに繋がります。
フォルムはスタイルやデザイン・イメージに繋がり、
結果としてそれはファッションになる。
【 機能性⇒ホールド感 ⇒ フォルム ⇒ ファッション 】
と繋がることがしっくりきます。
道具を追及すると、そのままファッションになるのが靴であると考えます。
一方、洋服やバッグおいては
機能性を追求する際は、素材&作り
ファッション性を追求して、フォルム
となりそう。
もちろん、その方面に精通していない私の仮説なので
全然、的外れな場合もあるかもですが、
【 機能性 ⇒ 素材&作り 】
【 ファッション性 ⇒ フォルム 】
の2軸を上手く混ぜ合わせるという事になりそうです。
これはおそらく
デザインにおいてハンドルを持っているのは
Boots & ShoesはFactory
Wear&BagはDesigner
になるのではないでしょうか。
洋服やバッグのデザイナーの方が自由度が高く
考えることは多そうです。
② Craft? Art?
ほとんどのファッションアイテムが2Dであるのに対し、
靴は3Dである。
↓
ほとんどのファッションアイテムが縫製をしたら
完結するものであるのに対し、
靴はアッパー縫製が終わった段階で30%までの完成であり、
その後、つり込み工程⇒底付け工程を経て、3D(立体)となります。
この次元を跨ぐ工程はつり込み作業であり、
ウチの場合は特に木型(フォルム)に抑揚があり、
手仕事が多い工程です。
・左右が必要。
・素材(Leather)は一定ではない。
・手仕事の工程がある。
元より、【 均一化した製品 】になりづらい条件が並んでいます。
各工程でどうしても出てしまう歪みやズレを修正しながら、
出来る限り 均一化した製品を作るようにするのです。
【 自然物の良さ 】⇒経年変化や素材の良さ も欲しいし、
その真逆である 【 均一性 】も欲しい
その二律背反が
何かしらの匂い、エッセンスのように感じられるものを
残すのではないかと思っています。
それによって、靴はProductでありますが、
人によってはCraft (工芸)でもあり、Art (生活の中の美)と感じることも
ありそう。
③ 経年変化
女性のパンプスやミュールなどの靴に比べ、
男女問わず革靴・ブーツに分類されるものは
道具としての要素が強くある必要があります。
パンプスやミュールは店頭に飾られているときが100点満点の状態です。
それをどれだけ維持しながら、履いていくかが課題となります。
その為に新品時に、ラバーを貼ったり、中敷きでサイズの調整をします。
その観点で
革靴やブーツなどに分類される靴を見ると、
履くことで現れる
シワやキズ・色の濃淡などの変化を
経年変化として肯定的に捉えることが出来ます。
新品時よりも履き込むことで
さらに点数が上がっていくものだということになります。
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では、デザインをどう決めているか
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