minori_kj

4月末から始めた新米ライターなので、文章能力低レベルですが、ゆるく頑張りますっ٩(๑•̀ω•́๑)وむんっ 面白いなと思ったら♥貰えると喜びます🫡

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【毎週ショートショートnote】みんなで動かない

「僕にさわるな!」 僕は今、全力で生きようとしてる この先にある幾千の壁を乗り越えるために 僕は今、全力で生きようとしてる 手すりを力強く掴み、僕は上半身を引き上げた 踏ん張る足はおぼつかず、気付けばリビングに敷かれた柔らかいラグに横たわる もう一回… 上手く言葉にできない思い 「もうちょっとだ! 頑張れ!」 「その調子だよ! 凄い!」 言われなくても頑張ってる 何がもうちょっとなのか知らないけど 僕は今、全力で生きようとしてる 力加減?そんな事なんて知らない も

    • 【毎週ショートショートnote】涙鉛筆

      それは不思議な魔法の鉛筆 喜怒哀楽それぞれに 違った色の涙がある 人の心を動かす描写 人の心を震わせる物語 生まれてすぐに出来ること 満ちた生命力から溢れ出る 生きている証の泣き声と 産んだ証の歓喜の涙 積み重ねた努力と経験 流した汗と悔しい涙 限界に線を引いていたのは 思い込み定規と自分自身 それはまるでウソのよう 目元に描く涙鉛筆 頬に繋ぐその直線と 眉が下がれば悲しい涙 怒られた君にどう映るかな 怒ってる彼に描き足す涙 滑稽さに気分が楽になるなら それはひとつ

      • 【毎週ショートショートnote】ショートショート王様

        「本日昼の刻、王宮にて出立の儀を行う」 この世界を統治する王様に勇者として召喚された。目的は魔王討伐である。俺は、これから幕の上がる冒険に期待と夢を膨らませ、王の謁見に臨んだ。 ◇ 「勇者よ。知っての通り、今や魔王軍の脅威は甚大だ。討伐を依頼したい」 「喜んでお受け致します」 この瞬間を待ち侘びながら俺はこの数年間修行に励んだ。この先に待ち受けるのは様々な試練や多くの仲間との出会い。興奮しないわけがない。 「では、これから仲間を集めて…」 「貴殿の盾となる戦士は酒場

        • 【毎週ショートショートnote】消しゴム顔

          「目尻はどんな感じでした?」 被害者の女性は声を振るわせながら精一杯答えていた。私はイライラしていた。 (いつも女性は力の下では弱者…男性のその力は何のためのものだ!) 思い出したくはないだろう。思い出させたくもない。でも、事件を放置すれば次の被害者が出る。絶対に許せない。 「許して、あなたに頼るしかない私を…」 彼女は口を手で塞ぎ、声を抑えながら大粒の涙を流した。毎回痛感する無力感。今回もまた同じような被害者が出た。 (ちくしょう…) 使い込まれた濃淡の違う鉛

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        【毎週ショートショートnote】みんなで動かない

          【毎週ショートショートnote】君に贈るランキング

          「なになに? ルームシューズとな?」 ここ尾張の地にて、藤吉郎は大名織田信長に仕えていた。もともと藤吉郎は遠江にある松下家に仕えていたが、地頭が良かった為に、その時の同僚から疎まれ退転した。要は贔屓される知識を知ってたのだ。 体格が比較的小さかった藤吉郎は、戦いに向かなかったため、『足軽』ではなく『小物』という職で新たな主君の身の回りの雑用係に当たっており、今は草履取りを勤めていた。 「寒い時期だから、温かい履き物は…」 藤吉郎が手にしていたのは『月刊とりびゅーと』と

          【毎週ショートショートnote】君に贈るランキング

          【毎週ショートショートnote】1分しまうま

          「ばぁちゃん…」 おばあちゃん子だったボクは、祖母の死を悼み、最後の別れの夜を泣き通した挙句、情けないほど腫れぼったい瞼で葬儀の終わりを迎えていた。 ボクは客間に掛けられた鯨幕が外される様子を赤く腫れた目で見ていた。慌ただしく過ぎた葬儀は手際よく片付けられていく。さすがばあちゃんが生前終活準備を完璧にしていただけあって担当業者の仕事が早い。 「十分幸せな人生だったよ」 「湿っぽい雰囲気はすぐ消してほしい」 遺言ではないが、ばぁちゃんが業者に遺した言葉。どれだけ費用をか

          【毎週ショートショートnote】1分しまうま

          【毎週ショートショートnote】結婚式ゾンビ②

          花嫁は父親と共に、バージンロードを歩んできた。 天窓から差し込む柔らかな光が、今日の主役たちを温かく包む。 彼女の父親は緊張した表情で新郎に娘を託す。 花嫁は至福の時を迎えようとしていた。 「ぐはっ」 「あなたっ、しっかりしてっ」 倒れ込んだ花嫁の父親に駆け寄ったのは花嫁の母親。しかし彼女もまた苦しみながらその場で倒れた。動揺を隠しきれない花嫁は、慌てて両親の元へ向かった。 すると、この2人の異常事態を皮切りに、次々と参列者が同様の状態になっていく。悲鳴と感情が錯乱する

          【毎週ショートショートnote】結婚式ゾンビ②

          【毎週ショートショートnote】結婚式ゾンビ

          その記憶は曖昧で、混濁した色 その日は晴れやかで、澄み落ちた色 その姿は華やかで、眩しく病んだ色 その思いは儚げで、虚い響く色 細い糸はこの世の理を紡ぎ 生を慈しむ祈りを綴る 思い女は故の世の術を開き 死を悼む悲しみを刻む どうして… 眠れる君は優しく微笑んで どうして… 生きてるボクは苦しく争って どうして… 去り逝く君はここに居ない どうして… とどまるボクはそこに居ない 自然の摂理だとか知ったことか 当然の倫理だとか押し付けるな 原理原則を強いるのなら ボクの心理

          【毎週ショートショートnote】結婚式ゾンビ

          【毎週ショートショートnote】プロのバナナ②

          【スラング英語】 banana-head:バカ、まぬけ 私は日本が誇るコメディアンのひとり、志村けんさんが大好きでした。 ザ・ドリフターズのメンバーとして、多くの国民に笑いを届け、また、趣味の津軽三味線を用いた缶チューハイのCMでは感動を覚えたのは私だけではないはず。 今でもYouTubeに挙げられている動画をたまに見たくなることもあり、カッコいい形容は沢山あると教えてくれる動画です。 感動といえば、動物を取り扱った番組で動物との共存や命の尊さを学び、生きる勇気もたく

          【毎週ショートショートnote】プロのバナナ②

          【毎週ショートショートnote】プロのバナナ①

          とある青果店の前を通りかかった時の話。 「美味しいバナナの見分け方は知ってるかい?」 カップルで買い物に来ていた彼氏が、連れの彼女にそう言った。 「え?知らんけど」 彼女は興味のかけらもない様子でスマホを弄りながら適当に答えた。 私は明瞭な2人の温度差にちょっと笑ってしまった。 彼女の冷めた反応では南国のバナナは育ちそうもない。 「実は房の付け根が…」 その反応を全く気にせずに彼氏は説明を続けた。 その一方通行のやりとりはその後も続いた。 彼はふざけて話をしている

          【毎週ショートショートnote】プロのバナナ①

          【毎週ショートショートnote】みんなで動かない②

          時は戦国時代、ここ甲斐にある寺子屋『武田学園』で、理事長の武田晴信は頭を悩ませていた。 毎年体育祭のメインイベントである騎馬戦は、とても迫力があって魅力的なのだが、最近の新入武士たちは、泥まみれの競技にあまり興味を示さないのだ。なので、武田理事長は教務主任の山本勘助先生に相談した。 とりあえず新入武士にアンケートを実施したところ、演舞なるものが流行っているとの事。そう言う理由から、創作演舞対決も加わり、演舞団として風組、林組、火組、山組と分けられ、各組は本番まで練習を重ね

          【毎週ショートショートnote】みんなで動かない②

          【3分ショート】カップ麺を待つ間に

          「よし!後は待つだけ!」 電気のポットくんはお湯が沸いたことを知らせ、私は彼を持ち上げて蓋を開けておいたカップ麺にお湯を注ぐ。 私のお気に入りは、シーフード味のカップ麺。お湯の量は麺が浸るギリギリで注ぐのをやめ、若干少なめの湯量で待つのがワタシ流の作り方。 ポットくんの口から沸騰したお湯がカップに注がれる。私は仕掛けとしてカップに入れておいた、とろけるチーズに上手くお湯を掛けながら適量注入する。 カップの口からシーフード調味料の風味を巻き込んだ湯気が、私のメガネを一気に

          【3分ショート】カップ麺を待つ間に

          【先々週ショートショートnote】神様時計

          「中級天使クロエに、罰として100年間の…」 大天使アリエル様はにっこりと私にそう告げた。私の罰は『時間調律』で、神々が刻んだ時のズレをこの神様時計で調整する。ゼンマイを巻く際に生じる僅かなズレなどがソレ。 時のズレは大きいと、人間界に厄災をもたらす。軍神アレス様なら戦争、海洋神ポセイドン様なら地震や津波、大地の女神デメテル様なら飢饉と言ったところだろう。 正直、こんな高機能な時計があるなら、神々が管理される時計も変えたらいいのにと思ったが、罰期間が伸びそうなので進言を

          【先々週ショートショートnote】神様時計

          【短編小説】白ない顔 ④

          思い出したのは夏のあの日の悪夢。そして、それを思い出した途端に寒気を感じ、恐怖心に襲われました。あの時とは違い、まだ家の中だから大丈夫だと根拠のない理由で落ち着かせようとしましたが、そもそも助けを求めるために、扉の外にある漆黒の世界に足を踏み出す勇気はありませんでした。何を根拠にそう思ったのか、怖がっている姿を見せてはいけないと勝手に思い込んだ私は、怖じ恐れていた自分を誤魔化すために自分にこう呟きました。 「あはは… K (弟)って、忍者だったのかなぁ」 私の絞り出したセ

          【短編小説】白ない顔 ④

          【短編小説】白ない顔 ③

          年明け間近の夜のことでした。大晦日もいつも通り自室で勉強をしていた私の頭の上、つまり2階にある弟の部屋から突然足音が聞こえました。足音自体は普通に暮らしていれば当たり前に聞こえる生活音ではあります。しかし、その日は不可解だったのです。唐突に聞こえてきた事は勿論ですが、弟は大晦日のその日、年明けを近所の幼なじみの家で迎えると言って夕方出ていったので、2階の自分の部屋には居ないはずでした。近所と言っても3つ隣の家なので帰って来られる距離ではありましたが、2階の部屋に上がって行くに

          【短編小説】白ない顔 ③

          【短編小説】白ない顔 ②

          次の瞬間、暑さを感じ始めた初夏にも関わらず、冷凍庫を開けた時の様な冷気が後ろから襲いかかって来ました。その黒い塊と認識した車のエンジンがかかり、ヘッドライトが点灯しました。後ろから無機質に照らされたその光はなんとも奇妙な色で、すごく眩しいのではなく、もやがかかったような照光に薄い緑色のような色、そう…例えて言うと病院の非常灯のような色でした。 私は何故か身の危険を感じましたが、振り返ることをせず、何も気付いていないふりをしながらどんどん進みました。子供ながらに変に意識をして

          【短編小説】白ない顔 ②