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10.がんの再発 新薬について【後編】

※「生命保険」となっていたところを「医療保険」に修正しました。

 こんばんは、肺がんサバイバーのminoriです。
 今回は引き続き新薬についてのお話。後編になります。

↓前編

<前回までのあらすじ>
 2022年1月。右肺への転移が確認された私は分子標的薬「レットヴィモ」の服用を始めるのであった。

摘出手術 
 ↓ 
シスプラチンによる抗がん剤治療(途中でギブ)
 ↓
経過観察
 ↓
右肺に転移、レットヴィモの服用を始める←【今回のお話】

1.これが新薬だ!

①形状

右:レットヴィモ80mgカプセル 左:CICIBELLAマスク

 もはや感覚が麻痺してしまって今ではなんとも思わないのですが…大きいですよね、これ。
 初めて見たとき「デカイなー」って呟いた記憶があります。外国のサプリぐらいデカい。

 横幅は約2cm、厚みは約1cm。
 喉が狭いので、昔は飲むのに一苦労でした。最近ようやく慣れてきた…。かなり労力使うけど。


②副作用

 副作用については前編でも紹介しましたがおさらい。

 私が特に実感しているのは、下痢・口内乾燥・だるさです。

 もらった資料によると、他にも肌の一部が赤くなったり、足がむくんだり、気を失ったりすることもあるそうです。
 と言っても、気を失うのは滅多に起こらない症状だそうですけどね。

 ちなみに一番の悩みの種である下痢(誰にも語れないエピソードだらけの憎き副作用)ですが、下痢止めの他にミヤBM錠でも対策しています。
 子供でも飲める優しい整腸剤。
 甘くて美味しい。おやつだと思ってる。

③効果

 あくまで個人的な効果で全ての人には当てはまらないのですが…抜群の効果です。
 服用を始めて約9か月。ものすごく効いてます。CEA(腫瘍マーカー)の数値が7.0あったところ、現在は1.3まで下がりました。最初原発巣が見つかった頃は10.4だったので、その頃に近い状況からほぼ何もないくらいまでになりました。スゴイネ。

 医学の進歩と人類の成長に素晴らしいドラマを見た気分です。だいぶ上から目線ですが、素直に驚いております。

④お値段

 形状がこんなだし効果もすごいので「やっぱりお高いのでは?」と思うかもしれませんが、そこはさすが新薬。はい、そうです。

 たったの一週間分ですぐに限度額に達します。正確には一週間いかないです。
 これもある意味悩みの種でした。医療保険に入っていなければ絶対やっていなかったですね。

2.新薬による治療と今後について

 レットヴィモによる治療は現在も続いています。
 この後のことですが、まったくわかってません。ひとまず薬は飲み続けていくと思います。

 と言うのも、新薬を始める際に「基本はずっと飲み続けていきます」とお医者さんに言われたからです。私が中断したいと言い出さない限り、この治療は続いていくと思います。

 次回の診察でもう一度確認してみます。効果もあったし、いつかは薬を辞める日が来るのかな?
 というか、薬が効いて浮かれていたけれど、がんに耐性があることをすっかり忘れていました。薬を飲み続けるのはいいとして、いつかその効果がなくなる日が来るのかもしれない。

 このレットヴィモについてですが、入院中担当医さんに時間を作ってもらって、詳しく説明を受けました。
 お医者さん曰く、レットヴィモを服用してまったく効かない人もいれば、がんが完全に消滅する人もいるそうです。が、8割方はがんが縮小するのみだとか。

 がんが完全消滅するタイプだったらこの煩わしさとはおさらばできるのですけど、現時点ではさっぱりわかりません。とりあえずはこの何となく大きい薬を飲んで様子を見るしかありません。

 ちなみにお医者さんが言うには、仮に私がレットヴィモを中断したとしても他の治療方法はあるとのことです。多分、あの「シスプラチンによる抗がん剤治療以外に」という意味だと思います。
 再発した時期にちょうど身体に適した薬――レットヴィモが出たのでそれを優先した感じです。
 …ここら辺は憶測の域を出ないので正確とは限らないです。申し訳ない。

 そして改めて言いますが、1年前に発売されたばかりのお薬なのでまだまだわからないことだらけです。
 治験は勿論行われましたが、出来立てホヤホヤなので約2年分のデータしか取れていません。
 今回私も服用を始めたので、私のデータもしっかりとられてます。
 このデータがこれからの使用者さんの役に立つのだ思うと、なかなか名誉なことで面白いですね。


 ということで、これからも続いていくがんとの共生。
 どうかこの先も暖かく見守ってやってください。


 続く(次回からはまた別のお話)


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