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”全”若手外科医が読んで欲しい!至高の1冊!

ニューヨーク・ヤンキース チームドクター長であり、コロンビア大学整形外科教授であるクリストファー・S・アーマッド先生が書かれた本を、米国で活躍する小児外科いである宮田真先生が翻訳されたこの本。米国でも「外科医を目指すなら必ず読んでおきたい」と評されているようですが…とにかく若手外科医は全員読んで欲しい、至高の1冊です!

文句なしの「深心塾」のイチオシ推薦図書です!!!


詳しい内容は、とにかく実際に本を読んで頂きたいですが、特に響いた言葉をいくつか挙げたいと思います。

若い外科医は、自分が受けた試験や知識を得るために作り上げられたシステムを、手術の準備や手術の知識・技術開発に対しても極限まで応用しなければならないことを肝に銘じるべきです。(中略)長年の学校教育や外科トレーニングによって形成された教養によって、自分を信頼してくれる人々にできうる限り最高の医療を提供するという、新しい最高の目標と試練を課さなければならないのです。

SKILL 一流の外科医が実践する修練の方法(p.78)

才能は授かるものではありません。自分の才能を作りだすすべを模索しよう。

SKILL 一流の外科医が実践する修練の方法(p.4)

技術を盗むことは患者のためになることで、道徳的に反することではありません。やり方を変えたり、新しいやり方に適応したりするには、努力と汗が必要なのです。優れたものを受動的に観察するのではなく、優れたものを生み出すツールやテクニックを盗みましょう。

SKILL 一流の外科医が実践する修練の方法(p.12)

では、優秀な外科医だけがもっているソフトスキルとは何でしょうか。一つには、プレッシャーの中で優れた意思決定を行えるということです。(中略)有能な外科医は、いつ切開創を広げるべきか、いつ直ちに輸血をすべきか、壊滅的な状況が迫っている時にいつ「ベスト」でなく「ベター」な結果を受け入れなければならないかを心得ているものです。

SKILL 一流の外科医が実践する修練の方法(p.33)

多くのレジデントは、手術件数が多いといわれる研修プログラムを選びます。しかし、彼らが誤解していることがあります。手術経験がいくら多くても、ゆったりとした楽しいやり方でやっていては、実際の手術のスキルアップにつながらないということです。(中略)私はほかの外科医よりも高く「背伸び」をし、あらゆる機会に最大限の努力をし、練習に集中し、フィードバックを求め、それ答えていくことで、限られた時間(症例数の少なさ)を補い、乗り越えてきたと思います。

SKILL 一流の外科医が実践する修練の方法(p.40)

レジデントは、手術の際に「運転者(術者)」になりたがりますが、目的地がよくわかっていないことがあります。車の操作、ブレーキのかけ方、ワイパーのつけ方は学んでいるのに、指導医がいなければ、どこに行けばいいのかわからないのです。(中略)レジデントはハンドルを握りたがりますが、患者のアウトカムを良くするという、最も重要な「目的地」にたどりつくためには、実はルートを熟知していることのほうが重要なのです。

SKILL 一流の外科医が実践する修練の方法(p.53-54)

これを読んで、首がもげそうなぐらい頷いている上級医の先生もいらっしゃると思いますw 

そして、私が心臓外科医に必須なものと考えている「グリット (GRIT)」「レジリエンス」についても書かれていました(「GRIT」も名著なのでいつか紹介したいと思います)。



ちなみに私、Kindle派で、普段スマホで読書をするのですが、この本は横書きで(文字の縮小・拡大ができず、画面全体の縮小・拡大しかできない)スマホ画面では読むのは厳しく、Kindleで読むならiPadなどタブレットサイズですが、この本は書籍で購入することを強くオススメします!(Kindleで買った後に、結局書籍も買いましたw)

そして何より、何度も読み返して、感じたことをメモをしながら、この本とともに多くの外科医が成長し社会に貢献することを切に願います!


この本の翻訳者である、宮田真先生、書籍の推薦の言葉を寄せている北原大翔先生、そして「手術技術向上論」という書籍を出版されている伊藤雄二先生のコラボ企画動画。宮田先生と伊藤先生の共通点と相違点などがとても勉強になりましたので、こちらもよかったらご覧ください!

そして、この本を訳してくださった宮田真先生に、深く敬意を表し、感謝いたします。


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