【詩】 学生たち

駅前の靴音が鳩と孤独を引き連れて、いつも通りに電車が止まった、立ち止まったら、それきり見失うような、不確かな時間を追いかけている、見ているのか、見られているのか、わからない、わからなくてもいいと思っている。学生は、制服に梱包された未来への贈り物です。なりたくなかった、なりたくなかった。心の死んだところだけ燃料にして、電車は僕を置き去りにしていく。ホームに流れ込んだ朝の光が、今日のはじまりに拍手をするのを、僕はひとりで聴いている、耳を塞ぎたい、両手は、荷物でいっぱい。分かったような気の秒針がときどき憎くなるんだ、規則的な音楽に、だまれって言ってしまいたくなるんだ、支配されるって生まれる前から知っていたのに、こんなに悔しいのはどうして。はやくきみと話がしたい、ほかの理由なんてぜんぶうそだと言わせて。僕は電車に運ばれている。

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