「月が綺麗ですね」
今夜は十三夜。中秋の名月も眺めたので、片見月にならずにすみました。
夜道を歩いていると、つい月を見上げます。光り輝く満月は本当に美しく、足を止めて見入ります。そのあたりを歩いている人と「綺麗な月ですね」と分かち合いたくなるのですが、みんな下を向いて家路を急ぎ、月を見上げてる人って、まずいないんですよねぇ。
あっ、「月が綺麗ですね」は、迂闊に口にしてはいけない言葉でしたか。
年を重ねるにつれ、月の満ち欠けや花だよりに敏感になり、節句や行事ごとが大切に思えるようになりました。
そういえば、熱帯雨林気候で一年中気温の変化がない国に赴任した知人が、生活に変化をつけるのが難しいと嘆いていました。それらは単調な生活にメリハリをつけるための、古人の知恵なのかもしれません。
春と秋が極端に短くなってしまったとはいえ、季節のうつろいに敏感な国にいることを、ありがたく思います。
雲も晴れ、十三夜の月は煌々と輝いています。すこし欠けているためか、角ばっているように感じられ、なかなか愛嬌のあるお月様。
さて。月見団子をいただきましょうか。