江戸竜太郎

障害者歴30年のプロ障害者/ライター/マイノリティの立場を活かして発信します

江戸竜太郎

障害者歴30年のプロ障害者/ライター/マイノリティの立場を活かして発信します

マガジン

  • 「マイノリティスポットライト」

    タロウ、まき、春田の有志による身体障害者へのインタビュー企画です。不定期更新。健常者へはわかりやすく、障害者には共感を得られるように記事を投稿します。

  • 月刊マイノリティマガジン

    • 2本

    障害にまつわる問題に身体障害者であるタロウと春田がリアリズムの視点で発信していきます。

最近の記事

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遊びの師匠が私に教えてくれたこと

#一人じゃ気づけなかったこと 人生において後から「もっと早く気づけばよかった」と思うことは誰にでもある。もし誰かの発言で早い段階でそれに気づければそれは大きな益であり幸運だ。もっとも自分自身がそう言った他者からの益ある発言を受け入れる器がなければならないのだが... 私にとってそういった経験は高校2年生の時だった。私は生まれながら筋疾患があり小学校の時から体育の見学はもちろん体力が必要なことはやったことがない。ステータスで言うならば身体障害者である。5歳時の時点で「身体障

    • ゆるーくはじめるヴィーガン生活

      #未来のためにできること 以前、ビオセボンでヴィーガン弁当を買って自宅で食べたことがある。ビオセボンはオーガニックスーパーでありヴィーガンとは動物性食品や製品を一切使用しない人たちである。 私はヴィーガンではないが人間のために「必要以上の命」が消費される人間中心主義には思うところがあった。 私の主義主張はさておき、このヴィーガン弁当がなかなか美味い。我が国では肉のハンバーグの代わり似豆腐ハンバーグなどが昔からあった。 あれはカロリーを目安に考えているがヴィーガン弁当は動物

      • 「先天性ミオパチーの会」の代表が主治医に疑問を抱いたワケ

        noteでは不定期に先天性の身体障害を持つ人にインタビューした内容を記事にして発信している。 そろそろ書かねばならないと思っていた時にタイムラインである投稿が目についた。気になったのは投稿内容ではなくそのアカウント主である。 私と同じ先天性ミオパチーを持つ人物で一般社団法人「先天性ミオパチーの会」を代表を務める伊藤亮である。 上に転載した投稿の左側の人物が伊藤亮である。 先天性ミオパチーの会は2012年5月に発足し当初は先天性ミオパチーの難病指定を目的にしていた。現在は相

        • 「ミオパチーの母」が一人暮らしを強行したワケ

          まきさんは「先天性ミオパチー」の一種である「ネマリンミオパチー」という筋疾患を抱える50代女性である。 私の母とほぼ同い年だ。共通の友人はこれを茶化して彼女を「ミオパチーの母」と呼ぶ。ミオパチーとは筋疾患の意である。 私とまきさんは親子ほどの年齢差があるが温度差はなく率直にものを言い合う仲だ。SNSではもっとも親しい人物の一人である。 そして、先天性身体障害者へのインタビュー企画、「マイノリティスポットライト」の同志である。インタビューを通して共に障害の本質を探求しているのだ

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        遊びの師匠が私に教えてくれたこと

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        • 「マイノリティスポットライト」
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          2本

        記事

          福祉系webサイト「ふくはぴ愛知」、業界に革命か

          福祉の界隈でヘルパー不足の常態化が死活問題となっている。不自由な彼らにとってヘルパーは生活に欠かせない存在であり文字通りの「死活」となる。 そのような業界に革命をもたらすコンテンツが愛知県から生まれた。それが福祉系webサイト「ふくはぴ愛知」である。 これは一言で言えば「ヘルパーと利用者をつなげるマッチングサイト」だ。 今回、ふくはぴ愛知を運営をするOLDROOKIEの代表である松元拓也社長とスタッフの林さんにお話をうかがった。 私が松元社長から「ふくはぴ愛知について手

          福祉系webサイト「ふくはぴ愛知」、業界に革命か

          「らしさ」とはなんだろうか?

          先日、snsの友人から「障害者と防災をテーマにリモートで話す場を作りたいのでアシスタントとして共同ホストをやってほしい」と言われ、普段お世話になっているのもあり快諾した。 この座談会は身体障害者向けの単発の企画であったが参加者は18人で予想以上に盛り上がった。 このような多人数でのリモートはなかなか発言がでないことも多いために珍しい。 私自身は正直、防災に興味はなかった。けれども、それは私だけで他の障害者たちは生きることに貪欲な方たちだった。 彼らと話しても私には生に執

          「らしさ」とはなんだろうか?

          筋ジス協会で働く50代女性が「仲間」に向けるメッセージ

          オフラインでは一般論として年齢の上下関係が根強く残っている。これは儒教の名残かと私は嘆いていた。 反面、SNSでは会うまで容姿や年齢がわからないことが多い。それゆえ親子ほど歳が離れていても交流ができる。これもSNSの醍醐味であろう。 今回も私と仲間が行なっているインタビュー企画「マイノリティスポットライト」にゲストを招いた。 これは先天性障害者にインタビューし、障害を掘り下げる人間的探求である。 今回、お話を伺ったのは日本筋ジストロフィー協会某支部で働く50代女性の宮永(

          筋ジス協会で働く50代女性が「仲間」に向けるメッセージ

          タロウのプロフィール

          noteに訪れていただいた読者に書き手である私のことを知ってもらうためにプロフィール記事を貼っておくことにした。 名前:タロウ 1993年生まれ SNS:Xアカウント @riichimahjong 住んでいる場所:首都圏在住 持病の筋疾患、ネマリンミオパチーの進行により大学中退 趣味:読書、身体障害について調査すること。 実績:noteコンテスト大賞受賞歴有り。 noteでは障害にまつわることをマイノリティの視点に発信していく。バリアフリーなどの社会モデルよりも障

          タロウのプロフィール

          [書評]「語りの場からの学問創成 当事者、ケア、コミュニティ」

          京都大学学術出版会では西洋古典叢書というシリーズがあって私は何冊か本棚に置いてある。 西洋古典が好きな人間なら一冊は持っているややマニアックなシリーズだ。年配の方は京都大学と言えば左翼をイメージする方もいるかもしれない。 実は京都大学学術出版会ではマイノリティ向けの本も出版もされている。 「語りの場からの学問創成 当事者、ケア、コミュニティ」は先日出版されたばかりの本だ。 本書は複数の著者により書かれているがその中には当事者研究で有名な熊谷晋一郎がいる。 本書は当事者研

          [書評]「語りの場からの学問創成 当事者、ケア、コミュニティ」

          障害歴30年目に私が伝えたいこと

          私は先天性の障害を抱えている。 先天性ミオパチーという筋疾患で2023年に芥川賞を受賞した作家市川沙央が抱える持病として知名度を上げた。 私は今年で30歳になったが31年も障害者をやっていればわかることもある。そしてそれは意外にも障害者にも健常者にも通じることだった。 先天性にしろ中途障害にしろ、はたまた癌にしても「クジ」を引いてしまった人たちは「なぜ自分が?」と思う人は多い。 理不尽に対する怒りである。 しかし、無情なことに生まれつき障害を持って生まれたり、あるい

          障害歴30年目に私が伝えたいこと

          また炎上!車椅子インフルエンサーの「クレイジー」な振る舞い

          車椅子インフルエンサーがまた「放火」したようだ。 ここ数年、Xの障害者界隈で車椅子インフルエンサーが障害について社会に問題提起して炎上するのは珍しいことではなくなった。 この記事で取り上げるのは先日のイオンシネマ某店舗と車椅子インフルエンサーにまつわる一件である。 最初は問題提起であったイオンシネマ側の対応は早く謝罪文を公開したことで炎上は本格化しXのトレンドにランクインした。 こちらが炎上の原因となった元の投稿である。 炎上した張本人である車椅子インフルエンサー中嶋

          また炎上!車椅子インフルエンサーの「クレイジー」な振る舞い

          暗闇に呼ばれて

          日本においてもっとも有名な障害者と言えば乙武洋匡であることは間違いない。 著書である「五体不満足」は希望を与える(障害者にではない!)本と言える。 この本にはなぜか障害者である著者が苦労する描写が極端に少ない。 障害はあるが家庭環境を含めていかに自分が恵まれているかに描写の比重が傾いている。 そしてはっきりとではないが裕福であることが本の中で示唆されているのも見逃せない。 「五体不満足」は障害者にではなく健常者に「障害者だけど頑張っている」という後ろ向きな希望を与える本で

          暗闇に呼ばれて

          少し前に投稿したエッセイを手直して投稿します。

          少し前に投稿したエッセイを手直して投稿します。

          30歳で英語の大切さを悟った話

          「日本なんだから日本語でいい」「英語は使わない」という書き込みをよくネットで見かけます。 英語が必要でないというのは本人が英語が必要でない環境にいるということです。 今まで必要なかったのに何かに挑戦しようとすると英語が必要なる…この記事の趣旨はそんな感じです。 私は現在、古典語の勉強をしているのですが辞書は英語ですので古典語の単語を調べると英語で単語の意味が出てきます。また辞書のイントロダクションなどの文章も英語で。 つまり古典語の意味を調べるために英単語の意味を調べな

          30歳で英語の大切さを悟った話

          身体障害者の心理学[2]環境と適応

          まえがき障害を持って生きることは困難を伴う。生きていく中で大なり小なり障害が人生の障害となる。 私は先天性ミオパチーという筋疾患を持っていて今でこそ外出の際は車椅子を使うが大学一年生で中退するまでは自分で歩行していた。 だからこそ持病がら足の疲れと息切れは日常であったし障害のある身で学校生活を送るにはさまざまな努力が必要であった。 中退後、障害について調べて執筆しようと思い立った時ふと疑問が起こった。 「自分以外の障害者は障害を抱えて生活していく中でどんな工夫をしていた

          身体障害者の心理学[2]環境と適応

          [note書き初め]障害者は障害の専門家である

          #note書き初め 皆さんあけましておめでとうございます。 2024年となりましたがこれを契機に新しいことを始めたいと思う人は少なくないでしょう。 私もしばらくnoteを更新できていなかったので今年の活動を簡単に話させてください。 私は身体障害者についてインタビュー調査をしたりアンケート調査をしたりこうやってnoteで執筆をしたりしています。 しかし私は障害者にまつわる問題について特別思い入れがあるわけではありません。 他の分野では健常者に対して圧倒的に不利な立場で

          [note書き初め]障害者は障害の専門家である