チーム学習のやり方
チーム学習を山田さん(仮称)を事例に具体的に見ていきます。
山田さんは、いつも思っていました。
「私は何をしても、他者の視線が気になって思っているように行動ができない。気持ちの行動がついてこない。」と自己嫌悪に苛まれ「自分はだめだ」と自己否定感に束縛されいる。
きっと周囲の人はあざ笑っているだろうなという気がする。
そんな状態で勤務していると、マネジャーから「ワールドカフェダイアログ」というセッションに参加してみないかと勧められました。ダイアログとは「対話」という意味です。
ワールドカフェとは、一種のファシリテーション・プロセスのことで、お茶を飲んでくつろいでいるような雰囲気で会議(対話)をすることです。
怖い気持ちがありましたが、4〜5 人ほどのテープルが10ほど用意されていて、リラックスした雰囲気で気持ちも軽くなりました。
規模は様々で一定時間が過ぎれば、テーブルのメンバーを入れ替えるので、1,000人以上でも実施できます。
テーブルをラウンドして少人数で対話することを繰り返し行います。
一定の時間でメンバーの組み合わせを変えながら4~5人単位の小グループで話し合いを続けることで、あたかも参加者全員で話し合っているような効果を得られるます。
メンタルモデルを棚上げにするので相手の意見を聞きやすく、自分の意見も言いやすいのが特徴です。
ワールドカフェの特徴は
・カフェでお茶をしているようなリラックスした雰囲気
・気持ちにゆとりを持って話し合いができる
・4~5人単位の小グループでテーマに沿った対話ができる、
・メンバーの組み合わせも変わるのでアイデアや意見を出しやすい
・自分の意見も尊重されるので、相手の意見に自然と耳を傾けられる
・独特の空間で一体感を持った対話ができる
・メンバーを変えながら、4~5人単位の小グループで対話するので、メンタルモデルが棚上げになるので、時間の経過とともに自意識が薄れて対話に集中するようになっていきます.
山田さんは、参加者の意見を聞いていくうちに、「みんな大変なんだ」ということがわかってきました。 「みんな一緒」というのが勇気づけになり、思い切って自分の胸中を話してみました。
・「そんなふうには見えないけど・・・」という人もいれば、
・「わからないことは聞くようにしています」という人もいました。
・「わからないことはとことん聞いて回る」→ちょっと形は違うけど
ワールドカフェのアレンジだなあと感じたといいます。
・「どんな人にも良い点がある。聞いて回るとともに良い点を参考にするようにしている」という意見もありました。
・わからないことを聞いて回って成功例、失敗例を集めていると共通点があることを発見したという意見もありました。
ブッダは入滅寸前に十大弟子の一人アーナンダから、亡き後、どうすればいいのか?と問われ、「自灯明・法灯明」を説きます。
ただ誰かから聞いたからといって、それを信じるな。
何代も受け継がれたからといって、その伝統を信じるな。
たくさんの人の間で語られ、噂になったからといって、それを信じるな。
あなたが所属する宗教の聖典に書かれているからといって、それを信じるな。
ただ貴方の先生や先輩の権威だからといって、それを信じるな。
しかし、観察と分析を行なった上で道理に合っていて、すべての者の利益になると貴方がわかったならば、それを信じなさい。
(自灯明・法灯明)
ブッダは「ひたすら学べ」と教えたのです。
否定、否定、否定の連続を超えて、真理の因果関係を「曼荼羅」のように掌握できるようになってやっと肯定できるのです。
学べば学ぶほど、自分の無知を痛感し、学習は生涯続くことになります。
山田さんは、自己紹介するときに、ストーリーテリングの手法も使いました。アメリカ映画で有名なボクサー「ロッキー」になったつもりで、いまはまだチャンピオンになれない自分です。
応援してあげようという人も出てきて、気持ちに応えたいと思いました。
チーム学習のポイントは「メンタル・モデル」を棚上げにすることです。
自分への思い込みを外すことで、ありのままに観察することができます。
つまり学習とは、仕事上のさまざまを学習するだけでなく、それ以上に潜在意識にあるネガティブな情報に惑わされず自分を高めることです。
その結果、少しずつ潜在意識が塗り変わり、メンタルモデルを人生とライフプランに最適化するのです。
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