サイカイ
12月24日いやバレンタインデイだったかな?
ちがうな。そんな特別な日ではなくて
ただの日常だったかもしれない。
何年前かも覚えてない。ただ、わたしは十数年ぶりに、その人に会いに行った。確か32歳のときだった。
その人はわたしが18歳の頃に出会ったバイト仲間だ。うまく気持ちを伝えられずすれ違い続けた人だ。
御堂筋線で淀屋橋駅から千里中央までは9駅。時間にすると約25分くらい。北大阪急行なので少し高い
何故会いに行こうと思ったのか。
個人向けの営業職をしていて、
人に会うことが仕事だったからだ。
とりあえず、パンフレットとパソコンを持って会いに行った。
電車の中でひとり窓の外を見ながら
地下鉄が地上にあがり外の風景が見えるようになると小さいドキドキがだんだん大きくなり、駅に到着するとドキンドキンに変わっていた。
千里中央駅のやたら長いエスカレーターをぐるぐるして今は廃墟の千里セルシー
その先の千里阪急にむかった。
一歩一歩近づく。
コワイ……
階段を降りたときに、ようやく気づいた。
とくに思いも伝えていないのに、保険屋になった途端なに会いに行ってんの。
あ、アホみたいやん……営業かよ。
しかし、せっかく来たから、やっぱり顔がみたい。わたしは頭の中で、結婚のお祝いを伝えたいと、会いに来た理由を復唱していた。
ようやく阪急の前に立ったその時。
後ろから、と言いたいところだけど
どこであったのか?どの店だったのか
そもそも千里阪急だったのかすら記憶にない。
後ろから肩を叩かれ、ひさしぶりですね。
ZEROさん!!元気してましたか?
と不意打ちを喰らった。
わたしと年下の彼女と再会した瞬間だった。
#アンズルヨリウムガヤスシ
お茶でもしようか?
そもそもおかしな話だ。
お茶でもしましょうと会ってるのにお茶でもしよっか?普通に考えてそれはない。そらそうよ。
としかならないはずだがもの静かな人なので
ただ、微笑んでいた。
スタバにする?アフタヌーンティーでいいかな?
いや、ドトールでしょ。なんてことはなくて
どこに入ったは覚えてない。
どのくらいの時間話したのかは覚えていない。そして帰り際に何やらモジモジしながら、結婚おめでとう。
渡したのは、
バラのポストカードとパンフレット。
ありがとう。
久しぶりに話しできて楽しかった。
また来るねと言いお店を後にした。
そして電車に乗るために、ぐるぐる登ったところだった。
やっぱりもどろう。
とめちゃくちゃおいかけて腕をつかんだ。
え!!!!??
なにやってんの!!!??
彼女が振り返って驚いていった?
どうしたの?
伝えてない言葉があったから
言っておかないと、あの当時好きでした。
( ゚Д゚)はぁ!?である。
いまさらとか、ずるい。
この瞬間、隠していた気持ちが弾けた。
それは以前の話でいまじゃない。
知ってたよ。お互い結婚して
お互い幸せになろうね。
最後まですれ違ってたよね。
保険の成績はあがらなかったが、
脳内に何かが溢れまくっている。
数年モヤモヤしてた気持ち
戻しようのない過ぎ去った時間
すれ違ったこころ
それを埋めるような優しい微笑み
入り混じった感情を一瞬にして打ち消してくれる
何かが脳内に溢れていた。モルヒネってこんな感じかもしれない。しらんけど。
ドラマチックでもなんでもなく
スレ違いは最後までスレ違ったままで
それはスレ違いではなく二人の適切な位置関係
お互い幸せになろうね。
この約束は守れてるのかな。
そうだといいな。僕は幸せです。
赤いバラの花言葉は、
「あなたが好きです」
あれから10年以上経ったいま、出会っても普通に話せるだろう。もう、会うことはないだろうけど
人それぞれいろんな形がある。
恋愛とも結婚ともちがう関係性。
あの人と結婚していたら、いまいる家族はない。
最後まで読んでくれてありがとう。
みんなへ
いつも見ていてくれてありがとう。
みんなの優しさに、わたしが癒されています。
大好きです。