出産を経て着付師への道の中断と再挑戦
教室スタート直後の妊娠発覚
教室に通う前はまだ子供もいなかったので、
夫婦2人で自由気ままな生活をしていました。
そろそろ子供がほしいなと思いつつ
まだ先のことだしとあまり深く考えずに
着付けをはじめてしまったのです。
そして教室に通い始めて2ヶ月ほどすると
妊娠が発覚しました。
体調に大きな変化はなく
元気に過ごしていたので、
先生と一緒に習っていた仲間には
妊娠を告げずに着付けを
習い続けることにしました。
しかし次のクラス、基礎科から専攻科へ
進むかどうかを決める時期がやってきたのです。
このまま次へ進みたい気持ちもありましたが
出産を控えているので、現実的に難しいです。
このとき初めて先生に妊娠していることを伝え
次のクラスには進めないという返事をしました。
基礎科を途中でやめなかった理由
途中でやめなかった理由は2つあります。
1つ目の理由は、ここで中断してしまったら、
このまま着付けをやめてしまうかもという気持ちがあったからです。
少しづつですが自分で着物が着れるようになってきたし
教室に通うのも楽しみでした。
楽しくなってきたのだから、
せめて自分で着物が着れるようになるところ
までは続けようと思い
基礎科の最後まで続けることにしたのです。
2つ目の理由は、
2年以内に復学すれば続きから学べるということです。
基礎科が最後まで終わっていて、
2年以内に復学すれば
次のクラスの専攻科から
続けていくことができます。
これなら時間もお金も無駄にならないし、
復学しやすいと思いました。
妊娠初期は安静にしていたほうがいいのかも
と不安もありました。
しかし、つわりもなく体調も安定していたので
基礎科を最後まで続けることにしました。
基礎科で勉強した内容
基礎科では補正の作り方や半衿付けの
着物を着る前の裁縫から勉強しました。
「着物を着るって、
こんなことまで自分でやるのか。」
と何も知らなかった自分が
恥ずかしい気持ちでした。
未経験からでも前期2ヶ月で
なんとか普段着は着れるようになります。
前期で普段着とお太鼓、浴衣や半幅帯など、
基礎を一通り学びます。
後期3ヶ月で略礼装まで
自分で着れるようになります。
略礼装は名古屋帯とは違い、
袋帯で二重太鼓を学びます。
略礼装まで着れることで、
結婚式に参列するときも
自分で着物を着れるようになりました。
基礎科後半に実技試験もあり、
合格すると基礎科が終了となります。
基礎科が終了しただけでは
着付けの技術はまだまだです。
でもその時の私は、
自分で着物が着れることに
満足していたと思います。
中断していても、常に着物を身近に感じていた
妊娠・出産のため
一時中断せざるを得なかった時、
先生には「絶対に戻ってきます」と
強い意志を伝えていました。
その時は、出産後に落ち着いたら
また着付けを再開すればいい。
2年以内に戻れば続きから始められる
時間は十分にあるだろうと考えていました。
産後はお参りや写真撮影などで
着物を着る機会が増えました。
自分で着物を着られることから、
子どものお祝いごとは
着物で参加すると決めていました。
しかし、久しぶりに自分で着物を着てみると、
着付けには時間がかかるし
習ったことを忘れてしまい
思うように着付けができず
がっかりしたことを覚えています。
せっかく習った技術が
身についていないと感じ、
悔しい思いをしたことが
今でも印象に残っています。
着物を着る機会があったことで
着付師の再挑戦を忘れることが
できませんでした。
子どもの授乳が落ち着いた頃、
主人に子守をお願いし
着付師の道へ再挑戦することになります。
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