【毎週ショートショートnote】君に贈るランキング
「なになに? ルームシューズとな?」
ここ尾張の地にて、藤吉郎は大名織田信長に仕えていた。もともと藤吉郎は遠江にある松下家に仕えていたが、地頭が良かった為に、その時の同僚から疎まれ退転した。要は贔屓される知識を知ってたのだ。
体格が比較的小さかった藤吉郎は、戦いに向かなかったため、『足軽』ではなく『小物』という職で新たな主君の身の回りの雑用係に当たっており、今は草履取りを勤めていた。
「寒い時期だから、温かい履き物は…」
藤吉郎が手にしていたのは『月刊とりびゅーと』と言う書物で、我が君に贈るランキング特集を読み込んでいた。
「武勲は無理だから、何か某にも出来ることは…」
そこで見つけた裏起毛の可愛い動物型ルームシューズを取り寄せ、お館様に差し出した。
「この可愛い猿の履き物は温かいな」
「はっ、某が用意致しました」
「気に入った。お前のあだ名は猿ね」
「へ?」
このエピソードがきっかけで猿と呼ばれる様になったかどうかは不明である。
(410文字)
今回も田原さんの企画に参加させて頂きました!
今回のテーマは『君に贈る』『ランキング』
✐あとがき
簡単な様で案外難しかったです(^ー^;)
美濃攻略まで行きたかったけど、オチが見つからなかったので💦 …あ、今回も無いか🤣