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「チーム・サイバーエージェント」の意識を忘れない。

先日、Amazonの企業文化について書いたnoteに、思わぬ反響を頂けて、嬉しい限り。「生きた企業文化」を大切にしていたのは、Amazonの前、12年間働いていた、サイバーエージェントも同様でした。

前回のnoteを見て、サイバーのことも書いてみて!って、昔の仲間からエールをいただいたので、今回、20年前のことを思い出しながら、noteしたいと思います。

サイバーエージェントに入社する前

学生時代の私、仕事でやりたいことが見つからなくて新卒で入った会社は、父の息吹が入ったITベンチャーでした。

大学3年生で交換留学に行っていて、4年生で帰国したら就職活動のタイミングを逃してしまい、英語が使えて、これから伸びていきそうな業界、ということで、ITベンチャーに入社。

当時の経営陣は、みんな父を知っていたので、「真田(旧姓)の娘さんだよね」って良い意味でも悪い意味でも注目され、どうしても、自分で切り拓いた道じゃない、ってことが頭のどこかで引っかかってました。

新卒で入社して3年目、海外パッケージ製品を取り扱うSE営業のポジションで仕事をしていた時、私、自分で営業した方が良いんじゃないかな!?って思い立ち、リクルートエージェントに相談。

1社目に紹介された会社が、たまたまサイバーエージェントで、何名かの社員に面接していただく中で、すっかりサイバーエージェントの雰囲気が好きになり、私の居場所はここかも!って直感で転職を決めました。

人生の転換期はサイバーエージェント

振り返ると、サイバーエージェントに入社する前の私、あまり自分で道を選ぶことがなかったのかもしれない。

中学高校は女子校で、親が選んだ学校だったし、大学も受験したくないって理由で、推薦でいける学部に逃げてたし。

自分で選んだ会社であること、その会社に自分を選んでもらえたこと、それがとっても嬉しくて、とにかくガムシャラに働こう!と決意。

サイバーエージェントに転職したのは、26歳の時。インターネット広告営業(4年)→広報IR室のIR担当(3年)→産休育休→Facebookの広告コンサル(2年)の仕事をしました。

上司、仲間、お客様、投資家との出会いやコミュニケーションの中での学びがたくさんあって、ビジネスマンとしての自分を確立した時代だったなぁ、と思います。

多分、私の人生の転換期は、サイバーエージェント。

営業として、お客様に育てられた20代

26歳、営業未経験の私なのに、入社したタイミングでたまたま空いたポジションが、大型クライアントの担当営業。

インターネット広告業界で有名だったSさんという担当者がいて、とにかく会社愛が強くて、でも、強烈な個性の方でした。

私が入社して数日でアサインされたことを知ると、困った顔をして、「じゃあ、メルマガ書いてみてよ」と。

インターネット広告の知識が全くなかったので、メルマガなら書けるでしょ、ってことだと思うのですが、これが、ものすごくフィットしたんです。

メルマガで広告配信する時、URLに広告測定のためのタグをつけておくので、そのメールを配信することによって、何件の会員登録が出たのか?広告の費用対効果は?などの詳細が確認できるのですが、このPDCAを回す仕事がすごく性に合ってた。

例えば、30代の子育てママに向けた配信だったら、
「派遣サイトは、XXX(サイト名)。派遣のお仕事情報満載!」
とブランドを訴求するよりも、
「30代の子育てママさん必見!時短でできる、1900円以上のお仕事情報」
のように、ターゲットを具体的にして、相手の求めていることを端的にコピーに入れ込むだけで、広告効果は、何倍にも膨れ上がるんです。

当たり前のことだよね?って感じるかもしれないけど、当時、メルマガの文章を作るところに時間をかける営業はいなかったので、そこに私の独自の営業スタイルを確立することができました。広告効果を上げることで、クライアントのビジネス拡大に貢献し、自然と広告受注を伸ばしていくスタイル。

毎日、仲間と朝から夜中まで(気づくと、朝4時だったことも、、、)必死で働いて、即レスを求めるSさんと、メールのラリーを続けて、気づいたら、広告事業本部のNo.1クライアントに成長。

グループ会社を含め、何百人といる中途社員の中から、中途新人賞を受賞できたことは、その後の私の大きな自信に繋がりました。そして、私の受賞を一番喜んでくれたのは、お客様のSさん。

そんなSさんに、宣伝会議の「コピーライター養成講座」に通うことをオススメされて、15万円もの講座費用を自腹で出して、通った時期がありました。

今、noteを始めて、あれ?私、文章で言語化するの、好きなのかも?どこで好きになったんだろう?って考えると、きっと、当時、コピーライター養成講座で学んだことや、Sさんとのメールのやり取りが影響しているような気がしていて、、、

人生って、どこで何が影響してくるか分からない。自己投資も、努力も循環するんだなぁ、って思います。

「オールウェイズ・ポジティブ、ネバー・ギブアップ」

営業の仕事をしている時、いつも頭にあったのは
「maxims」と呼ばれるサイバーエージェントの行動規範。

今は変わっていると思うけど、私が在籍していた頃は、「maxims」が書かれた小さな手のひらサイズの冊子が作られていて、社員証と一緒に、常に自分の首元にぶら下げてました。

「オールウェイズ・ポジティブ、ネバー・ギブアップ」
「行動者のほうが、カッコイイ」
「新しい産業を、自らの手で創るという誇り」
「一流の人材がつくる、一流の会社」
「挑戦した結果の敗者には、セカンドチャンスを」
「最強のブランドをめざす」
「常にチャレンジ。常に成長」
「若い力とインターネットで日本を元気に」

サイバーエージェントの行動規範「maxims」

ちょっと恥ずかしいぐらいに熱い言葉が並んでるけど、みんな本気でこの価値観で動いてました。中でも、私が営業として常に意識してたのは「オールウェイズ・ポジティブ、ネバー・ギブアップ」。

毎月の営業目標、最終日まで決して諦めないマインド、行動すれば、きっと何かが起こる!と信じるポジティブ思考は45歳になった今でも変わってないかも。

「行動者のほうが、カッコイイ」「常にチャレンジ。常に成長」など、卒業してからもずっと、自分の大事にしている価値観として残っているなぁ、と思います。

IR担当として、「信頼残高」を意識した30代

ガムシャラに働いた、20代の営業経験を経て、30代は何か違うことに挑戦したいなぁ、と思っていたところに、IR担当のポジションが空いて、藤田社長に「やってみる?」って声をかけていただいたことで、サイバーエージェントでの新しいキャリアが決まりました。

経歴の話をすると、IRって何?って聞かれることも多いけど、Googleに質問すると、下記の回答でした。分かりやすい説明。AIってすごい。。。

IR(Investor Relations)とは、企業が株主や投資家に対して、財務状況や経営方針など投資の判断に必要な情報を提供する活動です。

IR活動の目的は、株主や投資家、顧客などと意見交換することで、信頼関係を構築し、資本市場での正当な評価を得ることです。また、外部からの厳しい評価を受けることで経営の質を高めることもできます。

IR活動の具体例としては、次のようなものがあります。
ホームページ上での情報開示
ディスクロージャー資料の送付
決算説明会や各種説明会の開催
工場や施設等の見学会
プレスリリース
IR広告
株主(機関投資家)との面談

Google AIによる概要

異動して数年間のIRは、女上司のMさんと私の二人。常に一緒に行動してました。「みのちゃん、私の金魚の糞みたいだね」って愛情込めて言われてた(笑)

そう、この女上司も強烈で。。。!サイバーエージェント初の女性社員で、とにかく会社と社員への愛情が深い。ワインが大好きで、一緒にお酒を飲むことも多く、酔っ払って、飲み会の最後の方になると、常に仕事の熱い話。
「みのちゃん、仕事は麻薬だからね」って、ワイン片手にほろ酔いで熱く語る姿がめちゃくちゃカッコ良いのです。

「IRは経営陣の代弁者、会社の顔」
どんな時も、責任ある行動を求められました。

当時のサイバーエージェントの役員は、藤田社長はじめ、全員がブログを書いていたので、毎日、経営陣のブログを読んで、彼らの考えていることを、頭に叩き込んでました。

社長が外部向けに話すミーティングに同席する機会も多いので、ミーティングで話している一言一句をメモ。投資家と話をするときは、可能な限り、社長が語っている言葉を使って、対話するようにしてました。

IR担当は、機関投資家や個人投資家から厳しい意見をいただくことも多く、精神的にもかなり鍛えられました。会社のビジョンや戦略を明確にして、期待値コントロールしながら、長期的な目線で企業価値を伝えたり、決算資料や事業報告書を制作させていただいたことは、何よりも代え難い、とても貴重な経験でした。

様々なステークホルダーとの対話を通じて、コミュニケーションスキル、プレゼン能力、戦略的な思考など、本当にたくさんのことを学ばせていただきました。N常務がいつも言っていた、「信頼残高」を積み重ねていった時期でもあります。

「チーム・サイバーエージェント」の意識を忘れない。

サイバーエージェントの企業文化というと、ミッションステートメントを思い出します。

ミッションステートメントは、「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンのための基本ルール。これを社員一人ひとりが意識して動くことで、チームとしてのゴールを目指すために、策定されています。

当時は、下記がトイレの鏡の前の壁に貼られていて、手を洗う時も、ミッションステートメントが自然と頭に入ってくるような、そんな環境でした。

2009年頃のミッションステートメント

ホームページを見ると、現在はこちらになってるので、時代に合わせて少しづつ更新されていますが、基本の土台は変わらないですね。

現在のミッションステートメント


「採用には全力を尽くす」
20年前から一貫して言い続けていること。

「素直でいいやつ」が採用基準なサイバーエージェント。みんな、会社が大好きで、社員同士も認め合ってる。一緒に働いている人たちが心から好き!という会社で、本当に尊敬できる仲間がたくさんいました。

社員がみんな、全力で仕事を楽しみ、団結する。同じ価値観を共有し、チームで結果を出すことにコミットしていました。

「チーム・サイバーエージェント」の意識を忘れない。この一文が、ものすごくサイバーエージェントらしくて、おそらく、他の企業にはない、圧倒的な強みだろうなぁ、と感じています。

卒業して、約10年経った今でも、当時を思い出そうとすると、大好きだった仲間の笑顔がたくさん浮かびます。

ここぞ!って時の大型コンペの提案資料がダメダメだった時、「これで勝てると思ってるのかー!窓から飛び降りろ!」って、火山のように怒ってきた上司もいたし、たくさん泣いたし、今だったら、絶対NGなエピソードもいっぱいあるけど、でも、思い浮かぶのが、笑顔ってすごい。喜怒哀楽で忙しい日々。ほんと、青春だったと思います。

noteにアウトプットすることで見えてきたこと

私が会社員として働いてきた、サイバーエージェントとAmazon。全く違う会社ではあるけど、生きた企業文化を大事にしてる、人を大切にしている会社、という共通点があることに気づきました。

そして、やはり私が大事にしてきたことって、「人」と「チーム」で結果を出すことなんだなぁ、って。書くこと、アウトプットすることで、いろんなことが見えてきますね。

「文章にすることで、自分を癒せてる感じしない?」って、最近仲良くなった、でも、昔からの友人のようなママ友に言われたんだけど、ほんとにそう。文章にして言語化することで、思考も整理されるし、自分と向き合う、とても良い時間になってる。

サイバーエージェントは、ブログでアウトプットして、社員一人一人が自分の考えを発信することを大事にしている会社でした。Amazonにも、ドキュメント文化があり、ミーティング前にWordドキュメントを共有し、ミーティング中はそれを中心に議論がされるような会社でした。今、noteに書くのが楽しいのも、この2社の経験が影響してそうです。

サラリーマンとして学んできたことを、ここから先、自分の糧にしていきたい。

またまた長い文章になってしまいました。
ここまでお付き合いただき、ありがとうございます。

みのり














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