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新開地劇場 花の三兄弟

こんにちは。ゼロです。
自己紹介やプロフィールは長くなるので別のところで書きます(まだ)

大衆演劇ってとても面白いのに知名度が低い
と勝手に思っているのでその面白さを少しでもお伝えしたいと思いとある方に観劇日記を書いていただきました。

大衆演劇が好きな方もご存知ない方もお読みいただければ幸いです。少しでも魅力が伝わればいいな。

はじめましての今回は、現在、兵庫県新開地劇場で公演している花の三兄弟です。花の三兄弟のTwitterはこちら↓

それでは、感激日記をお楽しみください

日付: 2020/06/19
新開地劇場 昼の部 花の三兄弟

題名: 観劇日記。芝居編:『流転三年』
博多家桃太郎座長、主演。


初幕が開くとそこは剣の道場が火事のシーン。
道場の師範(筑紫桃之助二役)が、師範の座を狙う門下生の鈴川(藤千之丞)に斬り殺される。それを偶然目撃した火消しの松(玄海花道)は、口止め料として五両を渡される。
(話は逸れるが、二回続けて敵役演じる藤千之丞の芝居に当たった私は幸運だ。人間の裏と表、二つの顔を演じ分ける彼の芝居は絶品。でもやはり人情味溢れる親分役の千様が私は好きである。)

相良(博多家桃太郎)は道場生であったが、江戸へ剣の修行に出かけた三年の間に酒と女に溺れる放蕩三昧。ついには酒代欲しさに道場へ破門を願い出る。破門料を受け取った相良は、かつては自分を慕ってくれた後輩(筑紫桃之助二役)にも三行半をつきつけられる。

博多家演じるどうしようもない輩だが、道場にて竹刀を素振りするシーン。
このシーンが彼の心の移り変わり、後半へ物語が展開する重要な場面となる。
素振りをし、鍛練する事により、かつて剣へ燃やした情熱や、師範を敬う心がよみがえる。やがて相良は師範の死の真相を疑うようになり、松(玄海花道)を問い詰め、欲に目が眩む鈴川(藤千之丞)による他殺であったことが明らかにされる。

最後は仇討ちへ、、とつながるまぁ割りと平凡なストーリーなのだが、全般に野暮ったさを感じさせないのは、相良(博多家)の人間性に由るものなのだろう。後輩を思いやる優しさ、最後に自分がしてきた行いを悔い我が立場をわきまえる謙虚さ。それが観る人の心にボッと火を灯し、観客皆が相良を好きになる。

この芝居、殺害現場を目撃していた松(花道)がストーリー展開の鍵を握るのだが、しっかり暴走してくれる。仇討ち後のラストシーンで相良(博多家)に呼ばれ、かご背負って、髷にキャップ姿で『ウーバーイーツで~す!』って自転車に乗って登場。軽い(笑)。
しかし、この軽さゆえに主役が引き立つのだ。

ラストショーは「花の幡髄院長兵衛」。
2019年6月、そう、ちょうど1年前の花道まつりでまさにここ新開地劇場で観た芝居仕立てのショーだ。

長兵衛役はもちろん花道。敵役の旗本、水野十郎左衛門に筑紫桃之助。長年不仲な二人であるが、水野の屋敷の檜木風呂の新築祝いに招かれた長兵衛が太刀を預け、身一つで湯殿にいるところに水野が槍を持って奇襲する。長兵衛は武士らしからぬ非道と腹を立て、武士とはかくあるべき、と自分で槍先を腹にむける。
昨年より進化していた。まず化粧が全く違っていた。歌舞伎の隈取に近いのだろうか(筆者は歌舞伎メイクに明るくないため不明)。にらみがさらにパワーアップしており、さらに見応えがあった。

筑紫は芝居の幅が本当に幅広い。なぜなら主役を務められる座長が三人もいる(実質二人座長だが。) 「芝居の筑紫」をもっと貪欲に押し出していってほしい。

お芝居は撮影禁止およびコロナ対策で今は写真がとれないので昨年の大阪明星座での花の三兄弟。左から桃之助座長 藤千之丞さん 右中の後ろ 桃太郎座長

コロナ以前の新開地劇場

って完全に知ってる人向けのガチの観劇日記になってるけど。まあいいや

今日もハッピーな一日を
がんばろうね

ではまたね。

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八田 零 ∣ゼロ
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