チェリオ

小児分野専門の現役作業療法士。 感覚統合療法と発達学、運動学を中心とした療育を子ども達…

チェリオ

小児分野専門の現役作業療法士。 感覚統合療法と発達学、運動学を中心とした療育を子ども達へ提供しています。趣味はサバゲー。

最近の記事

自閉症ルーティンを崩した方が良い、と思う考え方

人生とは、予定通りに、とは中々いかず臨機応変な対応の連続だ。 朝の通勤路・通学路は、毎日同じ時間に家を出発したとしても、同じ時間に目的地に着くとは限らない。 体調もいつも良い訳ではない、良い日もあれば悪い日もある。 信号に引っかかるかもしれない、道路が通行止めかもしれない、雨で交通量が多いかもしれない。忘れ物があるかもしれない。 しかし我々は、臨機応変にそれらの小さな不測の事態に対応しながら、日々を送っている。 時間に遅れそうなら走ったり、別の道を使ったり、先方に遅れる

    • 子どもの能力の決め手になるのは、一体なんだろう?

      人の持つ能力とは、元々持っている能力や特性 × 環境 = 現状の能力 だと僕は思っている。 どんなに潜在的に能力や特性を生まれ持っていたとしても、環境がマッチしていなければその才能や特性が活かされることはなく、現状の能力に影響することはない。 例えば、どんなに潜在的にサッカーの才能があったとしても、サッカーの練習ができる環境でなければ、その才能が開花する事はない。 この例の場合の環境とは ・近所でサッカークラブがある ・サッカークラブのコーチが本人のタイプを見抜いてポジ

      • 発達障害の大きなカテゴリー分けと特徴について④(LD)

        前回の記事では、 ADHDのタイプや特徴、社会生活を送る上での適応策(困り感を減らす方法) といった内容を解説した。 今回は、発達障害の大きなカテゴリーの1つ、LD(学習障害)とは何か? また、それに対する適応策を書いていこうと思う。 LD(学習障害、限局性学習症)とは 全般的な知的発達の遅れがないものの ・読字の障害(ディスレクシア) ・書字の障害(ディスグラフィア) ・計算の障害(ディスカリキュリア) といった3つのタイプに分かれる障害のことを指す。 全般的な知的

        • 発達障害の大きなカテゴリー分けと特徴について③(ADHD)

          前回の記事では、 知的障害の特徴や将来の見通し、また、社会生活を送る上での適応策(困り感を減らす方法) といった内容を解説した。 今回も前回や前々回と同様に、発達障害の大きなカテゴリーの1つ、ADHD(注意欠陥多動性障害)とは何か? また、それに対する適応策(困り感を減らす方法)を書いていこうと思う。 ADHD(注意欠陥多動性障害)とは ・不注意(集中力がない) ・多動性(じっとしていられない) ・衝動性(思いついたらすぐに行動してしまう) といった3つの特性を持つ障害

        自閉症ルーティンを崩した方が良い、と思う考え方

          発達障害の大きなカテゴリー分けと特徴について②(知的障害)

          前回の記事では、 「ASDの特性について、また、それらに対する対応策(社会生活を送る上で、困り感を減らす方法)」 といった内容を解説した。 今回は、前回に続いて、発達障害の大きなカテゴリーの1つ、知的障害とは何か? また、それに対する対策法(社会生活を送る上で、困り感を減らす方法)を書いていこうと思う。 知的障害とは、 「記憶、推理、判断などの知的機能の発達に有意な遅れが見られ、社会生活などへの適応が難しい状態」 と定義されている(文部科学省より)。 簡単に言い換え

          発達障害の大きなカテゴリー分けと特徴について②(知的障害)

          発達障害の大きなカテゴリー分けと特徴について① (ASD)

          前回の記事では、 発達特性を持つ児童への理解と適切な対応を現場(保育園や学校)に求めることは現状では難しい為、保護者や児童自身が理解を深めて、具体的な対応を見つけ、現場に伝えることが現実的でより良い環境を作る方法だ、 といった内容を説明した。 前回の記事を踏まえ 「大きく分類した特徴、対応策と分析の仕方」 の説明をしていく。 発達障害とは、大きくカテゴリー分けで以下の4種類に分類される。 ASD(自閉症スペクトラム) 知的障害 ADHD(注意欠陥多動性障害) LD

          発達障害の大きなカテゴリー分けと特徴について① (ASD)

          障害特性への支援について

          今回の記事で伝えたいのは、 今の社会には、障害特性を理解して対応してくれる、保育・教育の現場は殆どないのが現状であるということだ。 それは何故か。嫌がらせや業務怠慢などではない。 保育士や教師が、障害のある児童に対して適切な対応をするほどの余裕がないからだ。 そのため、適切な対応をさせようとする場合は、保護者や児童に障害特性をよく理解してもらい、具体的に○○の際は、このように対応して下さい、と伝える他ない。 保育園、幼稚園や学校では、定型発達の児童が多くの割合を占め、障害

          障害特性への支援について

          『信頼する親』は選びたくても選べない

          僕が仕事をする上で、重要視しているのが親と子どもの関係性だ。 親の前だと小さくなっているが、親から離れると大暴れ!なんて子どもだったり、 親が居ないと表情に変化があまり見られないのに、親の前となるとニコニコしてとても嬉しそうな子どもだったり。 親と子どもの関係性は、各家庭によって異なるが、 簡単にいうと子どもの「親に対する信頼度」で変化する。 子どもが親に見せる表情をチラッと見ると、案外分かりやすかったりする。 教育関連の仕事に就いている人はしばしば目にするワードかも

          『信頼する親』は選びたくても選べない

          『自信がある』ってとても幸せなこと

          自信があれば、精神的に安定して色んなことに挑戦ができる。 挑戦するための土台が自信だと僕は思う。 ところが、失敗を繰り返していくと、その土台はいつの間にかどんどんと不安定でスカスカの土台になってしまう。 不安定な土台の上には何も建てられない。 それでも時間は止まらないから、いつの間にか何かを建てないといけないタイムリミットになっている。でも、「今は土台が不安定なので建てられません。」なんて通用しない。 その時に属している社会から何かを求められる。 それは「学校」だったり

          『自信がある』ってとても幸せなこと

          『普通』とはこんなにも難しい

          普通に生きる、とはこんなにも難しい。 集団生活を難なく過ごし、学校を卒業し、一般就労する。 友人を作り、恋人を作り、結婚する。 こんなに難しいことはない。 僕にとって、普通とはそういうものだったし、今もそういうものだ。 そんな感覚を上手く分析してまとめることで、少しでも生きづらさを感じる誰かの手助けになればと思い立ち、noteを書き始めました。 このnoteが、「保育や教育の現場で働く人」「育児に悩む保護者」「自身の特性の理解に悩む人」「これから小児の領域に飛び込もう

          『普通』とはこんなにも難しい