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お金にまつわるカッコいいはなし

 コーヒーで絵を描いている自分が
 絵を描いていくなかで
 いろいろ体験したことを書いています

絵でお金をいただく

こんなことが本当にできるようになるなんて
はじめは思ってもみなかったです

はじめは
慣れなかったり
むずかしかったり
怖かったり
傷つくことがあったり

いまでも慣れないかもしれません


けど

嬉しかったり
カッコいいなぁー!と感心したり
感動したり

そんな場面も見させていただいて

それまで、その人と普通に話してるだけでは
わからなかった
カッコ良さだったり
気遣いの嬉しさだったり

そういったことに
元気や勇気や
エネルギーをもらって

そんなプラスの何かこそが
自分の生きていく
栄養分になっているような気がします

そう考えると
絵でお金をいただくということは
なんだかものすごく
生々しい
原始的なもののような気がします

自分から出てきたものを
直接やりとりして
交渉して
お金をいただいて

でも、だからこそ
傷つくときは思いっきり傷つくし
嬉しいときは本当に嬉しい

面白くて
数えきれないくらいの
いろんなストーリーがそこにありました

その中で、すごく印象にのこっている
思い出があります

絵を描き始めたころ
昔から知っている友人が
「バイクを描いてほしい」と
オーダーをしてくれました

わたしは人物画の方が得意だし
バイクとか詳しくないよ?
といっても
それでもいいから描いてみてほしい
と言ってくれて

インディアンという
アメリカンスタイルのバイクを
描かせていただきました

それまで全く知らなかったバイク

写真を見て何となく
形だけを
描くのはいやだったので

構造を調べて
どこがどうつながって
どうやって動くのか
部品はどんなものがあるのか
どんな種類があるのか・・

いちいち部品もスケッチしながら
頭にいれていきました

知らなかったことを
知っていくのは
とても面白くて
オーダーをくれたことを感謝をしつつ

そうして出来上がった絵

コーヒーを粉のままふりかけて
アメリカの荒野を走る砂埃のような
サビのような質感を出したり

オーダーに応えたくて
バイクに表情が出るように頑張りました

両手でかかえるくらいの
ちょっと大きな絵です

この時の私にとっては精一杯の
満足いく出来でした

値段については「いくら?」ときかれても
相変わらず交渉が苦手なので

「まずは実物を見て!
それで納得のいく金額で
話し合いましょう」

と言っていたので
決めていないままでした

そして引き渡し当日

はじめての個展のときに
値段の交渉をして
嫌な顔をされたという
悪い思い出があるので
知り合いに交渉するのは
ものすごく勇気がいりました

なので希望の金額を
「わたしはこのくらいだと思って描いている。
でも、あとはまかせるよ。
納得のいく無理のない金額でいいから」と言って

わたしは
そのままビールを飲み始めました

するとオーダーしてくれた相手も

「わかった」といって
ポチポチと携帯をさわると

「いま振り込んだよ。あとで確認して」
と言って
いくらとも言わずに
やっぱりビールを飲み始めました

その日はそのまま
お互い値段の話はすることなく
ビールを飲み続け
たくさん話して
たくさん笑って
そのまま
お開きになりました

たとえいくらでも
お友達値段
信じて納得して受け止めようと思っていました

そして後日

銀行口座を確認してみると
なんと
希望の金額より
かなり多く入っていました

すごい!!!
それを
一言もいわず
顔にもださずに
アイツはビールを飲んでたのか・・

・・カッコ良すぎる!!

いまでも思い出すたびに
力をもらえる思い出です

うーん、カッコいい。。
やられたー!って感じです

お金って、想いというか
その人を表現する力でもあるんだと
思った瞬間でした

いまでもずっとカッコいいとおもっています
こんなふうにカッコよくありたいものです

そうやって
その後も、いろんなパターンを
目にしているうちに
全てのことは
つりあいがとれている
という感覚になるようになりました

絵そのものの持つパワー

やりとりしていくなかでの言葉や気持ちや
タイミングの力

そして実際のお金の額

=ご縁の力
みたいな

絵の力が足りないのに
不当に高く売れたら
それはラッキーなのかもしれないけど
モヤモヤが残るし

絵の力が十分なのに
よくない形で
お金を払ってもらえなかったら
絵を手に入れた人にとっては得になったとしても
ご縁の力がヘナヘナとしぼんでしまうし

双方にとって
十分意味のあるやりとりができていたら
お金の額面にこだわらず
良いご縁がずっとつづいたり
(たとえ2度と会えない人でも
ずっと心の栄養になってくれたり)

このバイクの絵のように
絵の力をうけとってくれて
気持ちの力に加えて
さらに、お金の額面を大きくいただいたときは
心の中に余剰の
エネルギーみたいなものが
残っていて
その人のためになにかもっと
出来ることはないかと
良いご縁がずっと続いていったり
(これがカッコいいっていうんだろうなぁ、、)

本当に本当に
つりあいがとれているとおもいます

もし、この絵の金額が
バーンと大きくなる勇気が出たら
この心の中の余剰のエネルギーも
大きくなって
もっと、もっと沢山のことが
できるようになるのかもしれない

逆に、思いっきり
それはもう引くくらい報われなかったとしたら
ゴッホみたいに
没後もずっと続く
膨大な影響力があったりしてね

そんな風に考えてみても
何だか面白く感じます

不安な時も
怖い時もあるけれど

値段の交渉をするときは
どんなときも
このことを、信じて
なるべく
見えないところも大事にできるように
心がけていけたらいいなぁ・・と思っています

大丈夫
ぜったい釣り合いはとれてるはずだから


たとえ人が色々言ったとしても
自分の中で
一歩ずつ
いい絵を描いたぞ!って
胸を張って言えるように

そこだけはブレずにいられたらと
気合いを入れています

・・なので時々
ものすごーく仕上がりが遅くなることが
あったりするんですけどね
(それはもう、本当に
ごめんとしか言いようがない・・)

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