色覚異常の私が思う「色」の捉え方
はじめまして、この記事を覗いて下さりありがとうございます。 突然ですが、タイトルにある通り私は色覚異常者です。色盲・色弱とも言われるものですね。(様々な言い方があるとは思いますが、私個人としての語りやすさという理由でここではあえて色覚異常と言わせていただきます。)
よく知らない方もいらっしゃると思うので簡単に説明しておくと、 人間の目にある網膜は、赤・緑・青の3色それぞれを感じ取る色細胞というものががあり、その細胞が受ける刺激の強さにより色々な色を認識することができます。
そして、その色細胞の機能に異常が生じることで色覚(色を感じ取る感覚)に異常がある。つまり、色覚異常になります。
色盲と色弱の違い
よく色盲・色弱の違いは?色覚異常とは別物?のような疑問をネットなどで見かけますが、色を感じ取れる度合いによっても色盲・色弱と呼び分けられます。
色盲
3種類ある色細胞のうち、1種類が機能しない・ない場合のことを言います。
色弱
色盲とは違い、色細胞の機能が弱い場合を言います。
そして、赤・緑・青の3色のどの色を感じ取れないかによっても更に細かく分類できます。
2色覚(色盲)
3種類の視細胞のうち、どれか一つが欠けている場合を2色覚といいます。赤を感じる色細胞がない場合が1型2色覚、緑を感じる色細胞がない場合が2型2色覚です。青を感じる色細胞がない場合が3型2色覚です。
3色覚(色弱)
3種類の視細胞のうち、どれかの機能が低下している場合は3色覚といいます。
赤を感じる色細胞の感度が低い場合が1型3色覚、緑を感じる色細胞の感度が低い場合が2型3色覚です。青を感じる色細胞の感度が低い場合が3型3色覚です。
また、1種類の視細胞しかない1色覚(全色盲)などもありますが、資格異常全体の割合ではごくまれです。
そんな色覚異常という特性ですが、男性の20人に1人(5%)、女性だと500人に1人(0.2%)の割合でいると言われています。
私は女性なので、よく珍しいと言われますが…男性の割合を見るとそこそこいると思いませんか…?
さらに色覚異常は先天性(遺伝による生まれつきの色覚異常)と後天性(病気や怪我、心因的な様々な要因による後天的な色覚異常)の2種類の発症の仕方があります。ちなみに私は先天性です。
簡単にと言いつつ、長々とここまで色覚異常という特性について説明しましたが、ここからは『色覚異常者』としての私自身の考えを主にお話ししていきたいと思います。
正直に言うと、私は「色覚異常」をコンプレックスだと思っています。
この色覚異常は現在化学的に根拠のある有効な治療法はありません。私にとってどうしようもない事実で、一生付き合っていかなければならない特性なのです。
この特性を持つことで周りから心無い言葉を言われて、嫌な思いをしたこともありました。また、時には普通に生活するうえで不便に感じる場面もあります。
現在私は、デザインの専門学校に通う学生で、将来はデザイナーになりたいと思っています。
色んな記事サイトやネットではよく、
色覚異常でも絵は描けるの?
デザイナーには向かないのではないか?
などと言われていますが、
私は一応絵を描くことはできます。
しかし、一般色覚の人と感覚や描き方は違うと思います。
先程も言いましたが、私は先天性の色覚異常なので生まれた時から色の見え方は変わっていません。
なので、幼少期には一般色覚の人と色に関しても同じ教わり方で学んできました。りんごは赤い、空は青い、葉は緑…など固有色はもちろんですが、成長するにつれて一般常識としての知識も学びました。りんごは最初は緑色で実が熟すと赤色に色づく…空は夕方になるとオレンジ色になる…
このように私は色を知識として覚えて認識しています。
この言い方だと色が全く見えていないような風に感じてしまうかもしれませんが、あくまで認識、色の捉え方がそうなだけで私は色が全く見えないわけではありません。
私の特性の型は1型3色覚という種類で赤色が弱いと言われています。
これは赤という色を感じるのが弱いということで他の色は感じ取ることができます。
なら赤だけ見えにくいのか?
と解釈する方がいますが、この特性の厄介なところで…この世が原色だけで色づいていたら確かに赤だけ見えにくいと言えるのですが、どんなものでもほとんどが混色、さまざまな色が混ざりあってできているので、私達は一般色覚の人と色の見え方に大きな差ができてしまうのです。
少しややこしく思うかもしれませんが、簡単に言ってしまうと、
1型3色覚=赤色が弱いという一言で言えるような単純なものではないということです。
見え方を人にそのまま理解してもらうこと、理解することは簡単ではありません。
私自身も自分が周りと色の認識が違う…自分が色覚異常であるということに気がついても、周りに見え方を詳細に伝えることができないから理解も共感も得られず独りで悩んでしまいました。
自分が他と何かが違うのは明らかなのにどう違うのかがわからない。
どんな風に見える?と聞かれても自分の見えている色が普通の人にとっては何色というのかわからないから助けを求めたくても、何も言えない、何もわからない。だから次第に誰かに打ち明けるのが怖くなってしまった…
というように私のようにプラスに受け止められない人もいれば、実際考え方や捉え方は人それぞれなので、この特性を「個性」と捉える人もいます。
私は、自身が経験した苦悩や考え方などをこのnoteを通して同じように悩んでいる、もしくは自分ではないけれど大切な人が悩んでいるという人に向けて情報を共有できたらと思っています。
前半の説明でだいぶ長くなってしまったので、具体的な経験談などは次回のnoteから書いていこうと思います。
ここまでご清覧いただき、ありがとうございました。
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